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CADオペレーターはいらないと言われる理由は?求められる人やキャリアパスも

近年、「CADオペレーターはいらない」「将来性がない」といった声を耳にすることが増えています。技術の進化に伴い、CADオペレーターという職種の存在意義が問われているのは事実です。しかし、本当にCADオペレーターは不要な職種になってしまうのでしょうか。

この記事では、CADオペレーターがいらないと言われる理由を詳しく分析し、これからの時代に求められるCADオペレーター像や、キャリアパスについて解説します。現役のCADオペレーターの方や、これから目指す方にとって、今後のキャリア形成の参考になれば幸いです。

目次

【結論】「CADオペレーターはいらない」は誤解


結論から言えば、「CADオペレーターはいらない」という意見は誤解です。確かに、従来の単純な図面作成業務は減少傾向にありますが、CADオペレーターという職種そのものが不要になるわけではありません。

むしろ、求められる役割が変化し、より高度なスキルを持つCADオペレーターの需要は依然として高い状態が続いています。建築、機械、電気など多くの業界で、正確な図面作成や3Dモデリングのスキルを持つ人材は必要とされています。

技術の進化により、単にCADソフトを操作できるだけでは差別化が難しくなったのは事実です。しかし、設計の知識や業界の専門知識を持ち、クリエイティブな提案ができるCADオペレーターは、これからの時代にも重宝される存在です。重要なのは、時代の変化に合わせて自分のスキルをアップデートし続けることです。

また、企業側も経験豊富なCADオペレーターの価値を認識しており、特に複雑なプロジェクトや高精度が求められる案件では、熟練したオペレーターが不可欠です。「いらない」と言われるのは、スキルアップを怠り、変化に対応できないオペレーターであって、職種全体が不要になるわけではありません。今後のキャリアを考える上で、この点を正しく理解することが大切です。

CADオペレーターはいらないと言われる3つの原因


CADオペレーターが不要だと言われるようになった背景には、技術的な進化や業界の変化があります。ここでは、その主な原因を3つ挙げて詳しく解説します。

CADソフトの高機能化で誰でも操作できるようになった

CADソフトの進化により、操作性が大幅に向上し、以前と比べて誰でも扱いやすくなったことが、大きな要因の一つです。かつてCADソフトは専門的な知識と長期間の訓練が必要なツールでしたが、現在では直感的なインターフェースや豊富なテンプレート機能により、初心者でも基本的な図面を作成できるようになりました。

特に、自動寸法機能やスナップ機能、エラーチェック機能などが充実したことで、専門的なトレーニングを受けていない設計者でも、ある程度のクオリティの図面を作成できるようになっています。また、クラウドベースのCADソフトも登場し、場所を選ばず作業できる環境が整ってきました。

このような状況から、企業によっては設計者自身がCADを操作し、CADオペレーターを介さずに図面を作成するケースが増えています。特に中小企業では、コスト削減の観点から、設計者が直接CADを操作する体制を取ることも多くなりました。

しかし、ソフトが高機能化したからといって、すべての作業が簡単になったわけではありません。複雑な3Dモデリングや、高精度が求められる図面作成には、依然として専門的なスキルと経験が必要です。CADソフトの操作だけでなく、製図の知識や業界の専門知識を持つCADオペレーターの価値は、むしろ高まっているとも言えます。

AI・自動化技術の発展で作業が代替されるようになった

AI技術の発展により、図面作成の一部が自動化されるようになったことも、CADオペレーターが不要だと言われる要因です。AIを活用した設計支援ツールが登場し、パターン化された図面作成や、過去のデータを基にした自動生成が可能になってきました。

例えば、建築分野では間取りの自動生成ツールが開発され、条件を入力するだけで複数の設計案を自動的に作成できるようになっています。機械設計の分野でも、部品の配置や配管ルートの最適化をAIが提案するシステムが実用化されつつあります。

また、画像認識技術の進歩により、手書きのスケッチをCADデータに変換したり、既存の図面をスキャンしてデジタル化したりする作業も自動化されています。これらの技術により、単純作業や繰り返しの多い作業は、人手を必要としなくなってきました。

ただし、AIにできることは現時点ではまだ限定的です。クライアントの要望を理解し、それを具体的な図面に落とし込む創造的な作業や、複雑な条件を考慮した設計判断は、人間の経験と知識が必要です。AIはあくまでツールであり、それを効果的に活用できるCADオペレーターの価値は失われていません。

