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クリーンルームの役割とは?工場勤務前に知っておきたい仕組みなどを解説

工場系求人案内を見ていると、よく登場するのが「クリーンルーム」という単語です。どんな部屋で、どんな服装で働くのか気になっているけど行動に移せていない、給料が高くて気になるけど、分からないままスルーしている、もっと工場系クリーンルームについて知りたい。今回はそんな悩みを抱えている方に向けて、クリーンルームについて詳しく紹介します。クリーンルームで働くイメージが深まることでしょう。専門用語がいくつも登場しますが、面接で専門用語を交えて話をすると好感度がアップします。最後までお付き合いください。

目次
松本 隆志 採用統括グループ長
著者:株式会社ワールドインテック採用統括グループ長/松本 隆志

クリーンルームの主な役割を知ろう


クリーンルームとは、空気中のホコリやチリなどの浮遊粒子や浮遊微生物を一定の清浄度以下に管理し、温度・湿度・圧力などの環境条件を制御した空間のことです。求められる清浄度や管理項目は、製造する製品や使用目的によって異なります。
 
クリーンルームは、用途によって大きく次の2種類に分けられます。
 
●      インダストリアルクリーンルーム(ICR):半導体や電子部品、精密機器などの工業製品の製造に用いられ、主に空気中の微粒子を管理する
●      バイオロジカルクリーンルーム(BCR):医薬品・食品・医療などの分野で用いられ、微粒子だけでなく、細菌やカビなどの微生物も含めて管理する

クリーンルームは、製造する製品や目的に応じて適切な清浄環境を維持し、品質や安全性を確保するために欠かせない設備です。
 

インダストリアルクリーンルーム(ICR)

ICRでの管理対象は、空気中の浮遊微粒子です。主に電子機器系の製品を扱う施設に設けられます。半導体の製造工程では、制御対象となる微粒子の粒径は0.1μm(マイクロメートル)以下となる場合もあります。
さらに、適切な温度や湿度、室圧、気流、ケミカルガス成分なども管理されたクリーンな空間が必要になります。
 
【利用場所・分野】
●      半導体
●      液晶パネル
●      精密機器
●      樹脂製品
●      マイクロマシン
●      精密機器 など 

バイオロジカルクリーンルーム(BCR)

BCRは、産業分野によって目的が異なります。医薬品や化粧品産業ではGMP(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)に対する製品の交差汚染(人や原材料、製品などが異なる衛生区域間を移動する際に菌などを持ち込み、製品を汚染してしまうこと)を防止するほか、製品の品質向上、従業員の安全性確保などを目的としています。病院施設では生命維持のための感染防止、食品産業においては異物混入の防止、味や消費期限を維持するために用いられます。
 
再生医療に用いられる細胞培養センター(CPC)では、微生物の汚染を防止するためにバイオロジカルクリーンルームが設置されています。
 
【利用場所・分野】
●      医療機器・医療部品製造
●      化粧品
●      食品加工
●      病院の手術室
●      病院での新型コロナウィルス感染病床
●      再生医療センター 

クリーンルームの構造(気流方式)

クリーンルームの構造は、気流の流れ方で大きく3つに分かれます。

●      一方向流方式
●      非一方向流方式
●      混合方式

クリーンルームは室内の空気を循環させて、空気の清浄レベルを一定に保ちます。一方向流方式は、天井や壁の一面にHEPAフィルタといった高性能フィルタを設置し、空気循環が水平、もしくは垂直に一方向に流れるようにする方式です。

非一方向流方式は、天井や壁の一部にHEPAフィルタなどの高性能フィルタを設置し、空気を循環させるのですが、他の一部に排気口を設け、空気を乱流するもので、微粒子の拡散を防止し、速やかに排出するものです。

混合方式とは、一方向流方式と非一方向流方式を混合させた方式で、一方向と乱流する気流が混ざり合っています。
 

一方向流方式

高品質のクリーンルームで用いられています。大量の給排気を行い、高い清浄レベルを保つために、全面がフィルタになった天井を用いたり、もしくは壁から入る空気をまっすぐに流して排気します。空気の流れを乱さないように生産設備、搬送用のロボットを設置し、入室人員を最小限にする運用が行われています。天井全面から床面に気流が流れ落ちるタイプは「垂直方式」と呼ばれており、最高レベルの清浄度を誇ります。高い清浄度の維持できるのがメリットですが、空調関係のランニングコストが高くなる点がデメリットです。
 

