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機電系エンジニアの仕事内容とは?年収・資格・将来性まで徹底解説

「機電系エンジニア」という職種名を目にしても、具体的にどのような仕事をするのかイメージしにくいと感じる方は少なくありません。また、年収の水準や将来性に魅力を感じつつも、「きつい」「やめとけ」といった声が気になり、一歩を踏み出せずにいる方もいるでしょう。

本記事では、機電系エンジニアの具体的な仕事内容をはじめ、年収の実態や役立つ資格、キャリアパス、そして未経験からの目指し方までを網羅的に解説します。ご自身のキャリア選択の判断材料として、ぜひ参考にしてください。

目次
松本 隆志 採用統括グループ長
著者:株式会社ワールドインテック採用統括グループ長/松本 隆志

機電エンジニア(機電系エンジニア)とは?


機電系エンジニアとは、機械系エンジニアや電気・電子系エンジニアを総称した呼び方で、IT系エンジニアと対比して用いられることが多い表現です。機械工学や電気・電子工学の知識をもとに、自動車や家電製品といった身近なものから、工場の生産設備やインフラ設備まで、幅広い分野で設計・開発・製造に携わっています。

現代の製品は機械と電気の技術が複合的に活用されているため、両分野に横断的に関わる機電系エンジニアの役割は年々重要性を増しています。

機電系エンジニアと情報系・ITエンジニアの違い

機電系エンジニアはハードウェア寄りの物理的なモノづくりを担う一方、ITエンジニアはソフトウェアやシステム開発が主体となっています。両者の違いを表で整理すると、次のようになります。

比較項目

機電系エンジニア

ITエンジニア

対象

機械・電気設備・製品

ソフトウェア・システム

主な知識

機械工学・電気工学

プログラミング・情報技術

関わる成果物

製品・設備・生産ライン

アプリ・システム・データ基盤

ただし、近年はAIやIoT技術の進展にともない、機電系エンジニアにもソフトウェアやIT関連の知識が求められる場面が増えています。たとえば、工場の生産ラインにAIを活用した画像認識技術を導入するケースでは、ハードウェアとソフトウェア双方の理解が不可欠です。このように、両者の境界は徐々に接近しつつあります。

【関連記事】機械エンジニアに向いている人7選!未経験者がキャリアをスタートさせるポイントも

機械系・電気系エンジニアとの違い

機械系エンジニアは製品の形状・構造・強度の設計を専門とし、電気系エンジニアは回路設計や電力制御を担当しています。それぞれが特定分野に特化した専門職である一方、機電系エンジニアは「機械×電気をつなぐ調整役」として機能し、製品やシステム全体の最適化を担います。

たとえば、工場のロボットアームを導入する際には、アームの駆動に適したモーターの選定と、そのモーターを正確に動かすための制御回路の設計を両立させる判断が必要です。

こうした場面では、機械側の負荷条件と電気側の出力特性の両方を理解していなければ適切な判断ができません。単一の専門分野だけでは対応しきれない領域をカバーできる点が、機電系エンジニアの大きな強みといえるでしょう。

機電系エンジニアの仕事内容と活躍できる業界


機電系エンジニアは、機械工学と電気工学の知識を活かし、製品の企画・設計から製造、運用保守まで幅広い業務を手がけています。活躍の場は自動車や産業用ロボット、半導体、医療機器、エネルギーなど多岐にわたり、どの業界でもハードウェアの設計や制御技術が求められる場面で欠かせない存在です。

具体的な仕事は「設計・開発」「生産技術」「設備保全」の3つに大きく分けられ、それぞれ異なる専門性が必要になります。

業界

機電系エンジニアの主な関与

自動車

EV・自動運転の機構・制御設計

産業用ロボット

機械構造と電気制御の複合設計

半導体・電子機器

製造装置・基板設計

医療機器

MRI・CT等の精密機器開発

エネルギー

発電設備・インフラ設備の設計・保全

製品の設計・開発における仕事内容

設計・開発は、アイデアを物理的な製品として形にする仕事です。世の中のニーズをもとに、機械的な構造(必要な強度や部品の組み合わせ)と電気・電子的な仕組み(センサーの選定やモーターの制御方法)の両面を検討しながら、CADを使って設計図に落とし込んでいきます。

