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製造業とは?具体的な7種類の職種と仕事内容などをわかりやすく紹介!

製造業と聞いて、工場でモノを作る仕事をイメージする方は多いでしょう。しかし、製造業は直接ものを作るだけでなく、商品を企画・管理したり、研究開発を行ったり、営業をしたりなど仕事内容は多種多様です。
 
本記事では、製造業の仕事内容について理解するために、製造業の魅力、工程、種類、職種について詳しく説明します。製造業に興味を持たれている方、就職・転職を考えている方はぜひチェックしてください。

目次

製造業とは



製造業について簡単に説明すると、ものを作り販売する企業や業界全般のことです。
経済産業省によると、製造業とは、一般的に「工業」と呼ばれているもので、下記の条件を備えている(事業所)の場合のことをいいます。

  • 主として新製品の製造加工を行う事業所
  • 製造加工した新製品を主として卸売する事業所

上記の内容からすると、製造業はものを作るだけでなく、販売も含まれるという点がポイントです。製造業は素材を加工・組み立て、ものを作るというイメージが強いと思いますが、ものを作ることだけが仕事というわけではありません。
 
出典:経済産業省|用語について(工業統計調査)
 

国内における製造業の重要性

ものづくり大国と言われているほど、日本における製造業は重要な基幹産業となっています。

経済産業省の「製造業を巡る動向と今後の課題」によると、国内総生産における産業別構成比(2019年)では、製造業がGDP・就労人口ともに2割程度を占めました。2020年前半は新型コロナウイルス感染症の拡大によって製造業の売上高が急速に悪化し、いまだ感染拡大前の水準には戻っていませんが、少しずつ回復している状態です。
 
また、日本における製造業の従事者数は、2023年9月末時点で1027万人となっています。日本の就業者数は6787万人ですので、日本で働いている人の約15%、約6人に1人が製造業で働いている計算です。

このように、国内における製造業は、日本経済全体の成長を支えるほどの重要な産業といえるでしょう。
 
出典:経済産業省|製造業を巡る動向と今後の課題
出典:総務省統計局|労働力調査結果(2023年9月分)
 

国内における製造業の現状

ものづくり大国として海外からも高い評価を受けている日本の製造業ですが、さまざまな変革を求められているのが現状です。
 

社会情勢の変化

まず、社会情勢の変化が挙げられます。新型コロナウイルス感染症の拡大だけでなく、地球温暖化による気候変動、ウクライナやパレスチナの紛争など、社会情勢の変化は製造業にも大きな影響を与えています。ものづくりに必要な素材やエネルギーの高騰はいまだに続いている状態で、従来のビジネスモデルでは対応できなくなってきているのです。
 

ビジネスモデルの変化

こうした社会情勢の変化を背景に、現在の製造業はビジネスモデルの変化を求められています。製造業における従来のビジネスモデルは、いかに消費者が満足できる商品を生み出し、素早く提供できるかどうかに焦点を当てていました。
 
しかし、原料調達の不安定化や国内市場の成熟化によって、良いものを作り販売するだけでは行き詰まる状況になってきているのです。これは、インターネットの普及で情報が入手しやすくなり、ものに対する消費者の価値観が変わったことも大きな要因となっています。
 

カーボンニュートラルへの対応

近年、製造業ではカーボンニュートラルへの対応も求められています。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることで実質ゼロにするという施策です。
 
環境省が発表した温室効果ガス排出量調査(2020年)によると、製造業(産業部門)のCO2排出量が電気・熱配分前で24.3%、電気・熱配分後で34.0%を占める結果となりました。特に、製造業はCO2排出量が多いため、カーボンニュートラルへの対応と取り組みが求められています。
 
出典:環境省|2020年度温室効果ガス排出量(確報値)概要
 

国内における製造業の課題

現状を踏まえて、国内における製造業では以下のような課題を抱えています。

  • 製品化や事業化率の向上を求められている
  • 開発期間が長期化しやすい
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)が遅れている
  • 後継者が不足している