非一方向流方式

中程度のクリーンルームで用いられ、低投資で効果的な自動化を実現できます。天井や壁の一部にHEPAフィルタを設置し、他の一部に排気口を設け、清浄な空気を室内に取り入れ、クリーンルーム内で発生しているチリやホコリ、浮遊微生物を希釈して室外に排出します。一方向流方式と比べると空調関係のランニングコストを低くすることができるのがメリットですが、清浄度はやや落ちるのがデメリットです。
 

混合方式

高いコストパフォーマンスが得られやすいのが特徴で、一方向流方式と非一方向流方式のいいとこどりをしたイメージです。ランニングコストを低く抑えることができ、高い清浄度を維持できるのが特徴です。

クリーンルームで働くときは、クリーンスーツを着て作業します。マスクをして、目以外はクリーンスーツで覆われているので、暑そうに思われるのですが、クリーンルーム内は1年中一定温度に保たれているので快適に働けます。クリーンスーツは通気性もよく、ホコリが付かない仕組みになっています。

クリーンルーム内の清浄な風は、向きや速さなどが一定になるようコントロールされています。常に風が吹いている状態で寒そう、と思うかもしれませんが、クリーンスーツを着ているので大丈夫です。
 

クリーンルームの4原則

クリーンルーム内では、作業する人が大きな汚染発生源になります。人が動くと、毛髪や皮膚片、衣服などからホコリや微粒子が発生し、室内の清浄度に影響するためです。

クリーンルームの清浄度を維持するには、設備だけに頼るのではなく、作業する全員がルールを正しく理解し、決められた手順を守らなければなりません。

クリーンルームでは、主に次の4原則を厳守し、異物や汚染物質の発生・侵入を抑えましょう。
 
●      異物を持ち込まない
●      異物を発生させない
●      堆積させない
●      排除する 

異物を持ち込まない

クリーンルームの外から、ホコリやチリなどを持ち込まないようにしましょう。

材料や機器などは、必要に応じて洗浄してからクリーンルーム内へ持ち込みます。また、作業者も入室時にエアシャワーを使用し、衣服などに付着したホコリや異物を除去してから入室するのが基本です。

機器の洗浄や服などに着いた異物の除去を徹底すると、外部からの異物の侵入を抑えられます。
 

異物を発生させない

クリーンルーム内では、異物を持ち込まないだけでなく、室内で新たなホコリや微粒子を発生させない工夫も必要です。

作業時にはクリーンスーツを着用し、発塵しやすい材料や備品の使用を避けましょう。また、人が動くほどホコリが舞いやすくなるため、作業中は必要以上に動かず、無駄な動作を減らす意識も大切です。
 

堆積させない

どんなに注意をしていても、人が作業する空間ではホコリや異物が発生してしまう可能性があります。重要なのは、ホコリや異物を室内に堆積させないことです。

クリーンルームは、ゴミやホコリが溜まりにくく清掃しやすい室内設計が求められます。壁や床、設備周辺の凸凹や隙間をできるだけ減らし、汚れが蓄積しにくい環境を整えるようにしましょう。
 

排除する

クリーンルーム内でホコリ、異物が発生してしまった場合は、できるだけ速やかに室外へ排出してください。

発塵が起こりやすい場所の近くで排気を行い、汚染物質が室内全体へ広がらないようにしましょう。また、空気の流れを妨げる物を置かず、適切な気流を保つのもポイントです。

「持ち込まない」「発生させない」「堆積させない」「排除する」の4原則を徹底すると、クリーンルーム内の清浄度を維持しやすくなります。
 

業種によって違う?クリーンルームのクラス(清浄度)分類


クリーンルームの清浄度は、「クラス」という数値で表され、数字が小さいほど清浄度が高いです。

清浄度は、一定量の空気中に決められた大きさ以上の微粒子がどれくらい含まれているかを、測定して分類します。空気中の微粒子が少ないほど、より清浄な環境と判断されます。

クリーンルームの清浄度を示す規格は「ISO 14644-1」と「米国連邦規格(FED-STD-209E)」の2つです。1999年にISOが国際的な統一規格として制定されたため、米国連邦規格は2001年に廃止されました。

