基礎研究の仕事とは?内容から働き方・求められるスキルまで徹底解説

「基礎研究ってどんな仕事?」
「未経験から基礎研究者として働ける?」
などの疑問をお持ちの方もいるでしょう。
本記事では、基礎研究の具体的な仕事内容から大学や民間企業といった働き口ごとの特徴を、わかりやすく解説します。さらに研究者に求められるスキルについても、紹介しています。
最後まで読めば、基礎研究者として働くビジョンをイメージできるでしょう。基礎研究者に興味をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みください。
基礎研究の仕事内容とは?
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基礎研究は、まだ誰も知らない未知の現象の解明や、世の中の前提を覆すような新しい理論の構築を行うのが仕事です。
すでにある製品の改良や応用ではなく、正解のない道を切り開いていかなくてはならないため、大変なイメージを持つ人もいるでしょう。
しかしゼロからイチを作る職業は、そう多くはありません。そのため基礎研究は、大変さはありつつも、やりがいを感じながら働ける仕事です。
今回は、基礎研究における具体的な仕事の流れを、3ステップに分けて解説します。
テーマ選定と仮説立案
基礎研究は、まず研究テーマの選定から始まります。
世界中で発表されている膨大な先行研究や過去の論文を徹底的に調査し、まだ誰も解き明かしていない学問の答えを見つけていかなければなりません。
研究テーマが決定したら、次は「なぜその現象が起きるのか」という仮説を立てるフェーズに入ります。仮説立案は、単なる思いつきではなく既存のデータや理論に基づいた推論がないと進められないため、高い論理的思考力が必要です。
実験・観測とデータ収集
仮説を立てた後は、真実かどうかを証明するための実験・観測へと移ります。
正確に検証できるよう綿密な計画を練り上げ、日々実験室などでトライアンドエラーを繰り返すフェーズです。
実は基礎研究において、実験・観測の工程が最も時間を費やす部分にあたります。ほとんどの実験は仮説通りの結果が得られず、温度や時間、試薬の量といった条件を少しずつ変えながら何度もやり直す必要があるからです。
世紀の大発見と呼ばれる研究の裏で、研究者たちは泥臭く地道な作業を何度も行っているのです。
データ分析と論文執筆・学会発表
地道な実験を通して十分なデータが集まったら、収集した膨大な数値や観測結果を、統計ソフトなどを用いて客観的に分析し、最終的な結論を導き出します。
得られた成果は、自分の頭の中や実験ノートに留めておくのではなく、世の中に発信する必要があります。具体的には、世界中の研究者が読む「学術論文」としてわかりやすくまとめたり、国内外の学会に足を運んでプレゼンテーションを行ったりします。
成果発表によって初めて、自分の研究が世の中に知られ、評価されるのです。
応用研究・開発研究との違い
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基礎研究は、よく「応用研究」や「開発研究」と比較されがちです。しかし「基礎研究」「応用研究」「開発研究」は、研究における役割や研究期間が異なります。
【基礎研究(ゼロからイチを生み出す)】
- 役割: まだ誰も知らない新しい理論の構築や、未知の物質を発見する
- 研究期間: 10年〜数十年、非常に長い年月をかけて行う
- 勤務先: 大学・公的研究機関など
【応用研究(発見を実用的な形にする)】
- 役割: 基礎研究の成果を活用し、特定の課題解決や新薬・新素材などの実用化に向けた研究を行う
- 研究期間: 数ヶ月〜数年、比較的短いスパンでの成果が求められる
- 勤務先: 公的研究機関・民間企業の研究開発部門など
【開発研究(実用的な技術を商品にする)】
- 役割: 基礎・応用研究の成果をもとに、消費者に届く「製品」へ変換する
- 研究期間: 数ヶ月〜数年、企業の利益に直結する結果が求められる
- 勤務先: 民間企業の研究開発部門など
同じ研究職でも仕事内容や勤務先が大きく異なるため、興味や適性に応じて慎重に検討しましょう。
基礎研究者の主な働き口
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基礎研究者としてキャリアを積む場合、勤務先は主に以下の3つに絞られます。
