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衛生管理者の1種と2種の違いは?概要やどちらを取得すべきかも解説

衛生管理者の第一種と第二種の違いは、専任できる業種の範囲です。第一種は有害業務を含む業種をカバーしていますが、第二種は有害業務が含まれない業種のみで活用できます。試験で問われる内容はほぼ同じですが、第一種のみ、有害業務に係る問いが出題されます。本記事を読んで衛生管理者試験の第一種と第二種の違いや試験内容、それぞれのメリットを知れば、どちらを取得すべきかを判断できるようになります。

目次

衛生管理者の1種と2種の違いは選任できる業種



第一種衛生管理者と第二種衛生管理の違いは、有害業務を含む職種に対応できるかどうかです。有害業務とは、多量の高熱物体を扱う、著しく暑い場所での作業、放射線にさらされる業務、ボイラー製造などの激しい騒音がする環境での業務などを指します。具体的な業種としては、電気業、ガス業、自動車整備業、製造業、医療業、建設業などです。第一種衛生管理者の資格を取得すれば、これらの有害業務を含む職種で生かすことが可能です。第二種は有害業務がない金融業、サービス業、情報通信業などで資格を活用できます。
下記で、衛生管理者とは何か、仕事内容、衛生管理者になる方法を解説します。
 

衛生管理者とは

衛生管理者とは、職場での事故の予防や作業環境の改善をし、働いている人の健康や命を守る役割を持つ人であり、その職種の名称です。安全衛生法によって定められた国家資格でもあり、第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の2種類に分かれています。安全管理者と役割が似ていますが、安全管理者は労働災害が発生しないように安全を管理するのが仕事であり、一方で、衛生管理者は従業員の健康や命を守ることが仕事です。
常駐する従業員が50人以上になると、衛生管理者を設置する義務が生じ、違反すると罰金が課されます。また、衛生管理者は他の事業所と兼任はできず、専属でなければなりません。
 

衛生管理者の仕事内容

衛生管理者の主な仕事は、職場の衛生管理や従業員の健康管理です。例えば、従業員の健康診断結果を把握し、必要があれば産業医との面談を設けたり、救急用具の点検をしたり、従業員の病欠日数をチェックしたりするなどを行います。
 

衛生管理者になるには

衛生管理者になるには、資格試験を受け、合格しなければなりません。しかし、衛生管理者の受験には受験基準が設けられており、誰でも受けられるわけではありません。受験資格については、このあとの項目で詳細を解説します。
なお、衛生管理者の資格は一度合格すれば更新する必要はありません。


衛生管理者の資格試験



衛生管理者になるための資格試験について、下記の5点を解説します。
 

  • 第一種と第二種の違い
  • 受験資格
  • 試験内容
  • 試験の流れ
  • 難易度

 

衛生管理者1種と2種の試験の違い

衛生管理者の試験科目は、第一種と第二種で同じです。労働衛生、関係法令、労働生理について問われます。ただし、第一種では有害業務に係る問題が含まれるようになります。試験を受けるまでの流れや、受験資格、受験料なども同じです。
 

衛生管理者の受験資格

衛生管理者の受験資格は、第一種、第二種ともに同じです。受験資格として確認されることは、下記のような最終学歴と実務年数です。
 
例1:短期大学を含む大学、または高等専門学校を卒業し、その後1年以上労働衛生の実務を経験している
例2:高等学校を卒業、または高等学校卒業程度認定試験に合格し、3年以上労働衛生の実務を経験している
例3:10年以上労働衛生の実務を経験している
 
例のような条件のいずれかに該当すれば、衛生管理者試験を受験することが可能です。労働実務とは、例えば、企業で行われる健康診断の実施準備や結果の処理、救急用具の点検や整備、職場や給湯室の清掃、看護師または准看護師としての業務などが該当します。また、試験を受ける際には、卒業証明書の写しや事業者証明書を添付する必要があるので、自分が満たしている条件に合わせて必要書類をそろえておきましょう。
 

衛生管理者試験の試験内容

衛生管理者試験の科目と配点は、以下の通りです。

試験

科目

範囲

配点

第一種衛生管理者

労働衛生

有害業務に係るもの

10問(80点)

有害業務に係るもの以外

7問(70点)

関係法令

有害業務に係るもの

10問(80点)

有害業務に係るもの以外

7問(70点)

労働生理

10問(100点)

第二種衛生管理者

労働衛生

有害業務に係るものを除く

10問(100点)

関係法令

有害業務に係るものを除く

10問(100点)

労働生理

10問(100点)

労働生理は、下記条件を満たせば免除されます。

  • 船員法による衛生管理者適任証書の交付を受けた者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの

 
第一種は合格すれば有害業務に携われるようになるため、試験内容も有害業務に係る内容が含まれています。


衛生管理者試験の流れ

衛生管理者試験の流れは、下記の通りです。
 

  1. 受験申請書を準備
  2. 受験申請書を作成・提出
  3. 受験票を受け取る
  4. 試験を受験
  5. 試験結果を受け取る
  6. 合格後の手続きをする