開発の主役は「実験」から「計算(MI)」へ

現在、機械や材料工学の分野では、従来の試作と実験を繰り返すやり方から、コンピュータシミュレーションによる計算ベースの開発手法へとシフトしています。

この計算をマテリアルズ・インフォマティクス(MI)といい、AIやビッグデータを活用して材料の特性を予測し、「この材料だと強度はこのくらい」「熱にはこのくらい耐えられる」などの最適な設計を導き出します。これにより、試作品を何度も作り直す必要が減り、開発期間の短縮とコスト削減が実現されています。

このシミュレーション技術の発展により、CADで作成した3Dモデルに対して、強度解析や流体解析、熱解析などを行い、実物を作る前に性能を予測できるようになりました。このため、単純に図面を引くだけのCADオペレーターの仕事は減少しています。

ですがCADオペレーターの仕事が0になるわけではありません。むしろシミュレーションを正確に行うためには、適切なCADモデルの作成が不可欠です。解析に適したモデリング技術や、シミュレーション結果を理解して図面に反映させる能力を持つCADオペレーターは、開発現場での重要性を増しています。「図面を引く」だけでなく「解析できる」ことで技術革新の中でもCADオペレーターとしての市場価値を上げることができます。

CADオペレーターとして生き残るためにやるべきこと


技術の変化が進む中で、CADオペレーターとして長く活躍し続けるためには、戦略的なスキルアップが必要です。ここでは、具体的に取り組むべき3つのポイントを紹介します。

設計のスキルを身につける

単なる図面作成から一歩進んで、設計そのものができるスキルを身につけることが、これからの時代に最も重要です。設計者の指示通りに図面を描くだけでなく、自ら設計の提案ができるようになれば、市場価値は大きく向上します。

設計スキルを身につけるには、四大力学、建築法規など、業界に応じた専門知識の習得が必要です。また、設計意図を理解するために、なぜその寸法なのか、なぜその材料を使うのかといった背景を常に考える習慣をつけることが大切です。

実務の中で設計者とのコミュニケーションを大切にし、疑問点を積極的に質問することで、設計の考え方を学ぶことができます。また、設計に関する書籍を読んだり、セミナーに参加したりして、体系的に知識を深めることも効果的です。

設計スキルを持つCADオペレーターは、単なるオペレーターではなく「設計補助者」や「ジュニア設計者」として位置づけられ、給与面でも優遇されることが多くなります。キャリアアップを目指すなら、設計スキルの習得は必須と言えるでしょう。

AIにはできない分野を強化する

AIや自動化技術が進化する中で、人間にしかできない能力を磨くことが重要です。特に、創造性やコミュニケーション能力、問題解決能力といった分野は、AIが苦手とする領域です。

クライアントの曖昧な要望を具体的な形にする提案力や、現場の状況に応じて柔軟に対応する判断力は、経験豊富な人間だからこそ発揮できる能力です。また、設計者や施工担当者との円滑なコミュニケーションを通じて、プロジェクト全体を円滑に進める調整力も重要です。

さらに、複雑な条件や制約がある中で最適な解を見つける問題解決能力も、AIには代替できない価値です。例えば、限られたスペースに機器を配置する際の工夫や、コストと品質のバランスを考えた材料選定など、総合的な判断が求められる場面で力を発揮できます。

これらの能力を磨くには、さまざまなプロジェクトに積極的に参加し、多様な経験を積むことが効果的です。失敗を恐れず挑戦し、そこから学ぶ姿勢を持ち続けることで、AIには真似できない独自の価値を築くことができます。

資格を取得して市場価値を高める

資格取得は、自分のスキルを客観的に証明し、市場価値を高める有効な手段です。特に、より高度な資格を取得することで、専門性をアピールでき、キャリアアップや転職に有利になります。

CAD利用技術者試験の1級、建築CAD検定の上位級、機械プラント製図1級などのCADオペレーターに関連する数少ない国家資格や難易度の高い資格に挑戦することで、専門的なスキルを証明できます。また、BIM技術者資格やRevit Architecture認定資格など、最新技術に関する資格を取得すれば、時代の変化に対応できる人材であることをアピールできます。

