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研磨工とは?仕事内容・種類や平均年収など転職に役立つ情報をご紹介!

目次

研磨とは、製品のゴミなどを削る研削と、表面を磨く琢磨(たくま)を合わせた言葉で、それらを行うのが研磨工です。製品の仕上げとして、表面を滑らかにしたり光沢を出したりするために行います。必要な資格は特にありませんが、ものづくりや細かい作業が好きで、作業に妥協しない職人気質がある人に向いている仕事です。本記事では、男女別平均年収や将来性についても解説します。この記事を読めば、研磨工に向いているか判断できるでしょう。



研磨工とは


研磨工とは、研磨を専門に行う人のことです。研磨とは専用の機械で製品の表面のデコボコを削り、滑らかにすることをいいます。スマートフォンや、食器、調理器具、シンク周りのステンレス製品、自動車など、身の回りには研磨加工によって光沢が出されていたり、表面が滑らかになっていたりするものが数多く存在します。金属だけではなく、ガラスやプラスチックなど、製品の素材によって、異なる研磨方法を用いています。


 研磨工の具体的な仕事内容

研磨とは、研削と琢磨の二つの言葉を合わせたものです。つまり、研磨の仕事には、それら二つの工程が含まれます。研削とは、製品を削る工程、琢磨とは表面を磨いてツヤを出す工程です。研磨作業にはどちらの作業も含まれますが、これらを区別して行っている工場もあります。


 研磨工の仕事の種類


研磨にはいくつかの種類があり、それだけ研磨工の仕事の種類も幅広くなります。研磨工の主な仕事は、下記の六つです。


【研磨工の仕事の種類】

  • 砥石(といし)研磨
  • 研磨布子加工
  • バフ研磨
  • ラッピング研磨
  • バレル研磨
  • 電解研磨


それぞれの研磨方法と、どんな製品に用いられているのかを下記で解説します。


砥石研磨

砥石研磨は、砥石を製品に当て表面を研磨する方法です。製品の表面や内面を仕上げる際に、よく用いられます。砥石を高速で回転させ、製品に当てて表面のデコボコや、異物を取ります。固定されている砥石を回転させて研磨する場合もあれば、製品が大きければ砥石が付いている機械を製品に当てて研磨する場合もあります。

スマートフォンや自動車部品の最終加工、包丁を砥石で研ぐことや宝石、金属食器にツヤ・光沢を付ける際に、砥石研磨を行っています。


研磨布子加工

研磨布紙とは、布や紙の表面に砥粒(とりゅう)が固定されているものです。その研磨布紙で、製品の表面を磨く加工をいいます。サンドペーパー、もしくは紙やすりとも呼ばれ、サイズの小さいものであればDIYにも使用されています。研磨布紙は砥粒の粒度が粗いものから細かいものまであり、加工用途によって使い分けるのです。工場では、リング状の研磨ベルトを回転させ、そこに製品を当てて研磨します。自動車エンジンやステンレス製品、木工製品、ガラス製品の研磨、サビ取りに使われる加工です。


バフ研磨

バフとは、綿や麻、フェルト、ウールなどでできている柔らかい素材です。バフ研磨は、研磨剤を付けたバフを高速回転させ、製品を研磨する方法です。ポリッシング研磨とも呼ばれ、傷を消したり、製品の表面を平滑化したり、光沢度をアップさせたりするときに用いられます。

バフ研磨は、ステンレス、鉄、アルミ、プラスチックなど、さまざまな素材を研磨できます。車体を磨く作業も、バフ研磨です。日常生活でよく目にする光沢あるステンレス製品の光沢は、バフ研磨によって施されたものです。


ラッピング研磨

ラッピング研磨は、ラップ盤と呼ばれる平面の台に製品を固定し、ラップ盤と製品の間に研磨剤を挟んだ状態にし、研磨剤と製品をすり合わせて研磨する方法です。ラップ加工、ラップ研磨とも呼ばれます。電子部品や光学部品、精密部品、半導体ウエハーなどに用いられています。


 バレル研磨

タンク型の機械に製品と、洗浄・潤滑作用を持った研磨剤と水を入れ、機械を回転または振動させて研磨する方法です。タンクの中に大量の製品を投入し、一度に多くの製品を研磨できることが特徴です。バレルとは樽(たる)のことで、かつては樽型のタンクで研磨していたため、この名前がついています。

