システムエンジニア(SE)の種類を徹底解説!活かせるスキル・キャリアパスも紹介

「システムエンジニアってどんな種類があるの?」
「それぞれの仕事内容や向いている人を知りたい」
 
このような疑問や悩みをお持ちではないでしょうか。
 
システムエンジニアは仕事内容によって多くの種類に分かれており、それぞれ活かせるスキルや向いている人も異なります。
 
本記事では、システムエンジニアの種類についての解説に加え、活かせるスキルやキャリアパスについても紹介します。システムエンジニアを目指している方は、ぜひ参考にしてみてくだ さい。
システムエンジニア(SE)ってどんな仕事?

システムエンジニアは、ITシステムやソフトウェアの設計・開発・運用・保守を担う仕事です。
 
具体的には、クライアントの要望をヒアリングして要件をまとめるところから始まり、システムの全体設計や仕様決め、プログラミングやテストを行います。また納品後のシステム運用やトラブル対応なども担当するため、ITシステムやソフトウェアに幅広く関与するのが特徴です。
 
システムエンジニアは、IT現場で「設計者」と「プロジェクトの司令塔」の両方を担当するため、重要な役割を担っています。
システムエンジニア(SE)の種類

システムエンジニアと一言で言っても、種類は多岐にわたります。
 
システムエンジニアの種類を下記の表にまとめましたので、仕事内容の違いや向いている人の特徴などをぜひ確認してみてください。
| エンジニアの種類 | 仕事内容 | 活かせるスキル | 向いている人の特徴 | 
|---|---|---|---|
| アプリケーションエンジニア | アプリケーションの要件定義・設計・開発・保守 | Java/C#/PHP等言語、設計力、問題解決力 | 論理的思考力、要件整理/ヒアリングが得意 | 
| Webエンジニア | Webサイト/サービスの開発、運用、保守 | HTML/CSS/JavaScript/PHP/SQL | 情報収集/トレンドを追い続けられる | 
| 組み込みエンジニア | 半導体/家電/IoT機器等のソフト開発 | C/C++/制御系知識、ハード連携力 | コツコツ精密作業・仕様遵守が得意 | 
| AIエンジニア | 機械学習モデル開発、AIシステム設計 | Python/R/数学、AI理論、データ分析 | 新技術挑戦/論理・統計思考 | 
| インフラエンジニア | サーバー/ネットワーク構築・運用・保守 | Linux/Windows/ネットワーク/クラウド | 丁寧・堅実な運用、障害対応に強い | 
| 社内SE | 社内IT全般管理/保守、社内システム運用 | IT全般知識、要件整理/折衝/利用者視点 | 幅広く調整・コミュニケーション力重視 | 
| セールスエンジニア | 営業技術支援・製品導入説明・問い合わせ対応 | IT知識、プレゼン/課題解決力 | 顧客視点で伝える/課題解決に前向き | 
| ブリッジエンジニア | 海外開発チーム間の連携/通訳/仕様管理 | 英語力、海外折衝・IT知識、文化理解 | 異文化対応・調整力/語学力が得意 | 
| フィールドエンジニア | 製品の現地設置/保守/点検/修理 | IT/製品知識、現場対応力・機動力 | 現場対応・臨機応変/体力やフットワークがある | 
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアは、業務システムやWebサービス、スマートフォンアプリなど、さまざまなアプリケーションの開発全般に携わる職種です。
 
主な仕事内容は、クライアントやユーザーのニーズをヒアリングし、システムの要件定義や設計、プログラミング、動作テストです。またリリース後の運用・保守も含めて一貫して担当します。
 