業界特有の資格も有効です。建築業界なら建築士や施工管理技士、機械業界なら機械設計技術者試験など、CADスキルに加えて専門的な知識を持つことで、より高度な業務に携わることができます。

資格取得の過程で体系的に知識を学べることも大きなメリットです。実務経験だけでは得られない理論的な裏付けや、業界標準の知識を習得できます。資格は一度取得して終わりではなく、継続的に新しい資格に挑戦し、常に学び続ける姿勢を示すことが大切です。

CADオペレーターのキャリアパス


CADオペレーターとしてのキャリアは、一つの道だけではありません。経験とスキルを積むことで、さまざまな方向に進むことができます。ここでは、代表的な4つのキャリアパスを紹介します。

CAD設計士

CADオペレーターから設計者へとステップアップするキャリアパスです。図面作成の経験を活かしながら、自ら設計を行う立場になることで、仕事の幅が大きく広がります。

CAD設計士は、クライアントの要望をヒアリングし、それを具体的な設計図面に落とし込みます。構造計算や法規チェック、コスト計算なども行い、プロジェクト全体を見渡す役割を担います。単なる図面作成ではなく、創造的な設計提案が求められる仕事です。

このキャリアパスのメリットは、仕事の裁量が大きくなり、やりがいが増すことです。また、設計者としての専門性が高まることで、収入も大幅にアップする可能性があります。独立して設計事務所を開業する道も開けます。

設計士になるには、設計に関する専門知識を深め、建築士や技術士などの資格取得を目指すことが一般的です。CADオペレーターとしての経験は、実務的な図面作成能力として大きな強みになります。現場の実情を理解した実践的な設計ができることが、CADオペレーター出身の設計士の強みです。

機電エンジニア

機械設計や電気設計のエンジニアとして専門性を深めるキャリアパスです。CADスキルを基礎として、機械工学や電気工学の専門知識を習得し、技術者としてのキャリアを築きます。

機電エンジニアは、製品開発や設備設計において中心的な役割を果たします。仕様の検討から設計、試作、評価まで、開発プロセス全体に関わり、技術的な問題解決を行います。CADはあくまでツールの一つであり、エンジニアリングの知識と経験が重視されます。

このキャリアパスでは、より高度な技術力を身につけることで、専門家としての地位を確立できます。メーカーの開発部門や設計部門で活躍する道が開け、技術的なキャリアを追求できます。収入面でも、エンジニアとしての評価を得られるため、大幅な向上が期待できます。

機電エンジニアを目指すには、大学や専門学校で工学を学んだり、通信教育で専門知識を習得したりする必要があります。また、機械設計技術者試験や電気主任技術者などの資格取得も有効です。CADオペレーターとしての実務経験を活かしながら、段階的にエンジニアとしてのスキルを積み上げていくことができます。

フリーランスのCADオペレーター

組織に属さず、独立してCADオペレーターとして働くキャリアパスもあります。フリーランスとして案件ごとに契約を結び、自分のペースで仕事をすることができます。

フリーランスのメリットは、働く時間や場所を自由に選べることです。在宅勤務が中心となり、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。また、複数の案件を同時に受けることで、収入を増やすことも可能です。スキルと実績があれば、会社員時代より高収入を得られるケースもあります。

一方で、案件獲得や営業活動、経理処理など、すべて自分で行う必要があります。仕事が安定しないリスクもあるため、十分な経験とスキル、そして安定的に案件を獲得できる人脈やルートを持つことが重要です。

フリーランスとして成功するには、高度な技術力に加えて、コミュニケーション能力や自己管理能力が求められます。まずは会社員として経験を積み、人脈を築いた上で独立するのが一般的です。クラウドソーシングサイトやエージェントを活用することで、案件を獲得しやすくなります。

BIM/CIMオペレーター

BIM(Building Information Modeling)やCIM(Construction Information Modeling)は、建築・土木業界で急速に普及している最新技術です。従来の2D図面に加えて、3Dモデルに時間やコストなどの情報を統合した管理手法で、今後ますます需要が高まると予想されています。

BIM/CIMオペレーターは、RevitやArchiCADなどの専用ソフトを使いこなし、詳細な3Dモデルを作成します。単なる形状だけでなく、材料や仕様、工程などの情報をモデルに組み込む必要があるため、より高度な知識とスキルが求められます。