それぞれ詳しく見ていきましょう。
 

製品化や事業化率の向上を求められている

「入手した多様な情報から、自分にとって必要なものを厳選して購入する」という消費者の価値観の変化に対応できるように、製造業では研究開発分野における製品化・事業化率の向上が求められています。経営・事業戦略を踏まえながら、自社の強みを活かした製品を生み出し、収益化につながる事業へと展開できるかどうかが課題です。
 

開発期間が長期化しやすい

開発期間が長期化しやすいという課題も抱えています。社会情勢の変化や環境問題だけでなく、ニーズの多様化や技術革新の加速などによって、製品のライフサイクルが短期化しつつある状態です。一般的に、製造業はアイデアの創出から製品化まで約3〜5年は必要になるため、アイデア創出や開発の段階では顧客の価値が見えづらい傾向にあります。
 

DX(デジタルトランスフォーメーション)が遅れている

技術革新の加速によって工場や作業場でのデジタル化が進んでいますが、未だにDX(デジタルトランスフォーメーション)をうまく利用できていないのが製造業の現状です。製造業でDXがうまく浸透しない理由として、DXを導入する環境が整っていない、DXに対する社内の理解度の低さ、人材不足、高額なコストなどがあります。
 

後継者が不足している

さらに、製造業では後継者不足も大きな課題です。仮に新しい人材が確保できたとしても、技術継承が円滑に行われず遅れてしまうと、生産効率が低下して新製品の開発が難しくなるなど、さまざまな問題が発生します。問題を解決するには、ベテランが培ってきた技術を簡略化するなど、後継者へ継承しやすくする工夫が必要です。


製造業の魅力 



時代の変化による課題を抱える製造業ですが、ここからは製造業で働く魅力について紹介していきます。
 

未経験でも採用されやすい

製造業は未経験でも採用されやすい傾向があります。製造業は人材不足に悩まされている状況なので、人材育成や新人教育に力を入れている企業が多いからです。仕事内容によってはマニュアル化されているケースもあり、未経験でも研修を受けながら仕事ができるという安心感があります。
 

労働時間や休憩時間が安定している

工場や作業場など製造業の現場は、2交代もしくは3交代とシフト制になっているところが多いので、労働時間や休憩時間が安定しています。
 
「製造業は残業が多いのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、2019年に施行された「働き方改革」によって製造業における年間残業平均時間は大幅に減少しました。一般社団法人日本経済団体連合会が発表した「2020年労働時間等実態調査」によると、2018年における製造業の年間残業平均は193時間でしたが、2019年では180時間となっています。
 
出典:一般社団法人日本経済団体連合会|2020年労働時間等実態調査
 

収入が比較的高いところも多い

製造業は、収入が比較的高いところも多く、高収入を目指すことができる業種です。
 
厚生労働省が発表した「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、製造業の平均月収は29万4,900円、年収換算だと353万8,800円です。16業種中11位と業種全体では低い水準となっていますが、年齢別の平均年収を見てみると50代は431万〜434万円と平均よりも高い収入であることがわかります。
 
特に、原料から素材を作る上流工程の現場はスキルや能力を求められることが多いので、下流工程よりも高収入が期待できるでしょう。
 
出典:厚生労働省|令和3年賃金構造基本統計調査の概況


製造業の工程 



製造業における工程は、上流・中流・下流の3つに分かれています。それぞれどのような作業を行うのか、詳しく解説していきます。
 

上流工程

上流工程では、製品を生産するための素材を作ります。たとえば、紙・木材・ゴム・樹脂・繊維・化学素材といったものづくりに欠かせない素材を作る工程が上流工程です。
 
また、上流工程から下流工程まで一貫して行ってる企業もあれば、各工程だけに特化している企業も多数存在します。なお、下流工程に特化した代表的な企業は、繊維メーカー・アルミメーカー・鉄鋼メーカーなどです。
 