仕様決めや設計図をもとにした機能の作りこみ、バグ修正や機能追加、ユーザーからのフィードバックによる改善も日常業務に含まれます。
 
【求められるスキル】
- プログラミング言語(Java、Python、C#など)の習得
- システム開発や設計の基礎知識
- データベース・ネットワーク・サーバーに関する知識
- 論理的思考力と問題解決力
- チーム開発や顧客対応のコミュニケーション能力
- 新しい技術を意欲的に学ぶ姿勢
【向いている人の特徴】
- 新しい知識やトレンドを積極的に吸収できる人
- 論理的な構造を考えるのが好きな人
- 丁寧に作業し根気強く対応できる人
- チームで協力しながら働くことにやりがいを感じる人
- 相手目線で課題や要望を読み取り工夫できる人
近年アプリケーション開発は、高度かつ専門化しているため、各工程ごとに正確な知識や技術が求められています。さらに技術の進歩が早く、現場での要件・顧客ニーズも日々変化しており、論理的に考え自ら学ぶ姿勢や、柔軟に対応できる力が必要不可欠です。
 
またシステムの開発はチーム・クライアントとの協力で成り立つため、協調性とコミュニケーション力がある人は、システムエンジニアとして活躍できるでしょう。
関連記事:アプリケーションエンジニアとは?仕事内容や向いている人・将来性についても紹介!
Webエンジニア
Webエンジニアは、Webサイトやシステム、アプリケーションの設計・開発・運用・保守を行う職種です。
 
クライアントやユーザーの要望をヒアリングし、企画・要件定義から設計、プログラミング、テスト、リリース後の運用やトラブル対応まで幅広く担当します。
 
フロントエンド(利用者が直接操作する部分)とバックエンド(システムの裏側、データ管理や機能実装)を、それぞれ分担、協力しながらWebサービスを作り上げていきます。
 
【求められるスキル】
- HTML・CSS・JavaScriptなどWeb系プログラミング言語
- PHP、Python、Java等のサーバーサイド言語
- データベースやネットワークの基礎知識
- セキュリティやSEOの知識
- チーム開発・コミュニケーション能力
- 問題解決力、論理的思考力
【向いている人の特徴】
- 新しい技術やトレンドを積極的に学べる人
- コツコツとコードを書き続けるのが好きな人
- チームで協力して作業するのが楽しいと感じる人
- サービスやユーザーの声に対して柔軟に対応できる人
- 効率化や改善に興味を持ち業務に活かせる人
Webエンジニアは、常に新技術やフレームワークが登場するため、好奇心旺盛かつ学習意欲の高さが求められる職種です。
 
フロントエンド・バックエンドの両方とも、設計からテストまで幅広い知識が必要です。トラブル時や仕様変更にも臨機応変に対応できる柔軟性も、仕事を円滑に進めるための鍵となります。
 
また大規模システムやサービスでは、チームで役割分担して作業する機会が多いため、コミュニケーション能力や協調性も重要です。
 
ユーザー視点での改善意識が高い人は、より使いやすく価値のあるWebサービスを生み出せるでしょう。
組み込みエンジニア
組み込みエンジニアは、家電や自動車などさまざまなハードウェア機器に内蔵される「組み込みソフトウェア」の設計・開発・テスト・保守を担当します。
 
製品の動作や性能を司る職種のため、要件定義から設計、プログラミング、デバッグ、品質評価まで一貫して携わるのが特徴です。またハードウェアエンジニアや製造部門と連携し、機械の仕様や用途に応じたシステムを開発する役割も担います。
 
【求められるスキル】
- C言語やC++、アセンブリ言語などのプログラミングスキル
- ハードウェアや電子回路、マイコン制御に関する知識
- OSやリアルタイム制御、通信規格に関する知識
- 論理的思考力とトラブルシューティング力
- チーム開発や他部門と連携するためのコミュニケーション能力
【向いている人の特徴】
- 機械や電子機器の仕組みに興味がある人
- コツコツと検証・テストを繰り返せる人
- 論理的に原因を究明し問題解決するのが好きな人
- モノづくりの現場や多職種との連携にワクワクできる人
- 技術進化やIoTなど新しい分野に好奇心を持てる人
組み込みエンジニアは、限られた資源の中で安全かつ高効率なプログラムを実装する技術力が求められます。また機器や製品の完成度を高めるには、細かな検証の積み重ねと粘り強さが不可欠です。
 