しかし、米国連邦規格に慣れ親しんできた日本では、現在でも、クリーンルームの清浄度を米国連邦規格で表記している企業があります。

比較項目

ISO 14644-1

米国連邦規格(FED-STD-209E)

現在の位置づけ

国際規格として使用されている

2001年に廃止

クラス表記

ISO Class 1~9

Class 1、10、100、1,000など

測定する空気量

1立方メートル

1立方フィート(約28.3L)

数字の見方

数字が小さいほど清浄度が高い

数字が小さいほど清浄度が高い

表記例

ISO Class 5

Class 100など

米国連邦規格では、主に1立方フィートの空気中に含まれる粒子数を基準に、クラスを分類します。一方、ISO規格では、1立方メートルあたりの粒子濃度を基準に分類する点が大きな違いです。

【業種・職場別】クリーンルームのクラス(清浄度)分類

クリーンルームに求められる清浄度は、業種や製造する製品、作業内容によって異なります。

たとえば、わずかな微粒子が品質に影響する半導体工場では、非常に高い清浄度が必要です。一方、食品工場や自動車部品工場では、対象異物や管理目的に応じた清浄度が設定されます。

以下は、産業・分野ごとに求められる清浄度の目安を、旧米国連邦規格(FED-STD-209E)で示した表です。

産業・分野

求められる清浄度・クラス(米国連邦規格)

主な対策内容

半導体工場

クラス1~100

ハイレベルの塵埃管理

電子部品工場

クラス100~10,000

製品の生産性向上と品質管理

光学機械工場

クラス100~10,000

高精度製品への対応と品質管理

精密工場

クラス100~10,000

微細塵埃の除去と製品の品質管理

薬品・食品工場

クラス100~100,000

虫の混入対策

印刷工場

クラス1,000~100,000

製品の仕上がりの向上と品質管理

自動車部品工場

クラス1,000~100,000

鉄の切粉・鉄のコゲ・くずなど目に見えるものの対策

手術室・治療室

クラス100~10,000

空気感染を考慮した医師・患者の保護

花粉対策

クラス10,000~100,000

スギ花粉(30~40µm)の除去

インフルエンザ対策

クラス10,000~100,000

空気乾燥対策・密閉度の確保

特に半導体や精密機器などを扱う工場では、肉眼では確認できないレベルの小さな粒子でも製品不良につながる可能性があるため、厳しい清浄度管理が求められます。

食品や医薬品を扱う工場では、ホコリだけでなく虫や微生物などの混入防止も重要です。

クリーンルームは、単純に清浄度を高くすればよいわけではなく、製品や作業内容に合わせて適切なレベルでの管理が求められます。

準クリーンルームとは

準クリーンルームとは、一般の空間とクリーンルームの間に設けられ、クリーンルームへホコリや異物を持ち込まないための前段階の空間のことです。

清浄度を保つため、準クリーンルームには下記の設備が設けられています。

代表的な設備

役割

更衣室

普段着からクリーン服へ着替え、衣服や身体からの発塵を抑える

エアシャワー

クリーン服などに付着したホコリや微粒子を空気で吹き飛ばす

パスボックス

人が出入りせずに材料や機材をクリーンルーム内外で受け渡す

手洗い・消毒設備

手指に付着した汚れや微生物を持ち込むリスクを抑える

準クリーンルームを設けて段階的に清浄度を高めることで、クリーンルーム内への異物の持ち込みを減らし、必要な清浄度を維持しやすくなります。
 

クリーンルームと無菌室の違い 

無菌室は、「バイオクリーンルーム」とも呼ばれ、空気中の微粒子や微生物を管理するための病室や医療空間のことです。

製品への異物混入や微粒子による品質低下防止を主な目的としているクリーンルームに対し、医療分野の無菌室では、患者や医療従事者を感染リスクから守る目的があります。

比較項目

工業用クリーンルーム

無菌室・バイオクリーンルーム

主な使用場所

半導体・電子部品・精密機器などの工場

病院・医療施設など

主な目的

製品への異物混入を防ぎ、品質を維持する

微粒子や微生物を管理し、感染リスクを抑える

主な管理対象

ホコリ・チリなどの微粒子

微粒子・微生物など

清浄度の例

製造工程によって異なる

手術室:ISO Class 7、無菌手術室:ISO Class 5

一般的な手術室の清浄度はISO Class 7、より高い清浄度が求められる無菌手術室は、ISO Class 5です。どちらも空気を清浄に保つ点はクリーンルームと共通していますが、求められる管理内容や目的は異なります。
 