設計が完了したら試作品を製作し、テストを実施して問題点を洗い出します。不具合が見つかれば設計を修正し、再度テストするという流れを何度も繰り返すことで、完成度の高い製品に仕上げていくのが特徴です。自動車のエンジンからスマートフォンの新機能まで、この地道な設計と検証の積み重ねが、あらゆる業界のモノづくりを支えています。

生産技術・工程設計における仕事内容

生産技術とは、設計部門が作成した設計図をもとに、工場で製品を効率よく大量生産するための方法を設計する仕事です。組み立ての最適な順番や、ロボットに任せる作業範囲、作業をしやすくする治具の導入などを検討し、工場のライン全体を設計します。

生産ラインの自動化においては、コンベアやロボットアームといった機械設備と、センサーやPLC(制御装置)による電気制御が組み合わさって稼働するため、両方の仕組みを理解している機電系エンジニアが重宝されます。機械的な動きと電気的な信号処理の双方を把握できることで、トラブルなくスムーズに製品が流れ続けるラインを構築できるのが、この職種ならではの強みといえるでしょう。

設備保全・メンテナンスにおける仕事内容

設備保全は、工場の機械や設備が停止しないように維持管理を行う仕事です。定期的な点検や消耗部品の交換を通じてトラブルを未然に防ぐ「予防保全」と、突然の故障に対して原因を特定し修理する「事後保全」の2種類があります。

工場は24時間稼働していることも多く、1台の設備が止まるだけでライン全体が停止し、大きな損害につながりかねません。そのため、設備保全は生産活動を根幹から支える重要な役割を果たしています。機電系の知識があれば、トラブル発生時に原因が機械側(油圧・空気圧系統など)にあるのか、電気側(センサーやモーターの制御系統など)にあるのかを素早く切り分けて対応できるため、復旧までの時間を大幅に短縮することが可能です。

機電系エンジニアの年収と待遇の実態


機電系エンジニアの年収は、専門性の高さと需要の大きさを背景に、他の職種と比べて高い水準にあります。機電系エンジニアを含む製造業の平均年収は約570万円で、日本の給与所得者平均である約480万円を上回っています(参考:国税庁|令和6年分 民間給与実態統計調査)。

ただし、実際の年収は経験やスキル、勤務先の業界・企業規模、雇用形態によって差が生じるため、自身のキャリアプランに合わせた判断が大切です。

参考:国税庁|令和6年分 民間給与実態統計調査

経験・スキルが年収アップにつながる理由

機電系エンジニアは、経験を積むほど年収が上がりやすい職種です。入社当初は先輩の補助からスタートしますが、たとえばトラブル対応を一人で完結できるようになったり、新しい生産ラインの設計を任されたりすると、評価が上がり給与やボーナスに反映されていきます。

とりわけ、機械と電気の両方の知識を深めて対応範囲を広げたエンジニアは、どちらか一方のみ習得した人材よりも企業から高く評価される傾向にあります。こうした機電系のスキルはどのメーカーでも通用する「ポータブルスキル(汎用性の高いスキル)」であるため、社内での昇給だけでなく、転職市場においても競争力の高い武器になるでしょう。

資格取得が年収・キャリアに与える影響

資格を取得することで、知識やスキルを客観的に証明でき、社内外での評価向上につながります。
機電系エンジニアに有用な代表的資格は以下のとおりです。

資格名

概要

取得メリット

電気主任技術者(電験)

電気設備の保安業務に必要な国家資格

資格手当・昇進条件になるケースが多い

機械設計技術者試験

機械設計の専門知識を証明

転職・昇給のアピール材料になる

機械保全技能士

設備保全の専門知識を証明

保全業務における評価向上につながる

第二種電気工事士

電気工事の基礎資格

実務に直結しやすく取得しやすい

なかでも電気主任技術者は、一定規模以上の電気設備がある事業所で有資格者の配置が法律で義務づけられており、取得すれば年収アップや転職の際に大きなアドバンテージとなります。機械設計技術者試験も、設計の基本を理解していることのアピール材料として有効です。こうした資格は社内での昇給・昇進に役立つだけでなく、転職市場での競争力を高める手段としても活用できるでしょう。