このキャリアパスを選ぶメリットは、最新技術を扱える人材として高い市場価値を持てることです。大規模プロジェクトでは必須の技術となりつつあり、BIMスキルを持つオペレーターは引く手あまたの状態です。給与面でも、従来のCADオペレーターより高めに設定されることが多くなっています。

BIM/CIMオペレーターになるには、専用ソフトの操作スキルに加えて、建築や土木の専門知識、プロジェクト管理の理解が必要です。BIM関連の資格を取得し、実務経験を積むことで、このキャリアパスを歩むことができます。

CADオペレーターに関するよくある質問


CADオペレーターという職種について、よく寄せられる質問にお答えします。これからCADオペレーターを目指す方や、現在働いている方の参考になれば幸いです。

CADオペレーターとして働くメリット・デメリットは?

CADオペレーターとして働くメリットは、主に以下の4つです。

【メリット】

  • 専門スキルが身につく
  • 働き方の柔軟性が高い
  • 未経験から挑戦しやすい
  • 体力的な負担が少ない


CADスキルは汎用性が高く、さまざまな業界で活かすことができます。また、デスクワークが中心で体力的な負担が少なく、長く働き続けられる職種です。

未経験からでも始めやすく、正社員だけでなく派遣やパート、在宅勤務など、多様な働き方を選べることもメリットです。育児や介護と両立しやすく、ライフステージに合わせてキャリアを継続できます。経験を積めば、設計者やBIMオペレーターなど、キャリアアップの道も開けています。

一方で、デメリットとして以下のような点が挙げられます。

【デメリット】

  • デスクワークによる身体の不調が起こりやすい
  • 納期のプレッシャーがつらい
  • 継続的な学習が求められる
  • 給与が頭打ちになりやすい


納期に追われることが多く、繁忙期には残業が発生することもあります。細かい作業が苦手な方や、じっとしているのが苦手な方には向いていないかもしれません。

また、AIや自動化の進展により、単純作業は減少傾向にあり、継続的なスキルアップが必要です。学び続ける姿勢がないと、市場価値が下がるリスクがあります。しかし、これはデメリットというより、どの職種でも共通する時代の要請と言えるでしょう。

CADオペレーターの年収は?

CADオペレーターの年収は、経験年数や雇用形態、業界、地域によって大きく異なります。未経験からスタートする場合、厚生労働省のデータによると453.8万円が平均です。

業界別では、機械設計や電気設計の分野が比較的高めの傾向があります。また、BIMオペレーターや3D CADのスキルを持つ場合も、通常のCADオペレーターより高い給与が期待できます。大手企業や専門性の高いプロジェクトに携わることで、収入アップのチャンスが広がります。

CADオペレーターは何歳まで働ける?

CADオペレーターは、体力的な負担が少ない職種であるため、定年まで、あるいはそれ以降も働き続けることが可能です。実際に、60代や70代で現役として活躍している方も少なくありません。

デスクワークが中心で、経験と知識が重視される仕事であるため、年齢を重ねるほど価値が高まる側面もあります。特に、長年の経験から得られた業界知識や図面の読解力、トラブル対応能力などは、若手には真似できない貴重なスキルです。

ただし、長く働き続けるためには、継続的なスキルアップが不可欠です。新しいCADソフトへの対応や、BIMなどの最新技術の習得、業界のトレンドへのキャッチアップなど、学び続ける姿勢が重要です。技術の変化に対応できなければ、年齢に関係なく市場価値は下がってしまいます。

また、健康管理も大切です。長時間のデスクワークによる目や腰の負担に配慮し、適度な運動やストレッチを取り入れるなど、体調管理を心がけることで、長く働き続けることができます。定期的な健康診断や、作業環境の見直しも重要です。

まとめ

「CADオペレーターはいらない」という意見は、技術の進化による変化を反映したものですが、職種そのものが不要になるわけではありません。CADソフトの高機能化やAI技術の発展により、単純な図面作成業務は減少していますが、高度なスキルを持つCADオペレーターの需要は依然として高い状態です。

ワールドインテックのテクノ事業部では、大手メーカー様230社以上との取引実績を活かし、CADオペレーターをはじめとする技術職の多様なキャリアを支援しています。BIMや3D CAD、AIなどの先端技術に携わる機会も豊富で、設計士や機電エンジニアへのキャリアアップも可能。様々な業界・プロジェクトを経験することで、将来性のある技術者として成長し続けられる環境を提供します。興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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