- 大学
- 公的研究機関
- 民間企業
勤務先によって、研究目的や日々の働き方が大きく異なるため、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。
大学
大学での基礎研究は、目先の利益にとらわれない「真理の探求」を最大の目的としています。そのため数十年先を見据えた中長期的なテーマに対し、時間をかけて取り組める点が魅力です。
研究内容や進め方において自身の裁量が大きい反面、研究室に所属する学生への講義や論文指導なども業務の一つです。したがって大学で働く場合は「研究者」はもちろん「教育者」としての適性も求められます。
なお研究室を維持・運営していくためには「科研費(科学研究費助成事業)」などの外部資金を継続的に獲得しなければなりません。
研究期間は長いものの、短期的にも成果を出し続けて資金を確保しなければ研究を完遂できないため、プレッシャーもかかります。
公的研究機関
理化学研究所(理研)や産業技術総合研究所(産総研)、JAXAといった国主導の機関も、基礎研究者の主な勤務先です。
公的研究機関は、大学と比較すると学生教育に関わる機会が少ないため、業務時間の大部分を研究に注力しやすい環境が整っています。
一方で、国家戦略に基づいた大規模なプロジェクトを担当する場合も多く「国を背負っている」という大きなプレッシャーがのしかかります。
なお公的研究機関は、数年単位で厳しく成果が問われる「任期付きポスト」での採用も多く、何年も安定して働けるとは限りません。そのため常に結果が求められる、実力主義の世界です。
民間企業
製薬や化学、素材、ITなど各種メーカーに就職し、民間企業の研究所で働くという選択肢もあります。
民間企業の研究職は大学や公的研究機関と大きく異なり、自社の新製品開発や利益に繋げるのが最大の役割です。そのため開発部門や営業部門など、他部署と密に連携を取りながら、組織やチーム単位で研究を進めていく協調性が求められます。
なお民間企業の研究はビジネス視点で判断されやすく、会社の経営方針や業績によって、進行中の研究が突然変更・中止になる可能性も十分考えられます。
正社員の場合は、大学や公的研究機関と比較すると雇用の安定性はありますが、研究成果によって昇進や昇給は左右されるでしょう。
基礎研究に求められるスキル
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基礎研究者には、一般的なビジネススキルとは異なる下記の能力が求められます。
- 高度な「専門知識」
- 失敗を前提に仮説検証を繰り返す「忍耐力と論理的思考」
- グローバルに活躍するための「英語力」
- 他分野やビジネスサイドを巻き込む「コミュニケーション力」
それぞれのスキルがなぜ基礎研究の現場で不可欠なのか、詳しく解説していきます。
高度な「専門知識」
まだ誰も知らない新しい概念を見つけるには、まず「現在はどこまで解明されているのか」を正確に把握しなければなりません。自分の専門分野における基礎から最新の研究動向まで、膨大な知識を深く網羅している必要があります。
ただ単に知識をインプットするのではなく、日々更新される世界中の学術論文を読み込んだり、学会での最新の議論をキャッチアップし続けたりする姿勢が不可欠です。
高度な専門知識という土台があって初めて、先行研究の矛盾点や隠れている「新たな概念」を見つけ出し、精度の高い仮説を立てられるのです。
失敗を前提に仮説検証を繰り返す「忍耐力と論理的思考」
基礎研究は、予想通りの結果を得られない実験がほとんどです。そのため基礎研究者には「失敗を前提に仮説検証を繰り返す忍耐力」が求められます。
またただ闇雲に実験を繰り返すのではなく「なぜ失敗したのか」「次はどの条件を変えるべきか」を客観的なデータから導き出す「論理的思考力」も欠かせません。
失敗したデータも貴重な情報源として扱い、そこから新たな法則性を論理的に見出していくプロセスが、基礎研究では重要です。
なかなか成果が出ない苦しい状況でも心を折ることなく、次のステップに繋げていくタフな精神力がある人は、時間がかかっても大きな研究成果を成し遂げられるでしょう。
グローバルに活躍するための「英語力」