機電系が「きつい」「やめとけ」と言われる理由


「機電系はやめとけ」「きつい」といった声がインターネット上で見られることがあります。その背景には、機械と電気の両方にまたがる専門知識の習得負荷や、設備トラブル時の緊急対応、納期に追われる忙しさといった仕事の特性があるといえるでしょう。

ただし、こうした大変さは専門性の高さと表裏一体であり、だからこそ得られるやりがいや達成感も大きい職種です。

求められる専門知識の難易度

機電系エンジニアが「きつい」と言われる大きな要因の一つは、求められる専門知識の幅広さにあります。機械工学と電気工学はそれぞれ一つの学問として成り立つほど奥が深い分野であり、その両方の基礎を理解しなければなりません。専門的に学んでこなかった場合は、入社後に力学や回路理論といった基礎から学び直す必要も出てきます。

さらに近年は、AIを活用した画像認識やIoTによる設備間通信など、新しい技術が生産現場にも急速に導入されているため、既存の知識だけでは対応しきれない場面が増えています。こうした継続的な学習が欠かせない点は負担に感じる人もいますが、裏を返せば、それだけ専門性が身につく職種だともいえるでしょう。

機電エンジニアのキャリア形成で注意すべき点

長期的にキャリアを築くうえでは、技術力だけに偏らないバランスの取れた成長が欠かせません。特定の専門分野にこだわりすぎると対応できる仕事の範囲が狭まり、キャリアの選択肢を自ら限定してしまうおそれがあります。実際に、技術志向のエンジニアは多い一方で、キャリアの幅を広げようとする人材は少数派というデータもあり、この偏りがキャリアの停滞につながるケースも見受けられます。

機電系エンジニアの現場では、設計部門や製造部門など多くの関係者と連携しながら業務を進めるため、コミュニケーション力は技術的な知識と同等に求められます。将来的にリーダー職や管理職を目指すのであれば、マネジメントスキルも早い段階から意識的に磨いておくことが、キャリアの幅を広げる鍵となるでしょう。

現場での業務負荷と高い専門性のやりがい

機電系エンジニアの仕事は、忙しくなる場面が発生しやすいのも事実です。設計・開発職では新製品の発売日という厳しい納期が設定されており、納期が迫るとテストや修正作業が集中して多忙な時期が続くことがあります。設備保全の担当者は、工場の機械が夜間や休日に突然停止した場合でも、すぐに現場へ駆けつけて復旧にあたらなければなりません。

一方で、自分が設計した製品が世の中に出る瞬間や、自分の対応で巨大な工場が再び動き出す瞬間には、ほかの仕事では得がたい達成感を味わえます。「自分の手で社会に役立つモノを生み出せる」という実感は、厳しい業務負荷を乗り越える原動力となり、専門職としての成長を実感できる大きなやりがいにつながっています。

機電系エンジニアの将来性とキャリアパス


工場の自動化やスマートファクトリー化が急速に進む現在、ロボットやセンサーを駆使した生産ラインの構築に機電系の知識は欠かせないものとなっています。DXの加速や環境に配慮した技術開発が注目されるなかで、機電系エンジニアへの需要は今後もさらに高まっていくと見込まれるでしょう。

キャリアの方向性としては、高度な専門技術を追求する道と、マネジメント力を養いリーダー職を目指す道の大きく2つがあります。

自動化・IoT・AI進展による需要拡大の背景

製造現場のスマート化(Industry 4.0)が進むなかで、機械制御にAI・センサー・通信技術が融合し、複合的な知識を持つ機電系エンジニアの市場価値は一段と高まっています。

たとえば、設備の異常を事前に検知する予知保全システムや、人と並んで作業する協働ロボット、自律的に動作を最適化する制御機械などは、機械工学と電気工学に加えてデータ解析やセンサー技術の理解が求められる領域です。

