システムエンジニアの仕事内容を徹底解説！必要なスキルや取得すると有利な資格も紹介

システムエンジニアの仕事とは？

システムエンジニアの仕事内容は、主に以下のとおりです。

システムエンジニアの仕事は、クライアントの要望をもとにしたシステム企画・設計から開発・運用まで幅広いです。
 
まず「要求整理・要件定義」では、顧客の課題や希望をヒアリングし、必要な機能や仕様を明確にします。「基本設計」でシステム全体の構成や機能を設計し「詳細設計」では、プログラムやデータベースの細かな仕様を決めます。
設計書をもとにプログラマーがコーディングを行う際のサポートも、システムエンジニアの仕事です。
 
開発後は「テスト設計・実施」でシステムが仕様通りに動作するかを確認し「システム移行・データ移行」で、新しい環境への切り替えやデータの移行作業を行います。システム稼働後は「運用・保守」として、監視やトラブル対応、改善提案も担います。 
システムエンジニアは、システム開発の全工程で中心的な役割を持つ仕事です。
 

システムエンジニアになるために必要なスキル

システムエンジニアになるために必要なスキルは、以下の7つです。

•  IT全般のスキル
• プログラミングスキル
• コミュニケーションスキル          
• 論理的思考力
• ヒアリング力
• 問題解決スキル
• タスク管理スキル

必要な理由やスキルを発揮できる場について、詳しく解説します。

IT全般のスキル

システム開発では「ソフトウェア」「ハードウェア」「ネットワーク」など多角的な視点が必要なため、IT全般のスキルが求められます。具体的に必要なスキルは、以下の4つです。

• OSや開発ツールの仕組み（ソフトウェア）
• メモリやCPUの働きへの理解力（ハードウェア）
• データベース設計やSQL操作（データベース）
• 通信プロトコルやセキュリティ対策（ネットワーク/セキュリティ）

例えば顧客から「在庫管理システムの処理速度を改善したい」と要望された場合、メモリ容量やデータベースの設計など複数のIT知識を組み合わせて解決策を提案しなければなりません。
 
またクラウドサービスを活用する際は、ネットワーク構成やセキュリティポリシーの知識も必要です。

プログラミングスキル

システムエンジニアとして働くなら、プログラミングスキルは必須です。実際にプログラミングを行うのはシステムエンジニアではなくプログラマーですが、プログラミングの知識がないと要件定義の現実性や開発工数の見積もりができません。
 
具体的には、プログラミング言語である以下の3つの習得ができると、活躍の場が広がります。

• Java
• PHP
• Python

レバテックキャリアが発表した「【2020年7月発表】プログラミング言語別求人案件ランキング」によると、上記のプログラミング言語がTOP3を占めていました。Java・PHP・Pythonのスキルを持っていれば、選択できる求人の幅が広がるでしょう。
 
参照：レバテックキャリア「【2020年7月発表】プログラミング言語別求人案件ランキング」

コミュニケーションスキル

システムエンジニアとして働くなら、コミュニケーションスキルは必須です。基本的にシステム開発などのプロジェクトはチーム作業のため、クライアントや他部署との調整が頻繁に発生します。
 
例えば要件定義では、顧客の曖昧な要望を具体的な仕様に落とし込む「ヒアリング力」や、設計書の意図をプログラマーに正確に伝える「説明力」が必要です。
 
他にもクライアントから「処理速度を改善したい」と要望された場合は、サーバーの増強やコード最適化など複数の解決策を提示し、コストや期間を考慮した上で最適案を提案する力が求められます。
 
クライアントの課題を解決するには、技術的な知識だけでなく相手のニーズを深掘りする「質問力」や「共感力」が不可欠です。

論理的思考力

システムエンジニアは複雑な課題を「要素分解」→「優先順位付け」→「解決策の構築」のプロセスで処理する必要があるため、論理的思考力が欠かせません。論理的思考力は、特に以下の3つのシーンで役立ちます。

• システム設計
• スケジュール設定
• トラブルシューティング

システム設計では顧客の要望をもとに、矛盾のないよう仕様を作成します。
 
スケジュール設定では過去の実績データなどから工数を算出し、作業工程を細分化して納期を決めるのが重要です。例えば「1,000行のコード開発に3日かかる」というデータなら、10,000行の開発には30日必要と見積もってスケジュールを組むと良いでしょう。
 
またシステムエラー発生時は、原因を特定し早急に改善しなければなりません。
 
論理的思考力は日々の訓練で鍛えられます。課題を階層的・論理的に分解し、図式化して整理する「ロジックツリー」や、要素を表にして整理する「マトリクス」などがおすすめです。