 
受験申請書は郵送または、東京都の安全衛生技術試験協会の本部や各地の安全衛生技術センター、免許試験受験申請書取扱機関で手に入れます。最寄りの免許試験受験申請書取扱機関は、安全衛生技術試験協会の公式Webサイトで確認できます。
試験手数料は8,800円で、受験申請書付属の振込用紙で郵便局、または銀行で振り込みます。申請書は郵送かセンター窓口へ持参して提出します。
センターで受験する場合、受験票は10日前後で届きます。試験結果は、試験から7日後(正式な発表日は試験日に告知)に各安全衛生技術センターの公式Webサイトなどで発表されます。発表後に郵送されてくる合格通知を受理したら、免許の申請をします。免許証が交付されないと資格を利用できないため、注意してください。

衛生管理者試験の難易度

衛生管理者試験の令和3年と令和4年の合格率を下表にまとめました。

試験

令和3年度合格率

令和4年度合格率

第一種衛生管理者試験

42.7%

45.8%

第二種衛生管理者試験

49.7%

51.4%

第一種、第二種ともに5割近い合格率となっており、国家資格の中では難易度はそれほど高くありません。合格基準は、どちらも「科目ごとの正答率40%以上、かつ全体の正答率60%以上」です。
ただし、令和3年度より過去の合格率の推移を見てみると、年々合格率は低下してきています。出題傾向が変わったことが原因と考えられるため、試験勉強では講習会などにも積極的に参加し、最新の出題傾向をチェックしておきましょう。


衛生管理者の1種と2種のどちらを取るべき?



衛生管理者の第一種と第二種、どちらを取得すべきかは、職場が有害業務の範疇に含まれるかどうかで変わります。職場で受験するように指示されている場合、有害業務の有無を確認しましょう。下記では、第一種と第二種、それぞれの取得メリットを解説します。
 

衛生管理者の1種を取るメリット

第一種衛生管理者の資格を取得すれば、有害業務が含まれる業種で活用できます。現在の職場で役立てられるだけではなく、今後も仕事の幅が広がるため、第一種を取得したほうがキャリアアップにつなげやすいでしょう。
また、試験内容も第二種と大きな違いがないので、勉強時間に余裕があれば、第一種の取得がおすすめです。
 

衛生管理者の2種を取るメリット

合格率は第二種衛生管理者試験のほうが高いので、確実に1回で資格を取得したいのであれば、第二種試験の受験がおすすめです。衛生管理者試験を受けるにあたり、職場などから第一種、第二種の指定がない場合は、まずは第一種を取得し、実務経験を積むのもよいでしょう。


第2種衛生管理者から第1種衛生管理者になる方法



第二種衛生管理者試験に合格後、第一種衛生管理者を目指す場合、特例第一種衛生管理者試験を受けます。下記で、特例第一種衛生管理者試験についてと注意点を解説します。

 
特例第一種衛生管理者試験を受ける

第二種衛生管理者の資格を所有している場合、特例第一種衛生管理者試験を受けることで第一種衛生管理者の資格を取得できます。
特例第一種衛生管理者試験では、労働衛生と関係法令の2科目のみ受験し、有害業務に関わる問題だけが出題されます。特例試験専用の試験対策はないので、第一種衛生管理者試験の受験対策書籍で対象範囲を勉強するのがおすすめです。
 

特例第一種衛生管理者試験の注意点

特例第一種衛生管理者試験は、労働衛生と関係法令の2つの科目で、なおかつ範囲も有害業務に係るものに限られています。その状態でも、合格基準は通常の衛生管理者試験と変わらず、「各科目で40%以上、かつ全体で60%以上の正答率」です。つまり、科目が少ない分、他の科目でカバーしにくく、ミスが許されない状態で挑むことになります。したがって、第一種衛生管理者試験を初めから受験したほうが、苦手科目をフォローしやすいです。
なお、第一種衛生管理者の資格は、必ずしも転職で有利になるとは限りません。転職時の対策として時間がない中、わざわざ勉強しなおして受験するのはあまりおすすめできません。転職先で取得を指示されれば、受験を考えましょう。


まとめ



衛生管理者とは、職場での事故の予防や作業環境の改善をし、働いている人の健康や命を守ることが仕事です。第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の違いは、有害業務がある職種に対応できるかどうかです。第一種衛生管理者の資格は、有害業務を含む職種も対応可能です。試験には受験資格が定められており、最終学歴や実務経験の年数が関わってきます。また、合格率は50%前後のため、国家試験のなかでは、難易度はあまり高くないと言えます。第一種衛生管理者のほうが対応できる場面が広がるため、迷ったら第一種の試験を受験するのがおすすめですが、合格率は第二種のほうが高めなので、手堅く第二種から受験するのもよいでしょう。第二種を取得後、第一種の試験を受ける場合は、通常より受験科目数が少ない特例第一種衛生管理者試験を受けることが可能です。現在の職場では第一種と第二種、どちらが必要とされているかを確認し、受験しましょう。


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