ハードや電子回路に興味を持ち、変化する現場や技術にも柔軟に対応できる人は、組み込みエンジニアとして活躍できます。
関連記事:年収1000万も目指せる!組み込みエンジニアの平均年収とは?必要なスキルや収入を上げるためのコツを解説!
AIエンジニア
AIエンジニアは、人工知能(AI)を活用し、さまざまな分野の課題解決や業務効率化を担う職種です。
 
主な仕事内容は、機械学習やディープラーニング(深層学習)などのアルゴリズム開発、AIモデルの設計・開発・実装、運用などです。
 
クライアントの要望に合わせて最適なアルゴリズムやモデルを選択し、AIによる自動化や高度なデータ分析サービスの実現を目指します。
 
【求められるスキル】
- Python、Rなどのプログラミング言語やライブラリ(TensorFlow、PyTorchなど)の知識
- 機械学習や深層学習、統計・数学的知識
- データベースやビッグデータ、クラウド技術の理解
- データ分析・前処理力、課題設定・抽出力
- 論理的思考と問題解決力
- 新しいAI分野に関する継続的な学習姿勢
【向いている人の特徴】
- 数学や論理思考が得意な人
- 新しい技術やトレンドを学ぶのが好きな人
- 膨大なデータを扱う根気と分析への興味がある人
- 現実の課題をITで解決したい工夫好きな人
- 研究や試行錯誤を前向きに楽しめる人
AIエンジニアは、複雑なアルゴリズムを理解し構築するための数学・統計スキルが必要不可欠です。またAI業界は1日単位で新技術が生まれるため、最新技術を学び続ける姿勢と、新分野に挑戦する好奇心・柔軟性が求められます。
 
実用的なAI開発では「現場の課題抽出」や「最適な運用モデル」を考える力も重要で、課題解決志向や論理的な思考力が高い人に向いている職種です。
関連記事:AIエンジニアの平均年収は?AI人材になるにはどうすればいいのか、仕事内容も解説
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、企業やサービスの土台となるITインフラ(サーバー・ネットワーク・データベース・クラウドなど)の設計・構築・運用・保守を担当します。
 
要件定義や設計では、クライアントの要望をもとにシステム構成や運用方針をまとめ、構築フェーズでは、実際にサーバーやネットワークのセットアップなどを行います。
 
システム稼働後も、日々の運用管理やトラブル時の対応、定期メンテナンスなどを担当するため「縁の下の力持ち」として、社会や企業活動を支える大切な職種です。
 
【求められるスキル】
- サーバー(Windows、Linuxなど)やネットワーク、クラウドの知識
- Shellやバッチ、IaC(Infrastructure as Code)などの自動化スクリプト
- セキュリティ対策や運用トラブルシュートの能力
- 他部署との連携や折衝時に対応できるコミュニケーション能力
- 最新技術やクラウドに関する継続的な学習力
【向いている人の特徴】
- 安定性や安全性を重視し慎重に作業できる人
- トラブル発生時も冷静に対応できる人
- サービスの裏方・基盤を支えることにやりがいを感じる人
- 新しい技術や自動化にも柔軟にキャッチアップできる人
- 他部門と協力して物事を進めるのが好きな人
インフラエンジニアは、ITサービスを安定して動かし続ける責任感や、突発的な障害にも迅速かつ冷静に対応できる力が求められます。また日々進化するクラウドや自動化の流れをキャッチアップする必要もあり、学び続ける意欲も重要です。
 
直接ユーザーと関わる機会は少ないですが、影から人々の生活を支えることにやりがいを感じる人に向いています。
関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容・種類・スキル・資格まで徹底解説!
社内SE
社内SEは、自社内のITインフラを設計・開発・運用・保守する仕事です。
 