中流工程

中流工程では、下流工程で作り出された素材を使用して部品を作ります。半導体メーカー・タイヤメーカー・精密部品メーカー・電子部品メーカーなどが該当し、企業間取引(BtoB)で行うケースがほとんどです。
 

下流工程

下流工程は、部品を加工したり組み立てたりして、製品を作る工程のことです。部品から製品を作る電子機器メーカーや自動車メーカーは上流→中流→下流という工程で進みますが、上流で作られた素材を加工し組み立てることが多い食品メーカーや家具メーカーでは、中流を挟まずに上流→下流の工程で進みます。


製造業の種類 



製造業の種類は、主に以下の7つです。

  • 機械関連(自動車産業等)
  • 金属・鉄鋼・リサイクル関連
  • 電気機械器具(家電製品・電子部品等)
  • 化学製品(接着剤等)
  • 食品関連(缶詰やお菓子等)
  • 建築・住宅関連(建築資材等)
  • 医薬品(一般用医薬品等)

それぞれの特徴や仕事内容について、詳しく見ていきましょう。
 

機械関連(自動車産業等)

機械関連は、機械の設計・生産・組み立てを行います。自動車など私たちの生活には欠かせないものから、製造業の工場で使用する産業機器、研究装置など幅広い用途の機械を製造している業界です。近年は、産業用ロボットの登場によって、製造業の中でも省人化・効率化が進んでいます。
 

金属・鉄鋼・リサイクル関連

金属・鉄鋼・リサイクル関連では、主に機械や建築部品として使用する素材を製造しています。金属・鉄鋼はパソコンや自動車、住宅などさまざまなものに使用されているので、日本の製造業を支えている業界といっても過言ではありません。
 
また、近年は、資源問題から部品等をリサイクルする取り組みも盛んになってきています。
 

電気機械器具(家電製品・電子部品等)

電気機械器具では、主にパソコンやスマホといった電子部品を製造しています。電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業、電子部品・デバイス製造業の3つの分野に分かれているという点が特徴です。
 
近年は、コストを抑えられる海外に製造工場を移していましたが、半導体不足を招く結果になってしまったため、国内に製造工場を戻すという動きが目立ち始めています。
 

化学製品(接着剤等)

化学製品とは、衣類の繊維や食品の原料、接着剤、ビニール袋やペットボトルなどのプラスチック製品を製造している業界です。私たちが当たり前に使用している身近なものに、さまざまな化学製品が使われています。
 
なお、化学製品の製造業は、原材料の調達から製品化まで一貫して行っている企業が多いのも特徴の1つです。
 

食品関連(缶詰やお菓子等)

食品関連では、お菓子や缶詰、加工食品、ジュースなど食品を製造しています。単に食品を製造するだけでなく、新商品の開発や営業など仕事内容はさまざまです。
 
なお、近年では、産業用ロボットやAIやIoTの導入で、製造工場の自動化が進んでいます。
 

建築・住宅関連(建築資材等)

建築・住宅関連では、家やビルの建築だけでなく、建築に使用する建築資材も製造しています。住宅に使用する窓やサッシ、内装部品はもちろん、道路や橋などの建築資材も含まれているので建築資材も多種多様です。近年は、リフォームやリノベーションの需要が高まってきていることから、リフォームに使用する資材の製造に力を入れている企業が増えています。
 

医薬品(一般用医薬品等)

医薬品では、病院で医師から処方される薬やドラッグストアなどで購入できる一般用医薬品を製造しています。人々の健康や暮らしを守るために必要不可欠な医薬品の製造業は、新薬の開発から臨床試験など他の業界にはない仕事も含まれているので、より高い専門性を求められるという点が大きな特徴です。