ヒアリング力

システムエンジニアは顧客の「言葉にできないニーズ」を正確に引き出す力が求められます。ヒアリング力は、具体的に以下の3つの視点で役立ちます。

•  要件定義の精度向上
• 仕様変更リスクの低減
• 顧客との信頼構築

ヒアリング力があれば構想や設計段階で顧客が求める理想に近づけられるため、要件定義の精度向上に繋がるでしょう。要件定義の精度が高ければ、途中で仕様変更を迫られるリスクも減ります。
 
仕様変更がなければ納期通りにクオリティの高いソフトウェアなどを納品できるため、顧客満足度や信頼もアップします。

問題解決スキル

開発プロセスではシステムエラーが起こりやすいため、システムエンジニアには問題解決力が必要です。具体的には以下の4ステップでスキルを発揮します。

• 問題の特定
• 原因分析
• 解決策の提案
• 実行・検証

問題の特定では、システムエラーを数値化・可視化して原因を導き出します。例えば「システムにログインできない」といった問題が起こっている場合は、エラーメッセージの内容や影響範囲を確認するのが一般的です。
 
問題を特定したら原因を分析し、解決策を練ります。技術的な実現性やコスト・修正期間を考慮し、複数案から最適解を選択する力も、問題解決スキルの1つです。
 
解決策の決定後は実装し、問題なくシステムが動いているかを検証します。万が一不具合が治っていない場合はトライアンドエラーを繰り返す必要があるため、さまざまな解決策を持っておくのが重要です。

タスク管理スキル

システムエンジニアの仕事は幅広く、すべての業務を滞りなく行うためにはタスク管理スキルが欠かせません。タスク管理をきちんと行うには、考え方とツールの使い方が重要です。

•  タスク分解：大きな課題を「1日で完了できる単位」に分割する
• 優先度設定：締切と影響度で優先順位をランク付けする
• 進捗可視化：スケジュール管理ツールで進捗率を毎日更新する

タスク管理ができないと納期に間に合わないなどのトラブルが発生し、チームやクライアントに迷惑をかけてしまいます。
 
タスク管理スキルは、プロジェクトの成功率と自身の信頼性に関わるため、重要度は高いです。
 
【関連記事】未経験でSE（システムエンジニア）になるには？適性や転職に有利な資格を解説

システムエンジニアに向いている人の特徴5選

システムエンジニアに向いている人の特徴は、以下の5つです。

• 論理的に物事を考えられる
• 学習意欲が高い
• コミュニケーション力に長けている
• 変化を受け入れて柔軟に対応できる
• 最後まで粘り強く取り組める

自分に当てはまるかどうか、ぜひ確認してみてください。

論理的に物事を考えられる

システムエンジニアは「筋道を立てて考える力」が不可欠なため、論理的に物事を考えられる人に向いています。
 
クライアントの要望をもとに最適なシステム仕様や設計を決める際は、要件を細分化して矛盾なく整理する論理的思考が必要です。要件を細分化し矛盾なく整理ができなければ、コストの膨張やバグの発生につながります。
 
また作業スケジュールを立てたりトラブル発生時の原因を特定したりする場面も、事実やデータをもとに「なぜこの順番で進めるのか」「どこに問題があるのか」を論理的に分析する力が求められます。
 
システムエンジニアは、常に「AだからB」という理由づけをもとに最適な解決策を導き出す必要があるため、論理的思考力がある人が活躍できるでしょう。

学習意欲が高い

IT業界は技術進化が非常に速く、常に新しい知識やスキルを学び続けなければ活躍し続けられません。学習意欲が高い人は、新しいプログラミング言語や開発手法などに積極的に取り組めるため、最新の技術を仕事に活かせます。
 
また学び続ける姿勢がある人は、プロジェクトごとに異なる課題や顧客の要望にも柔軟に対応できるため信頼も高まるでしょう。信頼が高まればさまざまなプロジェクトに関われるようになり、キャリアの選択肢も増えます。

コミュニケーション力に長けている

システム開発はチームや多くの関係者と連携しながら進めるため、コミュニケーション力は必須です。具体的にはチーム内での進捗確認や方針のすり合わせ、クライアントととの打ち合わせなど、多くの場面で人とやり取りを行います。
 
特にクライアント対応では、専門用語を使わずに分かりやすく説明したり相手の要望を正確に引き出したりする力が必要です。また納期や仕様変更の交渉やトラブル対応なども、相手とコミュニケーションを取って信頼関係を築きながら進める力が求められます。
 
システムエンジニアは高度な技術力だけでなく、円滑なコミュニケーション力がなければプロジェクトを成功に導けません。そのためコミュニケーション力に長けている人が、システムエンジニアとして活躍できます。