こうした次世代の製品・システム開発を担う場面が増えており、機電系エンジニアが技術革新の最前線をけん引する役割として期待されています。

キャリアアップのための転職・キャリアチェンジ

機電系エンジニアのキャリアパスは、設計や制御の専門性を突き詰める「技術スペシャリスト」と、プロジェクト全体を統括する「マネジメント職」の2方向に大きく分かれます。どちらの道を選んでも、機械と電気の複合スキルはどの業界でも通用するポータブルスキルであるため、転職市場において高い評価を得やすいのが強みです。

転職活動を進める際は、使用したCADの種類や担当プロジェクトの規模、成果を数値で示すなど、職務経歴書で技術力を具体的にアピールすることが重要になります。業界に精通した転職エージェントを活用すれば、自身のスキルに合った求人の紹介や的確なアドバイスを受けられるため、効率的にキャリアアップを進められるでしょう。

未経験から機電系エンジニアを目指す方法


機電系エンジニアは専門職ですが、人手不足を背景に未経験者を採用して自社で育てる「ポテンシャル採用」を行う企業が数多く存在します。設備保全や生産技術の補助といった職種では、入社後にゼロから学べる研修体制を整えている会社も少なくありません。
未経験からの挑戦を成功させるには、基礎知識の習得と就職活動の進め方を正しく押さえておくことが重要です。

基礎知識を習得するためにおすすめの学習ルート

未経験から機電系エンジニアを目指す場合、まず取り組むべきは機械力学や電気回路の基礎知識、そしてCADソフトの操作スキルの習得です。入門書を使った独学のほか、UdemyやCourseraといったオンライン講座を活用すれば、自分のペースで体系的に学ぶことができます。

職業訓練校を利用して実務に即したカリキュラムを受講する方法も有効でしょう。理論の学習と並行して、ArduinoやRaspberry Pi、PLCシミュレーターなどを使った実践的な演習にも取り組むと、入社後に現場で求められるスキルとのギャップを縮められます。座学だけで終わらせず、実際に手を動かしながら学ぶ姿勢が、就職活動でのアピール材料にもつながっていくでしょう。

就職・転職活動における具体的なアプローチ

未経験者が機電系エンジニアとして採用されやすいのは、設備保全や生産技術の補助といった、入社後の研修で育成することを前提とした職種です。求人票で「未経験OK」「研修制度充実」「資格取得支援あり」といったキーワードを確認し、学べる環境が整った企業を選ぶことがポイントになります。

職務経歴書では、取得した資格や学習したCADの種類、過去の業務で身につけた具体的なスキルを明記しましょう。異業種からの転職であっても、IT業界出身者ならIoT関連の知見を、製造業のオペレーター経験者なら品質管理や現場作業の視点を機電系の業務に転用できます。

自分の経験を棚卸しして応用可能な強みを整理し、転職エージェントの助言も取り入れながら活動を進めると、効率的に選考を突破しやすくなるでしょう。

まとめ

機電系エンジニアは、機械と電気の複合知識を活かして設計・開発から生産技術、設備保全まで幅広い業務を担い、AI・IoTの進展とともに需要が拡大している将来性の高い職種です。

ワールドインテックの「テクノ事業」では、大手メーカーを中心に約230社以上との取引実績のもと、未経験の方から経験者の方まで正社員として採用し、自社テクニカルセンターでの研修や現場でのOJTを通じてエンジニアとしての成長を支援しています。機電系エンジニアへの就職・転職に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

松本 隆志 採用統括グループ長
株式会社ワールドインテック採用統括グループ長
松本 隆志

採用組織の責任者として、戦略立案から広報、ブランディングまでを統括。「継続は力なり」を座右の銘とし、昨日より今日、一歩前進する姿勢とチームワークを重視する。趣味のゴルフや運動で培った活力を活かし、技術者や研究者が「なりたい姿」を諦めず、自身の可能性を最大限に広げられる社会の実現と環境構築に尽力している。

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