半導体エンジニアとは？仕事内容や年収、将来性 、有利なスキルを解説

半導体エンジニアとは

半導体エンジニアとは、電子デバイスや集積回路(IC)の設計、開発、製造、評価に関わる技術者のことを指します。
 
半導体は、スマートフォンやコンピューター、自動車など、現代社会を支えるあらゆる電子機器の心臓部に相当する部品であり、その性能や品質を決定づける重要な要素です。
 
半導体エンジニアは、この半導体の設計から製造に至る一連のプロセスに携わり、革新的な電子機器の実現に不可欠な役割を果たしています。

半導体エンジニアの仕事内容

半導体エンジニアの仕事内容は、大きく分けて以下の３つです。

• 半導体プロセスエンジニア
• 半導体製造装置メンテナンスエンジニア
• 設計エンジニア

半導体プロセスエンジニア

半導体プロセスエンジニアは、半導体の製造プロセスや生産技術の開発に携わる職種です。具体的には、微細加工技術の開発や改善、製造装置の操作条件の最適化、品質管理などが仕事の範疇になります。
 
これらの工程を通じて、より高性能でコスト効率の良い半導体の製造を実現することが目標です。
 

半導体製造装置メンテナンスエンジニア

半導体製造装置メンテナンスエンジニアは、製造プロセスで使用される様々な装置の維持管理を担当します。定期的なメンテナンスや故障時の修理、装置の性能向上を目的とした改良などが主な業務です。
 
高度に精密な装置を扱うため、高い技術力と忍耐力が求められます。
 

設計エンジニア

設計エンジニアは、半導体の設計を行う職種で、電子回路の設計や、それを実装するためのマスクパターンの作成などが主な仕事内容です。
 
また、製品の要件に応じた最適な半導体の設計を行うことで、製品の性能向上やコスト削減に貢献します。

半導体エンジニアの平均年収は約644万円

半導体業界は、高度な技術力と専門知識を要する分野であるため、エンジニアの年収は比較的高水準にあります。平均年収は約644万円とされ、経験やスキル、勤務する企業によってはさらに高い報酬を得ることが可能です。
 
技術革新が日々進む分野であるため、スキルアップに励むことでキャリアアップのチャンスも広がります。
 
出典：厚生労働省「jobtag」｜半導体技術者

半導体業界が「やめとけ」と言われるのはなぜ？

半導体業界は「やめとけ」と言われることがあります。これは、主に製造（工場）業務において、ネガティブなイメージを持たれているためです。
 
長時間労働になりやすいことや、精密機械を扱うため服装などに制限があり、ストレスを感じやすい労働環境であることなどが要因と言えます。
 
半導体工場が「きつい」と言われる理由については以下の記事へでも解説しているので、参考にしてみてください。
関連記事：半導体工場はきつい？やめとけと言われる理由は5つ！向いている人の特徴も解説

半導体エンジニアの将来性は？

結論から言うと、半導体エンジニアの将来性は高いと言えます。その理由について、以下で解説していきます。
 

IoTやAIの進化に伴い需要が増えている

IoTやAIは、私たちの生活を大きく変革する技術です。これらの技術が発展するにつれ、様々な機器やシステムに半導体が搭載されるようになり、半導体市場全体が拡大しています。
 
IoTやAIによって求められる半導体は、従来のものよりも高度な機能や性能が求められます。そのため、半導体開発には、高度な専門知識と技術を持つエンジニアが必要となります。
 
半導体の需要については、以下の記事もあわせてご参考ください。
関連記事：半導体不足はなぜ解消しないの？原因や影響、いつまで続くのか を解説
 

採用ニーズが増えている

半導体エンジニアの採用ニーズは、近年非常に高まっています。2020年と比較すると、2023年には求人数が約12.8倍に増加しており、今後もその傾向は続くと予想されています。
 
参考：リクルートエンジニア｜「半導体関連エンジニア」求人、10 年で 12.8 倍に増加

半導体エンジニアに向いている人の特徴 

半導体エンジニアに向いている人の特徴は、以下のとおりです。

• キャッチアップスキルがある
• 英語が得意
• コミュニケーション能力が高い

キャッチアップスキルがある

キャッチアップスキルがある人は半導体エンジニアに向いていると言えるでしょう。半導体業界は技術革新が非常に速いため、常に最新の技術を学び続けることが求められます。
 
キャッチアップスキルがあれば、日々変化するニーズに柔軟に応えることもでき、業界で活躍し続けることができるでしょう。
 

英語が得意

半導体産業はグローバルな業界であり、海外企業との取引や海外拠点での勤務機会も多いです。英語力があれば、海外の技術情報や資料を理解したり、海外のエンジニアとコミュニケーションを取ったりすることが容易になります。
 
また、半導体の技術情報は英語で発信されることが多いため、英語力があれば技術情報のキャッチアップにも役立ちます。
 

コミュニケーション能力が高い

半導体開発は、設計、製造、テストなど多くの工程があり、複数のチームが協力して行う場合がほとんどです。チームメンバーと円滑にコミュニケーションを取ることで、プロジェクトをスムーズに進めることができるでしょう。
 
具体的には、以下のような場面でコミュニケーション能力が求められます。

• チームミーティングでの意見交換
• クライアントとの要件定義
• 上司への進捗報告
• 問題発生時の原因分析と解決策の検討
• 海外との技術交流

半導体エンジニアにおすすめの資格

半導体エンジニアにおすすめの資格は、以下の3つです。
 

• 半導体製品製造技能士

国家資格である技能検定制度の一種で、都道府県職業能力開発協会（問題作成等は中央職業能力開発協会）が実施する、半導体製品製造に関する学科及び実技試験
 

• 半導体技術者検定

一般社団法人パワーデバイス・イネーブリング協会（PDEA）が運営する、半導体の作り手と使い手の知識を客観的かつ公正に認定する唯一の資格
 

• 情報処理技術者試験

情報処理技術者としての知識及び技能が一定以上の水準であることを認定する国家試験。通称ITパスポート、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験などと呼ばれている
 
参考：厚生労働省｜半導体製品製造技能士
参考：半導体技術者検定
参考：独立行政法人 情報処理推進機構

まとめ

今回は、半導体エンジニアの仕事内容について解説してきました。半導体業界はAIやIoTなど技術の進化に伴い需要が伸びている分野なので、半導体エンジニアの将来性は高いと言えます。未経験から目指すことも可能なので、この記事で紹介している半導体エンジニアに向いている人の特徴を参考に、資格取得にも挑戦してみてください。
 
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