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女性システムエンジニアは少ない?メリットやキャリアプランについて解説

IT業界において、システムエンジニア(SE)は依然として男性が多数を占める職種というイメージが強く、「女性には向いていない仕事なのでは?」と考える方も少なくありません。実際に、開発現場やSEの職場を見渡しても、女性エンジニアの姿を見かける機会は他の職種と比べて少ないのが現状です。

しかし、このような状況は徐々に変化してきており、女性SEとして活躍する人材も確実に増加しています。そして何より、SEという職業には性別に関係なく発揮できる能力や特性が重要であり、女性ならではの強みを活かせる場面も多く存在します。

本記事では、女性SEの現状と課題を正直にお伝えするとともに、女性がSEとして働くことのメリットや具体的なキャリアプランについて詳しく解説します。

目次

女性システムエンジニアが少ない理由


女性のシステムエンジニアが少ない理由は、社会的な固定観念、労働環境、ロールモデルの不足といった複数の要因が複雑に絡み合っているためです。近年は増加傾向にあるものの、依然として男性の比率が圧倒的に高いのが現状です。

「理系・技術職は男性の仕事」というイメージがある

幼少期からの教育や社会的なジェンダーステレオタイプが根強く残っており、ITやSTEM分野(科学・技術・工学・数学)は男性が選択するべき進路だという無意識のバイアスが存在します。このような固定観念は家庭や学校教育の中で自然に形成されることが多く、女性自身も「技術職は自分には向いていない」と思い込んでしまうケースがあります。

また、メディアやエンターテイメント作品でも、エンジニアやプログラマーは男性として描かれることが多く、社会全体でこのイメージが強化され続けています。こうした環境の中で、女性が積極的にIT分野を選択肢として考える機会が限られてしまっているのが現状です。

ロールモデルが不足している

周囲に女性のSEやエンジニアが少ないため、「将来の自分」を具体的にイメージしにくいという問題があります。進路を決める際に、実際に活躍している女性SEの姿を見る機会が少なく、どのようなキャリアパスがあるのか、仕事と家庭をどう両立しているのかといった具体的な情報を得ることが困難です。

身近に目標とする女性エンジニアがいないことで、IT分野での自分の未来像を描きにくく、結果として他の職種を選択してしまう女性が多いのが実情です。成功事例やロールモデルの可視化は、女性のIT分野への参入促進において重要な要素となっています。

長時間労働のイメージがある

SEの仕事は、納期に追われたり、システム障害などのトラブル対応があったりと、長時間労働になりやすいというイメージが広く浸透しています。特に、結婚や出産、育児といったライフイベントを控えた女性にとって、仕事と家庭の両立が難しそうに感じられ、SE職を敬遠する要因となっています。

実際には、近年多くのIT企業でワークライフバランスの改善や働き方改革が進んでいますが、一般的なイメージとしては「激務」「家庭との両立困難」というネガティブな印象が根強く残っているのが現状です。

ライフステージの変化への対応が求められる

女性特有の課題として、産休や育休からの復帰時に技術的なキャッチアップができるかという不安があります。IT業界は技術の進歩が速いため、数か月から1年程度のブランクでも最新の技術トレンドについていけなくなる可能性があります。

また、復職後に重要なプロジェクトから外されてしまう「マミートラック」に陥ってしまうのではないか、キャリアアップの機会が制限されてしまうのではないかという懸念を抱く女性も少なくありません。このような将来への不安が、SE職への参入をためらう要因の一つとなっています。

理系に進学する女性が少ない

そもそもの問題として、日本では大学のSTEM分野(情報工学、コンピュータサイエンスなど)を専攻する女性の割合が、他の先進国と比較して低い傾向にあります。SEになるための基礎となる理系教育を受ける女性が少ないことが、結果的に女性SE の絶対数の少なさにつながっています。

この背景には、高校での理系選択時点で既に男女差が生まれていることや、大学受験において理系分野を志望する女性が少ないという構造的な問題があります。

キャリア教育の不足

高校や大学において、IT分野の多様な働き方やキャリアパスについて十分な情報提供がされていないことも、女性SE不足の一因となっています。多くの学生にとって、SEという職業の具体的な業務内容や魅力が十分に伝わっておらず、進路選択の際に検討対象に入らないケースが多いのです。

特に女性に向けたIT分野でのキャリア形成に関する情報や、実際に活躍している女性エンジニアからの体験談などを聞く機会が限られているため、IT業界への関心を持つきっかけ自体が少ないという問題があります。

女性システムエンジニアが持たれやすいイメージ


女性システムエンジニアが持たれやすいイメージは、ポジティブなものとネガティブなものの両面が存在します。

知的で専門的なスキルを持っている

SEは高度な専門知識が必要な仕事であるため、女性SEに対して「理系で頭が良さそう」「論理的思考ができる人」という知的なイメージを持たれることが多くあります。プログラミングやシステム設計には複雑な技術的理解が求められるため、周囲からは「難しいことを理解できる優秀な人」として見られる傾向があります。