自社システムの開発・導入・運用だけでなく、社員からの問い合わせやトラブル対応、IT機器の管理、セキュリティ対策など、業務内容は多岐にわたります。
 
経営課題や現場ニーズを把握し、業務効率化やコスト削減などを目的としたシステム改善提案も重要な業務です。
 
【求められるスキル】
- システム・インフラ全般のIT知識
- ヒアリング・要件定義・企画提案力
- 業務改善やシステム導入・運用経験
- 問題解決力、現場との調整力
- セキュリティやIT資産管理の知識
- 社内部署やベンダーとのコミュニケーション力
【向いている人の特徴】
- 社内の課題や要望をくみ取り、サポートできる人
- 幅広いIT分野に興味を持ち、学び続けられる人
- トラブル時にも落ち着いて対処できる人
- 人と接することや現場との関係構築が得意な人
- 裏方として組織を支える仕事にやりがいを感じられる人
社内SEは、社内のさまざまな要望に応えたり、自ら課題を見つけて改善策を提案したりする機会が多い職種です。幅広いITスキルや業務知識、調整力が必要なため、学習意欲の高さはもちろん、現場の声を聞いたうえで課題解決に努められる人が向いています。
 
またトラブル発生時における冷静さや、柔軟な発想で対応できる力も必要です。
 
社内SEは、IT現場の裏方として現場や経営を支えることに喜びを感じる人が活躍できます。
関連記事:社内SEはなぜ人気?勝ち組と言われる理由や優良企業を見極めるコツを解説
セールスエンジニア
セールスエンジニアは、技術的な知識と営業スキルを活かして、IT製品や技術サービスの提案・導入サポートを行う職種です。
営業担当者と商談に同行し、顧客の要望や課題をヒアリングしたうえで、最適な製品やサービスを技術的な視点から提案します。また製品導入後のアフターフォローやトラブル対応など、クライアントと自社の技術部門の橋渡し役も担います。
 
【求められるスキル】
- ITや自社製品に関する幅広い技術知識
- プレゼンテーション力・ヒアリング力
- 営業活動や交渉の経験
- 問題解決力と論理的思考力
- チーム連携・コミュニケーション能力
【向いている人の特徴】
- 技術とビジネスの両方に関心がある人
- 話すことや説明するのが得意な人
- 顧客や現場の課題発見・解決が好きな人
- 人と接することや信頼関係づくりが得意な人
- 柔軟な発想と調整能力を活かしたい人
セールスエンジニアは、技術的な専門知識を活かして顧客の疑問や課題を解決しつつ、ビジネス上の提案活動にも主体的に関わる仕事です。そのため「エンジニアとしての知識」と「コミュニケーション力」が求められます。
 
取引先やチームメンバーとの交渉や情報共有を行う場面が多いため、物事を分かりやすく伝える力や、相手に信頼される人柄が強みの人は、セールスエンジニアとして活躍できるでしょう。
関連記事:セールスエンジニアとは?仕事内容や年収、向いている人の特徴を紹介!
ブリッジエンジニア
ブリッジエンジニアは、日本と海外の開発拠点や多国籍チームの間に立ち、技術や言語・文化的な橋渡しを行う職種です。
 
主な仕事内容は、設計書・仕様書の翻訳や現地メンバーの進捗管理、関係者間の会議の司会進行や調整など、プロジェクトを円滑に進めるためのコミュニケーション支援です。
 
【求められるスキル】
- IT技術やシステム開発全体の知識
- 英語など他言語でのコミュニケーション力
- 文化や商習慣の違いに対する理解
- プロジェクト管理・進捗調整力
- 論理的思考・説明力・交渉力
【向いている人の特徴】
- 多文化・グローバルな環境が好きな人
- 異なる立場の人と調整し円滑に進めるのが得意な人
- ITだけでなく語学力や交渉力も磨きたい人
- 細かい違いに気づき、コミュニケーションに工夫できる人
- 人との橋渡し役、サポート役にやりがいを感じる人
ブリッジエンジニアは、言語や文化の壁を越えてプロジェクトをまとめあげる調整役のため、ITスキルだけでなく語学力や異文化理解が欠かせません。
 
英語などの語学力があり、新しい環境や変化を前向きに楽しめる人は、ブリッジエンジニアとしてキャリアを切り開いていけるでしょう。
フィールドエンジニア
フィールドエンジニアは、自社のIT機器やソフトウェアなどを導入した顧客に直接出向き、製品の設置やセットアップ、定期的なメンテナンスを行う職種です。
 