参考: 看護roo! 無菌
 

クリーンルームの設計・施工とメンテナンス

クリーンルームは、断熱パネルやHEPAフィルタ、空調設備などを組み合わせ、ホコリや微粒子が入りにくく、発生した異物も効率よく排出できるように設計・施工しなければなりません。

さらに、施工後も温度・湿度や室内の圧力、清浄度を適切に管理し、日常的な清掃や設備点検が欠かせません。
 

クリーンルームの設計・施工のポイント

クリーンルームを設計・施工する際は、異物を「持ち込まない・発生させない・堆積させない・排除する」という、4つの基本原則を実行できる構造にする必要があります。

特に重要なのが、次の4つの要件です。

設計・設備

主な役割

平滑な床・壁

ホコリがたまる凹凸や隙間を減らし、清掃しやすくする

循環空気システム・HEPAフィルタ

空気中の微粒子を捕集し、清浄な空気を循環させる

空調設備

温度・湿度・気流・室圧などを用途に応じて管理する

エアシャワー・パスボックス

人や物を介した外部からの異物の持ち込みを抑える

設計時に注目したい指標のひとつが「換気回数」です。
 
換気回数(回/h)=除じん循環風量(m³/h)÷クリーンルーム容積(m³)
 
たとえば、容積100m³のクリーンルームで、1時間あたり3,000m³の空気を除じん・循環させる場合、換気回数は30回/hになります。

換気回数は、室内の空気を1時間に何回相当循環・処理できるかを示す指標です。発生する微粒子の量や必要な清浄度、作業人数、気流方式などを踏まえて、適切な循環風量を設計します。

そのため、必要な清浄度クラスを維持するうえでは、HEPAフィルタを設置するだけでなく、室内全体に必要な量の清浄空気を循環させられるかどうかも重要です。
 

クリーンルームの温度・湿度・気流の管理

クリーンルームは、清浄度だけでなく、温度・湿度・気流・室内圧力も用途に応じて管理します。

一般的なクリーンルームでは、室内を外部よりも高い気圧にする「陽圧」が用いられます。扉を開けたときに室内から外へ空気が流れるようにすることで、外部のホコリや汚染された空気が入り込むのを抑える仕組みです。

一方、病原体や外部に漏らしたくない物質を扱う医薬品製造工程、病院の感染対策エリアなどでは、室内を外部より低い気圧にする「陰圧」が用いられる場合があります。陰圧は空気を室内側へ流し、汚染物質などが室外へ漏れ出すのを防ぐのが目的です。

用途例

温湿度管理の目安

圧力管理

一般的な電子部品製造

室内を一定の温湿度に管理

陽圧(外部からの汚染防止)

環境測定実験室・電子顕微鏡室

温度±0.5℃、湿度±5%

陽圧

医薬品製造・病院の感染対策エリア

用途に応じて厳密に管理

陰圧(外部への漏出防止)

特に電子顕微鏡や精密測定機器などを使用する恒温恒湿クリーンルームでは、温度±0.5℃、湿度±5%程度の精密な空調が求められるケースもあります。

温度変化によって精密部品が膨張・収縮したり、湿度によって静電気や結露が発生したりすると、測定結果や製品品質に影響する可能性があるためです。

また、適切な気流の生成も重要です。HEPAフィルタで清浄な空気を供給しても、設備や荷物などが空気の流れを妨げると、ホコリが滞留しやすい場所が生まれてしまいます。

設計段階から設備の配置や給排気の位置まで考慮し、室内に汚染物質がたまりにくい気流を作りましょう。
 

クリーンルームの清掃・メンテナンス方法

クリーンルームは、完成時に高い清浄度を確保できていても、その状態が自動的に維持されるわけではありません。常に高い清浄度を保つには、日常的な清掃と定期的な設備点検・評価が重要です。

まず、清掃しやすい環境をつくるために、設計段階からホコリが溜まりやすいコーナーや凹凸をできるだけ減らしましょう。ダクトや配管類も、室内への露出を抑えればホコリが溜まる場所を減らせ、清掃しやすくなります。

