Blog

ブログ

衛生管理者ってなに?試験の受験資格や資格取得のメリットについても解説

衛生管理者の業務は、資格があれば年齢や性別にかかわらず従事することができるため、近年注目されている職業です。衛生管理者として企業で勤務するためには、国家資格を取得する必要があります。
今回は、衛生管理者の資格について、メリットや受験資格を紹介します。

目次

衛生管理者とは?


衛生管理者とは、従業員の健康管理と快適な職場環境作りを行うための、労働安全衛生法より定められた国家資格です。業務内容は、職場の衛生環境の整備や、職業性疾病などの労働災害を未然に防ぐ重要な役割をもっています。

衛生管理者の仕事内容

まずは、衛生管理者の詳しい仕事内容について紹介します。

衛生環境の整備・管理

衛生管理者は、最低でも週1回職場を巡回し、衛生環境に問題がないことを確認しなければなりません。問題点が見つかった場合は、早急に対応します。

作業管理

設備や作業方法が安全であることを確認し、問題がある場合は改善します。設備や作業方法に衛生上の問題がないか、保護具や救命用具などに不具合がないか、作業道具の安全性に問題がないかなどが確認事項です。

健康管理

従業員の健康管理のために、健康診断の計画を進行する役割もあります。また、従業員への衛生教育や健康相談の対応も必要に応じて行います。

試験が必要な衛生管理者の資格

衛生管理者には、第一種衛生管理者免許、第二種衛生管理者免許、衛生工学衛生管理者免許の三つの免許があります。第一・第二種の免許を取得するには、厚生労働大臣指定の試験機関で行われる試験に合格しなければなりません。

第一種衛生管理者

第一種衛生管理者免許を保有していることで、すべての業種の事業場で衛生管理者として勤務できます。

 第二種衛生管理者

第二種衛生管理者免許を保有していることで、
 

  • 情報通信業
  • 金融・保険業
  • 卸売・小売業

 
など一定の業種の事業場で衛生管理者として勤務できます。ただし、以下の業種の作業場では衛生管理者として勤務する資格はありません。
 

  • 農林畜産業
  • 農林畜産業
  • 鉱業
  • 建設業
  • 製造業
  • 電気業
  • ガス業
  • 水道業
  • 熱供給業
  • 運送業
  • 自動車整備業
  • 機械修理業
  • 医療業
  • 清掃業

衛生管理者試験の受験資格


衛生管理者の試験では、学歴などは問われないため、基本的に誰でも受験は可能です。ただし、最終学歴によって、必要な実務経験の年数は異なります。詳しくは、以下の表を参照してください。

中卒

10年以上

高卒・高認試験合格者

3年以上

短大・専門学校・大学

1年以上

実務経験の年数は、就業先が発行する事業者証明書によりチェックされます。また、証明書で示されている実務期間の合算も可能です。

衛生管理者試験の受験資格に必要な実務経験


衛生管理者試験の受験資格に必要な実務経験は、以下の13種類です。

  • 健康診断実施に必要な事項または結果の処理の業務
  • 作業環境の測定等作業環境の衛生上の調査の業務
  • 作業条件、施設等の衛生上の改善の業務
  • 労働衛生保護具、救急用具等の点検および整備の業務
  • 衛生教育の企画、実施等に関する業務
  • 労働衛生の統計の作成に関する業務
  • 看護師または准看護師の業務
  • 労働衛生関係の作業主任者としての業務
  • 労働衛生関係の試験研究機関における労働衛生関係の試験研究の業務
  • 自衛隊の衛生担当者、衛生隊員の業務
  • 保健衛生に関する業務
  • 保健所職員のうち、試験研究に従事する者の業務
  • 建築物環境衛生管理技術者の業務

 
引用:安全衛生技術試験協会の事業主証明書
 
一見難しく思えますが、実際は日常的に行われている衛生に関する業務で要件は満たされます。例としては、以下のものが挙げられます。

  • 健康診断実施のアナウンスや提携病院との日程調整・予診票とりまとめ
  • 掃除当番表の作成
  • トイレの石けんやアルコールの補充
  • エアコンや空気清浄機による温度・湿度の管理

資格取得のメリット


資格取得のメリットについて解説お願いします。

就職や転職の選択肢が広がる

衛生管理者の資格は保有者が多くないため、有資格者というだけで企業から即戦力として採用されることがあります。また、衛生管理者の資格を保有していれば、衛生管理職だけでなく、労務管理や設備保守、総務などの職種にも生かすことができ、就職や転職の選択肢が広がるでしょう。

生涯役立つ資格である

衛生管理者は有効期限がありません。また、更新手続きなども必要なく、性別や年齢に関係なく業務に従事できることから、近年では定年後の再雇用を目指す人に注目されています。取得することで、生涯役立つ資格であるといえるでしょう。

キャリアアップが可能

管理職へ昇進する条件に、衛生管理者の資格取得を定めている企業も珍しくありません。資格の取得が必須ではない場合でも、有資格者のほうが昇進しやすいでしょう。

収入アップにつながる

衛生管理者は国家資格であるため、資格手当が付与される場合も多くあります。

衛生管理者試験のよくある質問


以下では、衛生管理者試験に関するよくある質問について紹介します。

一種と二種で試験内容は違うの?

一種・二種のどちらも、試験科目は以下の三つです。

  • 関係法令
  • 労働衛生
  • 労働生理

 
関係法令と労働衛生には「有害業務」と「有害業務以外」の項目がありますが、一種の試験科目には「有害業務」と「有害業務以外」どちらも含まれ、二種は「有害業務以外」のみが試験科目です。
また、問題数は二種が3時間で30問なのに対し、一種は3時間で44問と難易度が高くなっています。

薬剤師や保健師は無試験で資格を取得できるって本当?

薬剤師や保健師は国家資格であるため、衛生管理に必要な知識を十分に保有しているとみなされ、無試験で第一種衛生管理者資格を取得できます。
ただし、住民票のある都道府県の労働局安全課または健康課で申請が必要です。自動で資格が付与されるわけではありませんので、注意してください。

衛生管理者試験は難しいの?

令和3年(2021年)度の衛生管理者試験の合格率は、第一種が42.7%、第二種が49.7%と、半数近くの受験者が合格しています。そのため、他の国家資格に比べると、難易度はそれほど高くありません。

まとめ

衛生管理者の資格は、保有していることでさまざまな職種の企業で重宝されます。取得することで、キャリアアップや収入アップにつながりますが、難易度は国家資格の中ではあまり高くありません。有効期限がなく生涯使える資格であるため、興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。

資格を活かせる製造業の求人情報はこちら

Contact

各種お問い合わせ

Recruit

採用情報