顧客からの問い合わせや不具合発生時は、現場で原因を迅速に特定して修理・復旧なども行い、製品の長期運用を支えます。また使い方の説明や新サービスの提案も行うため「会社の顔」として活動するのが特徴です。
 
【求められるスキル】
- IT機器・装置・システムの知識と技術力
- トラブルシューティング・現場対応力
- コミュニケーション・説明スキル
- 柔軟性と迅速な判断力
- 新しい技術や製品への学習意欲
【向いている人の特徴】
- 現場で人と直接コミュニケーションを取るのが好きな人
- 臨機応変にトラブルや要望へ柔軟に対応できる人
- サポートやサービスを通じて「ありがとう」と言われる達成感を得たい人
- 変化に富んだ仕事を楽しめる人
- メンテナンスや検証などの地道な作業が苦にならない人
フィールドエンジニアは、製品導入後のサポートがメインのため、顧客満足度の維持に関わる重要な役割を担っています。そのため専門知識や技術力以外にも、トラブル対応力や現場に信頼してもらえる人柄などが重視されます。
 
人と話すことやサポート業務が好きで、現場の仕事にやりがいを見いだせる人は、現場での活躍やキャリアアップが期待できるでしょう。
関連記事:フィールドエンジニアとは?年収や将来性、求められるスキルについて解説
システムエンジニア(SE)で活かせるスキル

システムエンジニアのどの職種に就いても必要&活かせるスキルを紹介します。
コミュニケーション力
コミュニケーション力が必要な理由は、システム開発が単なるプログラミング作業のみではなく、クライアントや社内外の多くの関係者と意見交換をしながら進める協働作業だからです。
 
クライアントの要望や課題を正確にヒアリングし、相手の本質的なニーズを見抜く力がなければ、的確な提案や要件定義はできません。たとえプログラミングスキルに長けていても、相手の要望に応えるシステム開発は難しいでしょう。
 
またシステム開発はチームで進める場面が多いため、進捗や問題点を適切なタイミングで共有し、仕様調整やタスク分担を円滑に行うためのコミュニケーションが欠かせません。
 
トラブル発生時の報告・連絡・相談の徹底は、早期発見・解決につながり、結果として周囲との信頼関係構築にもつながります。
 
システムエンジニアが高いコミュニケーション力を持っていると、プロジェクト全体の品質やスピード、顧客満足度が大きく向上します。
IT関連の知識
システムエンジニアは、システム設計・開発から運用・保守まで幅広い工程を担当するため、IT関連の基礎知識がない人は仕事そのものが困難です。
 
たとえばプログラミングやOSの知識がなければ実装やテストができず、ネットワークやセキュリティの知識が疎いと企業システムを安全・安定に動かせません。
 
またシステム開発では、技術選定など設計段階で専門性が求められるため、IT知識は業務の質とスピード、トラブル防止やキャリアアップに直結します。
 
したがってシステムエンジニアとして働くなら、IT知識は持っておかなければならない重要なスキルです。
論理的思考力
システムエンジニアは要件定義から設計、実装、問題解決まで、すべての工程において「筋道を立てて考える力=論理的思考力」が求められる仕事です。
 
システムやプログラムは論理に基づいて動いているため、仕様書や設計方針を決める際は、要望を整理して優先順位をつけ、どこまで実現可能かを明確に判断する必要があります。またトラブル発生時は原因を論理的に特定し、解決策を導き出さなければなりません。
 
感覚的・直感的な判断だけでは複雑なシステムに対応するのは難しいため、物事を分解して筋道を立て、最適な方法を選択する力がある人がシステムエンジニアに向いています。
マネジメント力
システム開発や運用現場は、個人作業だけでなく、チームや複数部門で協力して大規模なプロジェクトを進めます。
 
マネジメント力が高いと、プロジェクト全体のスケジュールや品質を的確に管理できます。その結果、メンバー間のコミュニケーションが円滑になり、突然のトラブルやイレギュラーな事態にも柔軟に対応しやすくなるでしょう。
 