実際の運用では、施設ごとに定められた基準や手順に沿って床・壁・設備などを定期的に清掃してください。目に見えるゴミだけを取り除くのではなく、清浄度に影響する微細な粒子を増やさないよう、クリーンルームに適した清掃用具や方法を使用するのが大切です。

さらに、清浄度が設計時の基準を維持できているかを確認するため、パーティクルカウンターを使った測定などの評価試験も行われます。

パーティクルカウンターとは、空気中に浮遊している微粒子の大きさや個数を測定する機器です。定期的に測定すると「設定された清浄度クラスを維持できているか」「以前より粒子数が増えていないか」といった変化を数値で確認できます。
 

クリーンルーム求人の仕事内容


クリーンルームの求人は、主に検査・組立・加工・軽作業・マシンオペレーターなどの仕事があります。

クリーンスーツを着用し、異物を持ち込まないよう決められた手順に従って作業する点が、一般的な工場勤務との大きな違いです。
 

クリーンルームで作業する主な仕事

クリーンルームで作業する代表的な仕事内容を、以下の表にまとめました。

仕事内容

主な業務内容

検査

製品のキズ・汚れ・不具合などを目視や測定機器で確認する

組立・加工

電子部品や精密部品などを手作業や工具を使って組み立てる

軽作業

部品の仕分け、梱包、材料の準備などを行う

マシンオペレーター

製造装置への材料のセット、機械操作、稼働状況の確認などを行う

設備保全・メンテナンス

製造装置や空調設備などの点検・保守を行う

たとえば、半導体工場では、小さな部品の組み立てや完成品の検査、製造装置の操作などを担当します。

「軽作業」と書かれていても、体への負担が少ない仕事とは限りません。職場によっては、20kg程度の原材料を製造装置へ投入するなど、重量物を扱う作業が含まれる場合もあります。

応募する際は、重量物の有無や作業姿勢、立ち仕事の時間など、具体的な仕事内容まで確認しておくと安心です。
 

クリーンルームでの作業に資格は必要?

クリーンルームでの作業に必須の資格はないため、検査や組立、マシンオペレーターなどは未経験者でも応募できる求人もあります。

ただし、担当する業務によっては、資格や技能講習の修了が必要です。

たとえば、有機溶剤業務を行う場合、事業者は「有機溶剤作業主任者技能講習」を修了した人の中から作業主任者を選任 しなければなりません。作業主任者は、作業方法の決定や作業者への指揮、換気装置の点検、保護具の使用状況の確認などを担当します。

企業によっては、入社後の資格取得費用を補助したり、講習への参加を支援したりする制度を設けている場合もあります。

将来的に専門業務や管理業務へステップアップしたい人は、求人を選ぶ際に取得できる資格や支援制度の有無も確認しておくとよいでしょう。
 

クリーンルームで勤務する際に押さえておきたいルール


クリーンルームは、製品の品質や衛生状態を保つため、入退室・持ち込み・身だしなみなどに細かなルールが設けられているのが一般的です。

企業によってルールの内容は異なりますが、基本的な決まりを事前に知っておけば、初めてクリーンルームで働く場合でも対応しやすくなります。
 

入退室・持ち込みに関するルール

クリーンルームは、外部からホコリやチリなどを入れないために、室内へ持ち込める物が制限されています。

決められたもの以外は原則として持ち込まず、作業に必要な材料や機器も、施設のルールに従って消毒・洗浄してから搬入するのが一般的です。

また、入室時はクリーンスーツに着替えたり、エアシャワーを使用したりするなど、外部から異物が入り込まないための手順が定められている職場もあります。

ルールを守らないと、作業者自身がホコリや微粒子の発生源となり、クリーンルーム内の清浄度や製品品質に影響するため、必ず従いましょう。
 

身だしなみに関するルール

毛髪や化粧品、アクセサリーなどが異物混入の原因にならないよう、身だしなみに関するルールを設けている工場も多いです。

項目

主なルール例

ヒゲ

剃るよう求められる場合がある

整髪料

使用を禁止している場合がある

アクセサリー

指輪・ネックレス・ピアスなどの着用を禁止している場合がある

化粧

清浄度や製造品目によっては禁止される場合がある

クリーンスーツの下の服装

普段着を着用できる場合もあるが、シャツを出さないなどのルールが設けられることがある

特に食品・医薬品や精密部品などを扱う職場では、製品への異物混入の防止目的で、一般的な工場よりも細かな身だしなみの基準が設定されています。
ルールは勤務先によって異なるため、入社時の説明やマニュアルを確認しておきましょう。
 