バレル研磨は、自動車部品や、電子機器部品、スパナ、メガネフレームなどを研磨する際に使用されます。


電解研磨

電気分解の原理を利用した研磨方法で、電気研磨液に製品を入れ、電流を流し金属の表面を溶かして研磨します。電解研磨はステンレスやアルミニウムなどに対応しており、光沢ある美しい仕上がりが特徴です。 物理的に削る研磨では難しい機構の製品の研磨や、細かい傷・汚れを除去することが可能です。ステンレス製のキッチン用品や、医療用品の仕上げに用いられています。


【男女別】研磨工の平均年収


研磨工のボーナスを含む平均年収は、厚生労働省による調査によれば、下記の通りです。



2019年

2018年

2017年

男性

395.6万円

434.5万円

395.7万円

女性

289.2万円

237.3万円

241.6万円



平均年収は、男女で大きく差が開いていることがわかります。また、男女ともにアップダウンがあることが特徴です。景気により、工場の製品受注状況が変化していることが原因と考えられます。


 研磨工の将来性


研磨工の仕事は、部分的には機械にとって変わられるところもありますが、失われることはないでしょう。

機械による研磨は大量の製品を一度に向いていますが、最終的には人の手による研磨が必要だからです。特に研磨は製品の仕上げに関わる工程であり、高い技術力が必要とされることも多々あります。熟練職人の手作業による研磨の光沢や、研ぎによる鋭利さは、機械ではなかなか出せるものではありません。ただし、すばらしい技術を持っている工場でも、経営状態が芳しくなければ意味がありません。工場・企業の経営状態などをリサーチした上で、就職活動をすることが重要です。


研磨工におすすめの人


研磨工におすすめの人は、下記のような人です。


【研磨工におすすめの人】

  • ものづくりの業界に携わりたい人
  • 細かな作業が好きな人
  • 職人気質がある人


特に、細かな作業や職人気質は研磨工に求められるポイントといえるでしょう。下記で詳細を解説します。


ものづくりの業界に携わりたい人

研磨工はものづくりが好きで、ものづくりに携わりたい人に向いている仕事です。特に、研磨は製品の仕上げに行われることが多いため、ものづくりの最終段階を見ることができます。材料から形になり、最後に自分の手で仕上げられることはものづくりが好きな人にとって、大きな喜びとなるでしょう。また、好きであれば研磨のスキルも磨きたいと、日々向上心を持って仕事に取り組めるはずです。


 細かな作業が好きな人

細かな作業が好きな人も、研磨工に向いています。研磨を行う製品は大小さまざまですが、仕上げとして細かい部分に気を配る必要があるからです。製品の表面の小さな汚れやデコボコを、顧客が求めるレベルにまで磨き上げるため、最後は手作業で調整を行います。見ただけではわからないような部分までも調整するような、細かな作業が好きな人には、向いている仕事といえるでしょう。


 職人気質がある人

細部へのこだわりが求められるため、職人のような責任感と自負を持った人に研磨工は向いています。欠陥製品を作らないことはもちろん、顧客のニーズに応え常に最高品質での仕上げが求められます。時には自分が研磨を担当した製品が顧客の求めているレベルに届かず、返品されてしまうこともあるでしょう。しかし、そこで諦めず、よりよいものを作ろうとし、自分の仕事に誇りを持って打ち込める職人気質がある人は、研磨の仕事で成長していけるでしょう。


研磨工に必要な資格


研磨工は、資格がなくても就職できます。しかし、国家資格である「研削といし取替試運転作業者」の資格は取得しておくとよいでしょう。この資格は、研磨に使用する砥石の交換をするときと、その後、試運転をするときに必要な資格です。砥石は高速回転するため、中途半端に取り付けてしまうと作業者がけがをする恐れがあるからです。したがって、取り替えに関する正しい知識が必要になります。


まとめ


研磨工は、研磨を専門に行う人のことであり、さまざまな方法で研磨を行います。具体的には、包丁の研ぎにも使用されている砥石研磨や、DIYでも使用する研磨布紙加工、化学反応を利用して行う電解研磨などです。機械で大量の製品を研磨できるようになったとはいえ、最終的な細かい仕上げは手作業で行うため、ニーズは衰えていない職業です。そんな研磨工の平均年収はアップダウンがあるものの、男性の方が高く、女性は低めという特徴があります。また、ものづくりや細かい作業が好きで、こだわりを持って妥協せずに作業ができる職人気質の人は、研磨工に向いているでしょう。特に資格はなくても研磨工になれるので、気になったら自分は向いているかもしれないと思ったら、チャレンジしてみてもよいでしょう。





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