またマネジメント力があると、リソースや予算などの視点からもプロジェクトを俯瞰でき、最適な意思決定やリスク低減にもつながります。
 
マネジメント力は、プロジェクトリーダーやマネージャーなどのキャリアアップにも直結しやすいため、ぜひ身につけておきたいスキルです。
システムエンジニア(SE)からのキャリアパス
システムエンジニアからのキャリアパスの代表例を、5つ紹介します。
- プロジェクトリーダー・マネージャー
- ITコンサルタント
- ITアーキテクト
- データサイエンティスト
- フリーランスエンジニア
プロジェクトリーダー・マネージャー
プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーは、プロジェクトの計画立案からチーム編成・進捗管理・クライアントとの調整まで、プロジェクト全体の運営と成功に責任を持つ役職です。
 
プロジェクトリーダーは、主に現場での具体的な指揮や調整、プロジェクトマネージャーは、全体の計画や人的・金銭的リソース管理も含めた総合的なマネジメントをするケースが多いです。
 
プロジェクトリーダー・マネージャーで活かせるスキルは、多岐にわたります。システム開発やIT知識はもちろん、コミュニケーション力やマネジメント力があるとチームを円滑に動かせ、プロジェクトの成功に導けるでしょう。
 
プロジェクトリーダー・マネージャーは、チームとクライアントの「橋渡し役」として、システムエンジニアで得た経験を活かしながらプロジェクトの遂行を行う重要なポジションです。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、クライアントの経営戦略や業務課題をヒアリングし、ITを活用した解決策や新システム導入を提案・実行します。
 
クライアントの現状分析から戦略立案、システム導入、導入後の運用支援まで、幅広い工程をカバーする仕事です。経営層と直接連携する機会が多いため、IT知識はもちろん、複雑な課題の本質を見抜き、全体最適を導き出す思考力と対人交渉力も求められます。
 
具体的なスキルとしては、ITやシステム開発に関する幅広い知識・経験、経営視点からの問題発見・課題解決力、プレゼンテーション力などです。
ITアーキテクト
ITアーキテクトは、要件定義・仕様設計から運用・保守を見据えた仕組みや技術選定まで、システム開発の上流工程を主導する高度な専門職です。
 
クライアントの経営戦略や業務課題をもとに、全体最適の視点でITシステムの構造・設計方針を立案・設計する役割を担います。
 
ITアーキテクトは高度なスキルを持つ専門職のため、IT・システム全般に対する高い知識は必須です。さらに情報セキュリティやネットワークなどの技術理解や、クライアントに正しくサービスを提供するためのコミュニケーション力も求められます。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、企業内外に蓄積された大量のデータ(ビッグデータ)を活用し、ビジネス上の課題や目的に応じてデータ収集や分析を行い、クライアントに新サービスや業務改善を提案する仕事です。
 
戦略立案・市場調査を始め、機械学習モデルの構築やデータ分析による業務改善、経営層へのレポート提出まで、仕事内容は多岐にわたります。
 
PythonやRなどのプログラミング言語やビッグデータの取り扱い方などは、データサイエンティストとして働くなら取得しておきたいスキルです。また論理的思考力やプレゼンテーション力がある人も、データサイエンティストとして力を発揮できるでしょう。
 
データサイエンティストは、データサイエンスの専門知識だけでなく、ビジネス視点や分かりやすく説明する力を持ってこそ、企業価値へのインパクトを最大化できます。
フリーランスエンジニア
フリーランスエンジニアは、会社や組織に属さずに個人契約でクライアントから依頼を受けてITサービスを提供する人のことです。
 
クライアントによって仕事内容が異なる点が特徴で、Webサイトやアプリ・システム開発や、保守運用、AI・データ分析など、幅広い工程と職種に携われます。
 
フリーランスエンジニアは企業に属さないため、在宅や企業に常駐など、働く場所や時間も柔軟に選べる点も魅力です。
 
ただし会社員ではないため、安定した仕事や報酬は保障できません。クライアントから求められる人材になるためには、IT全般のスキルはもちろん、最新知識のインプットなども重要です。
 