基礎研究に欠かせない学術論文は基本的に英語で執筆されており、読み解くには英語力が必要です。
また研究成果を海外の学会でプレゼンテーションしたり、英語で論文を執筆して国際誌に投稿したりする機会もあるため、読めるだけではなく話せる力も求められます。
最近では、各国の優秀な研究者同士がオンラインで繋がり、共同プロジェクトを進行するケースも増えています。したがって第一線で活躍したいのであれば、英語力は不可欠です。
他分野やビジネスサイドを巻き込む「コミュニケーション力」
研究職と聞くと、一人で黙々と実験室にこもるイメージを持つ方もいるでしょう。しかし現代の基礎研究は高度化・複雑化しており、情報工学や統計学、AIなど、他分野の専門家とチームを組んで大きな課題に挑むケースが増えています。
そのため専門分野が異なる相手に自分の意図を正確に伝え、円滑にプロジェクトを進める「コミュニケーション力」が求められています。
また民間企業で働く場合は、研究意義や将来性について、専門知識を持たない経営陣や営業部などに分かりやすく説明する力も必要です。
多額の研究予算や他部署からの協力を勝ち取り、研究をスムーズに進めるためにも、コミュニケーション力は基礎研究者に欠かせないスキルといえます。
基礎研究の仕事に関するよくある質問
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基礎研究の仕事を目指す方からよく寄せられる質問にお答えします。
ぜひご自身のキャリアを具体的に思い描くための参考にしてください。
基礎研究者として働くために資格は必要?
基礎研究者として働く際、医師免許や弁護士資格のような国家資格は不要です。しかし実際の採用現場では、専門性の高さから「理系大学院(修士・博士)の学位」の取得が、事実上の必須条件となっています。
大学や公的研究機関は、修士・博士の学位を保有していないと就職は難しいですが、民間企業なら学士(学部卒)でもチャンスはあります。
まずは就職を希望する企業の募集要項を確認し、条件を満たしているかを確認しましょう。
未経験から基礎研究者に転職できる?
残念ながら、完全な異業種や未経験者が基礎研究職へ転職するのは難しいです。基礎研究のメインである未知の事象を解き明かすには、大学院卒レベルの高度な専門知識と、仮説を正確に検証できる実験スキルが必要になります。
未経験からどうしても挑戦したい場合は、まず派遣社員や契約社員として入社し「実験補助」のポジションからキャリアをスタートさせるのがおすすめです。
実験補助として、基礎知識やデータ収集などの実務経験を積み重ね、正社員登用や本格的な研究職へのステップアップを狙うと良いでしょう。
なおワールドインテックのRD事業部は、未経験からでも研究者に挑戦できる環境が整っています。「実験補助ではなく最短で研究者になりたい」とお考えの方は、ぜひ応募を検討してみてください。
大学の研究室と企業の基礎研究部門では何が違う?
大学の研究室と企業の基礎研究部門の違いは「研究を行う最終的な目的」です。
大学での研究は、人類の知の限界を押し広げる「真理の探究」が目的で、すぐに社会で役立つかどうかは重視されていません。
一方、企業の基礎研究部門は、自社の利益創出を目的としています。どんなに画期的な発見であっても、ビジネスとして成立しないと判断されれば研究を進められません。そのため企業の基礎研究者には、知識だけでなくビジネス視点も求められます。
まとめ
基礎研究は、まだ誰も解き明かしていない未知の現象の解明や、世の中の前提を覆すような新しい理論を打ち立てる「ゼロからイチ」を生み出す仕事です。
地道な実験の繰り返しや、成果が出るまでには数十年ほど時間がかかるのが一般的であり、決して楽な道のりではありません。しかし自分の発見が人類の新たな「知」として歴史に刻まれる達成感は、他の職種では味わえない大きな魅力です。
勤務先は、大学や公的研究機関、民間企業など多岐にわたりますが、いずれも高度な専門知識や失敗を乗り越えるタフな忍耐力が求められます。そのため大学院(修士・博士)卒の学位や、豊富な実務経験がないと、基本的に就職は難しいです。
「未経験だけど、研究者として働きたい」と希望するなら、ワールドインテックRD事業部への応募をおすすめします。
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