製造業の職種 



製造業といっても、職種によって仕事内容は多岐にわたります。
製造業における主な職種は、以下の7つです。

  • 生産技術
  • 生産管理
  • 品質管理
  • 商品企画
  • 研究開発
  • 製造
  • 営業

それぞれどのような仕事内容なのか、具体的に見ていきましょう。
 

生産技術

生産技術は、どうすれば高品質な製品を効率よく低コストで生産できるかを考える仕事です。高品質・高効率・低コストの3つを製造現場で実現させるために、現場の作業員と連携を取りながら製造ラインを見直し、生産性を高めていきます。製造現場でトラブルが発生したときに対処するのも生産技術の大切な仕事なので、対応力と問題解決力、マネジメント能力が求められるでしょう。意欲や好奇心に溢れている方、業務改善が好きな方に向いています。
 

生産管理

生産管理は、経営・販売計画に基づいて生産活動を計画し、工場全体の生産管理を行う重要な仕事です。生産計画の軸となる受注管理から、どの製品をいつまでにいくつ製造するかという生産計画、部品や材料などの調達作業、各工程の進捗や工程納期を把握する工程管理など、業務内容は多岐にわたります。
 
また、生産管理は各工程や各部門とのやり取りが発生するため、コミュニケーション能力が必要です。マルチタスクが苦にならない方、対応力がある方に向いています。
 

品質管理

品質管理は、製品の品質が確かなものであるか検証し、保証されていることを証明する仕事です。たとえば、製造ラインにおける品質管理では、工程管理・品質検証・品質改善が主な仕事となります。確かな手順で作業が行われているかはもちろんのこと、作業員の教育も品質管理における重要な仕事です。
 
また、品質管理を行うには、統計手法への理解や品質管理に関する知識が必要となります。さらに、製品に関わる担当者とのやり取りも増えるため、コミュニケーション能力がある方に向いている仕事です。
 

商品企画

商品企画は、消費者や市場のニーズに応えた新商品を考え、生み出す仕事です。消費者がどのような商品を求めているのか情報収集を行い、市場のニーズに沿っている商品を立案します。
 
企画書の作成からプレゼンテーション、製造部門とのスケジュール調整、販売と広告の戦略など仕事内容はさまざまです。コミュニケーション能力はもちろん、発想力や忍耐力が求められます。好奇心が旺盛で新しいものが好きな方、粘り強く続けられる方に向いている仕事です。
 

研究開発

研究開発は、製品の製造や改良に役立つ技術を研究し、研究で得た結果をもとに商品を開発します。商品企画と混同してしまいがちですが、新しい製品のイメージを明確にするのが商品企画、明確化されたイメージを実際に形にしていくのが研究開発です。
 
また、研究開発はすでに発売されている商品を改良するための研究・開発も行います。イメージを形にする重要な役割を担っているため、粘り強く研究開発に打ち込める方や、考えることが好きな方に向いている仕事です。
 

製造

製造は、原材料を加工したり、部品を組み立てたりと製品を生産する仕事です。業界によっては化学物質を扱うこともあれば、感電や火災など危険を伴う業務を担当することもあるので、安全衛生管理を徹底する必要があります。
 
業務内容によっては専門的な知識やスキルが必要ですが、勤務先が工場になることが多く、マニュアル化されているため、未経験者でも従事しやすい職種です。地道で確実な作業をするのが好きな方や、体力に自信がある方に向いています。
 

営業

営業は、自社製品を卸売業者や小売店などに売り込む仕事がメインです。製造業における営業の仕事は、主に新規営業とルート営業の2つに分かれます。新規営業は新しい顧客を獲得すること、ルート営業は既存顧客に新製品をアピールしたり取引継続のために営業を行ったりすることです。
 
社外の人とやり取りすることが多いため、コミュニケーション能力や提案力が求められます。気づかいができる方、振り返りや改善ができる方に向いている仕事です。


まとめ



製造業は製品を作ることだけでなく、新商品を開発したり、商品を改善するための技術を研究したり、品質を管理したりするなどさまざまな仕事があります。まずは、自分がどのような仕事をしたいのか明確にした上で、自身を振り返りながら向いている職種を見つけてみてください。


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