特にIT技術を軸に、ビジネス視点や幅広い職種経験を生かして複数領域で柔軟に活躍できる人が、フリーランスでは重宝されます。
システムエンジニア(SE)の種類についてよくある質問

システムエンジニアの種類について、よくある質問に回答します。
システムエンジニアとプログラマー・ITエンジニアの違いは?
システムエンジニアとプログラマー・ITエンジニアの違いを、下記の表にまとめました。
| 項目 | システムエンジニア(SE) | プログラマー | ITエンジニア | 
|---|---|---|---|
| 主な役割 | システム全体の設計・要件定義・進行管理 | 設計書に基づくプログラム作成・テスト・デバッグ | IT分野の技術者全般(SEやPG含む) | 
| 担当工程 | 上流~下流工程(要件・設計・開発・運用) | 下流工程(開発・テスト中心) | 職種ごとに多様 | 
| 必要スキル | システム分析力・マネジメント力・コミュニケーション力 | プログラミングスキル・論理的思考力 | 各専門分野の知識と技術力 | 
| 責任範囲 | システム全体の品質・納期・予算 | コード品質・プログラムの機能 | 職種・参画プロジェクトによる | 
| 立場 | 顧客・チームとの橋渡し、プロジェクト推進 | 実装の専門家 | 設計・開発・保守・運用など | 
システムエンジニアは全体設計やプロジェクト管理を担い、プログラマーは設計された内容を具体的にプログラムで実現する役割が中心です。
ITエンジニアは、システムエンジニアとプログラマーの両者を含めた幅広いIT技術者を指します。
システムエンジニアの年収は?
厚生労働省のデータによると、システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収は、574.1万円です。ただしスキルレベルや経験により、大きな差がつきやすいです。
| カテゴリー | ITSSレベル | 年収範囲(万円) | 
|---|---|---|
| 〈設計・構築〉 | 1~2 | 420.0~620.0 | 
| 3 | 450.0~700.0 | |
| 4 | 500.0~780.0 | |
| 5以上 | 600.0~950.0 | |
| 〈ソフトウェア開発スペシャリスト〉 | 1~2 | 435.0~600.0 | 
| 3 | 450.0~695.0 | |
| 4 | 500.0~750.0 | |
| 5以上 | 550.0~866.0 | 
参照:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/314
システムエンジニアで活かせる資格は?
システムエンジニアになるために必須の資格はありません。多くの現場では資格を持たずに活躍している人も多く、実務経験やスキルが重視される職種です。
 
一方で資格を取得すると、基礎知識や専門スキルの証明になるため、転職・キャリアアップや仕事の幅を広げたい際は有利に働きます。
 
システムエンジニアの仕事に活かせる資格例は、以下のとおりです。
- ITパスポート(IT全般の基礎知識を証明)
- 基本情報技術者試験・応用情報技術者試験(技術力・設計力の証明)
- ORACLE MASTER(データベース運用の専門性証明)
- システムアーキテクト(システム設計の高度なスキル証明)
- LinuC(Linuxサーバー構築・運用スキル証明)
- Javaプログラミング能力認定試験
- シスコ技術者認定(ネットワーク知識とスキル証明)
まとめ
システムエンジニアは、ITシステムの設計から開発、運用・保守まで携わります。アプリケーション、Web、組み込み、AI、インフラ、社内SEなど、さまざまな種類に分かれているのが特徴です。
 
それぞれ業務や求められるスキルは異なりますが、IT知識や論理的思考・マネジメント力・コミュニケーション力などはすべての種類で求められます。
 
本記事で紹介した内容を参考に、ぜひあなたに合う種類を見つけてみてください。
 
ワールドインテックのITS事業部では、エンジニアを募集しています。アプリケーション開発、インフラ・セキュリティ対応からカスタマーサービス運用まで、IT関連全般における技術支援を行っており、IT関連全般の様々な業務に携われます。
 
同業他社や単独のIT企業ではカバーできない領域へのチャレンジや、大規模なプロジェクトに関わることも可能なので、興味をお持ちの方はぜひご応募ください。