入室前後の注意点

清浄度を維持するため、クリーンルームへの入退室の回数をできるだけ減らすように義務付けている職場もあります。

また、クリーンルーム内にトイレがない場合も多いです。作業中に頻繁に入退出を繰り返すと衛生面に関わるため、入室直前の過度な水分は控えるなどの工夫をしておくと安心です。

勤務先ごとの決まりを事前に確認し、ルールに沿って行動しましょう。
 

クリーンルームに関するよくある質問


クリーンルームでの仕事や清浄度について、よくある疑問をまとめました。仕事内容や職場環境をイメージする際の参考にしてください。
 

クリーンルームの仕事はきつい・しんどいと言われますが本当ですか?

クリーンルームの仕事が「きつい」「しんどい」と感じられる理由として、入退室や身だしなみなどの細かなルールが多い点が挙げられます。

また、求人票に「軽作業」と記載されていても、職場によっては原材料の投入や運搬など、体力を使う作業が含まれる場合があります。

一方、クリーンルームは、製品の品質を保つために温度や湿度が管理されており、衛生面にも配慮された環境です。そのため、暑さや寒さの影響を受けにくい環境を「働きやすい」と感じる人もいます。

仕事内容や作業環境は、職場によって異なります。応募前に重量物の有無や作業姿勢、勤務時のルールまで確認しておくと安心できるでしょう。
 

クリーンルームのクラス10000とはどのくらいの清浄度ですか?

「クラス10,000」は、旧米国連邦規格(FED-STD-209E)による清浄度の表し方です。

1立方フィート(約28.3L)の空気中に、0.5μm以上の粒子が10,000個以下となるように管理された状態を指し、おおむねISO Class 7に相当します。

食品工場や電子部品工場などでも、製品や工程に応じて同程度の清浄度が求められる場合があります。

なお、FED-STD-209Eはすでに廃止されており、現在はISO 14644-1による分類が国際的な基準です。ただし、工場の現場や求人情報では、現在も「クラス10,000」のような旧規格の呼び方が使われるケースがあります。
 

病院の無菌室とクリーンルームは同じ基準ですか?

病院の無菌室は、空気中の微粒子を管理するため、クリーンルームと同様にISOによる清浄度クラスが用いられる場合が多いです。

ただし、必要な清浄度は、施設や用途によって異なります。たとえば、厚生労働省の無菌治療室管理加算の施設基準では、無菌治療室管理加算1はISO Class 6以上、無菌治療室管理加算2はISO Class 7以上の空気清浄度が求められています。
 
また、高度な清浄度が必要なバイオクリーン手術室などでは、より高い清浄度が設定されるケースもあります。

クリーンルームは、主に製品への異物混入や品質低下の防止を目的とするのに対し、病院の無菌室は患者の感染リスクを抑えるのが大きな目的です。同じ清浄度の考え方を利用していても、管理する目的や設備要件は異なります。
 

クリーンルームでは清浄度を保つ仕組みとルールを理解して働こう


工場のクリーンルームは、空気が清浄化された環境を保ち、製品の不良品や欠損を防ぐため、さまざまな工場で必要不可欠な設備です。クリーンルームで働く際は、クリーンルームの仕組みや特徴を理解した上で、身だしなみやルールをしっかり守る必要があります。クリーンルームでの求人は、一般的な工場より給料は高めになっており、正社員、派遣、契約社員等の求人も多い傾向にあります。クリーンルームで働いてみたいという方は、気になる求人に手軽に応募してみましょう。
 
ワールドインテックのFC事業部では、半導体・電子部品・自動車・食品・化粧品など多様な製造現場への就職・転職を支援しております。

松本 隆志 採用統括グループ長
株式会社ワールドインテック採用統括グループ長
松本 隆志

採用組織の責任者として、戦略立案から広報、ブランディングまでを統括。「継続は力なり」を座右の銘とし、昨日より今日、一歩前進する姿勢とチームワークを重視する。趣味のゴルフや運動で培った活力を活かし、技術者や研究者が「なりたい姿」を諦めず、自身の可能性を最大限に広げられる社会の実現と環境構築に尽力している。

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