変化を受け入れて柔軟に対応できる

IT業界やシステム開発の現場は常に進化し続けており、新しい技術やツールが次々と登場しています。そのためプロジェクトの途中でも、仕様変更や要件追加が発生する可能性が高いです。またトラブルが発生した際は、状況に応じて最適な対応策を選ぶ柔軟性も求められます。
 
変化を受け入れて柔軟に対応できる人は、急な仕様変更や新技術の導入にも前向きに取り組めるため、プロジェクトを円滑に進められるでしょう。
 
柔軟な姿勢はクライアントやチームからの信頼も得やすくなり、将来的にさまざまなプロジェクトに関われる可能性がアップします。

最後まで粘り強く取り組める

システム開発の現場では、予期せぬトラブルや複雑なバグなど、困難な課題に直面する場面が多いです。
 
しかしクライアントがいるため、途中で仕事を投げ出すことはできません。トラブルに屈せずトライアンドエラーを繰り返しながら最後まで粘り強く取り組める人が、システムエンジニアに向いています。
 
さらにシステムエンジニアの仕事は長時間同じ作業を繰り返す場合も多く、集中力を維持しながら根気強く取り組む姿勢も必要です。
 
困難に直面しても諦めずに最後までやり遂げる粘り強さは、システムエンジニアとして活躍するための重要なポイントです。
 

システムエンジニアとして活躍した後のキャリアパス

システムエンジニアとして活躍した後のキャリアパスは、多岐にわたります。

大きく分けると、上流工程を担うマネジメントと現場でスキルを極めるスペシャリストの2つのキャリアがあります。またインフラやアプリケーションなど別分野のエンジニアとして働くのも、選択肢の1つです。
 
システムエンジニアのキャリアパスは豊富なため、まずは現場で経験を積みながらキャリアも考えていきましょう。
 
【関連記事】SEのキャリアプラン16選！考える際のポイントや成功するためにやるべきことを解説

システムエンジニアの仕事内容に関するよくある質問

システムエンジニアの仕事内容に関するよくある質問に回答します。

システムエンジニアの年収は？

厚生労働省のデータによると、システムエンジニアの平均年収は557.6万円です。日本の平均年収が461万円なので、比較的高収入といえます。
 
ただしシステムエンジニアの年収は、スキルや勤続年数などによって異なります。高収入を得たいなら求められるスキルを磨き、必要とされる人材になりましょう。
 
参照：厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」
国税庁「1 平均給与」

システムエンジニアに必要な資格は？

システムエンジニアは原則資格がなくてもなれます。ただし資格はスキル証明やキャリアアップ、転職・昇進時のアピール材料として有効なため、挑戦してみるのがおすすめです。
 
具体的には以下の資格があります。
 
【国家資格（情報処理技術者試験）】

【ベンダー資格（企業が認定する民間資格）】

システムエンジニアとプログラマーの違いは？

システムエンジニアとプログラマーの違いは、主に以下のとおりです。

• システムエンジニア：クライアントの要望をもとにシステム全体を設計し、プロジェクトの上流工程や管理を担う
• プログラマー：システムエンジニアが作成した設計書に従ってプログラムを書き、動作確認や修正などを担当する

システムエンジニアはシステムの設計をする仕事で、プログラマーは実装を担当します。

システムエンジニアはやめとけって本当？

システムエンジニアがやめとけと言われがちな主な理由は、以下のとおりです。

•  残業・休日出勤が多い
• 給与が上がりにくい
• キャリアアップがしにくい
• 裁量権が低い
• 納期に追われやすい
• クライアント折衝がストレスになりやすい
• 常にキャリアアップをしなければならない

システムエンジニアはクライアントワークのため、要望によっては残業や休日出勤をしてでも納期に間に合わせなければなりません。また忙しい仕事の合間を縫って、キャリアアップのための勉強をするのが大変という声もあります。
 
具体的な大変さについては下記の記事で解説しているので、ぜひあわせてお読みください。

【関連記事】システムエンジニアがやめとけと言われる7つの理由とは？向いている人の特徴も解説
 

まとめ

システムエンジニアの仕事内容は、クライアントの要望をもとにしたシステム企画・設計から開発・運用まで多岐にわたります。システム開発の全工程で中心的な役割を持つため、IT全般のスキルやプログラミングスキルが必要です。
 
また技術的なスキルだけでなく、コミュニケーションスキルやヒアリング力なども求められます。
システムエンジニアを目指す人は、まずは論理的思考力やコミュニケーション力を磨くと、現場に入っても能力を発揮して活躍できるでしょう。
 
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