このイメージは一般的にはポジティブに受け取られ、専門性の高さや知識の豊富さを評価される要因となることが多いです。ただし、時には「取っつきにくそう」「話が合わなそう」といった印象を与えてしまう場合もあります。

自立している

専門職であるSEは手に職をつけた職業として認識されており、女性SEに対しては「経済的に自立している」「キャリア志向が強い」という印象を持たれることが一般的です。技術スキルがあれば転職もしやすく、比較的高い収入を得られる職種であるため、「しっかりと自分の人生を切り開いている女性」として見られる傾向があります。

このイメージは現代の女性の働き方として評価される一方で、時には「仕事一筋で家庭を重視していなさそう」といった偏見を持たれることもあります。

新しいことに柔軟に対応できる

IT業界は技術の変化が激しく、常に新しい知識やスキルの習得が求められる環境です。そのため、女性SEに対しては「新しい技術や知識を意欲的に学び続ける姿勢がある」「変化に柔軟に対応できる適応力が高い人」というイメージを持たれることが多くあります。

このような印象は、学習能力や成長意欲の高さを表すものとして、一般的にポジティブに評価されます。特に、急速に発展するIT業界で活躍し続けるための重要な資質として認識されています。

「男性社会」で苦労している

IT業界はまだまだ男性が多数を占める業界であるため、女性SEに対して「働きにくい環境で頑張っている」「人間関係で苦労していそう」という同情的な見方をされることがあります。会議や飲み会などで女性一人だけという状況も珍しくないため、「大変な思いをしているのでは」と心配される傾向があります。

このような見方は善意から生まれることが多いものの、時には女性SE自身が「特別扱い」されていると感じたり、実力ではなく性別で評価されているような印象を受けたりすることもあります。

体力的にきつそう

SEの仕事は納期前の残業やシステム障害時の緊急対応など、激務になりやすいイメージが強いため、女性SEに対しては「体力的に大変そう」「無理をしていそう」という印象を持たれがちです。特に、深夜や休日の呼び出し対応があることを知っている人からは、「女性には負担が大きすぎるのでは」と心配される場合があります。

実際には個人差や企業の労働環境によって大きく異なりますが、一般的にはこのような体力面での懸念を持たれることが多いのが現状です。

プライベートを犠牲にしている

SEの仕事が忙しいというイメージから、女性SEに対して「趣味や恋愛の時間が少なそう」「結婚や家庭を後回しにしていそう」という印象を持たれることがあります。特に、技術の勉強や資格取得のための自己学習に時間を割く必要があることが知られているため、「プライベートの時間がなさそう」と思われがちです。

このような見方は、キャリア志向の女性に対する社会的な偏見とも重なっており、「仕事と私生活のバランスが取れていない」というネガティブな印象として受け取られることもあります。

女性がシステムエンジニアとして働くメリット


女性がシステムエンジニアとして働くことには、いくつかの大きなメリットがあります。これらのメリットは、SEとしてキャリアを築きたいと考える女性にとって、大きなモチベーションとなるはずです。

論理的な思考力が仕事に活かせる

システムエンジニアの業務では、複雑な課題を整理し、物事を順序立てて考える論理的思考力が非常に重要です。女性が持つ細やかな分析力や段階的に問題を解決していく思考プロセスは、システム設計や開発において大きな強みとなります。

例えば、システム要件を整理する際には、顧客の要望を体系的に分類し、優先順位をつけて実装計画を立てる必要があります。また、バグの原因を特定する際にも、可能性のある要因を論理的に絞り込んでいく思考力が求められます。

女性の多くが持つ「丁寧に物事を分析する」「複数の要素を総合的に判断する」といった特性は、SEの核となるスキルと非常に相性が良いと言えるでしょう。

場所や時間に縛られない働き方がしやすい

IT業界は他の業界に比べて柔軟な働き方を導入している企業が多く、リモートワークやフレックスタイム制、時短勤務などの制度が整備されています。SEの業務はパソコンがあればどこでも作業可能な部分が多いため、在宅勤務との親和性が高いのが特徴です。

これは特に女性にとって大きなメリットとなります。妊娠・出産・育児といったライフイベントがあっても、在宅勤務を活用することで仕事を継続しやすく、キャリアを中断することなく専門性を維持できます。

また、子どもの急な病気や学校行事への参加なども、フレックスタイム制を活用してスケジュール調整しやすい環境にあります。このような働き方の多様性は、女性が長期的にSEとしてキャリアを築いていく上で重要な要素となっています。

女性ならではの視点が重宝される

現代のシステム開発では、様々なユーザー層のニーズに応える必要があり、女性ならではの視点や感性が非常に重要視されています。特に、女性向けのサービスや商品の開発において、実際のユーザーとしての経験や視点を開発プロセスに取り入れることで、より価値の高いシステムを作ることができます。

例えば、化粧品のECサイトや育児支援アプリ、ヘルスケア系のシステムなどでは、女性の使いやすさや必要な機能を深く理解している女性SEの意見が開発の成功に直結します。また、UIデザインにおいても、色合いや操作性、情報の整理方法などで女性特有の感性が活かされることが多くあります。

さらに、チーム内のコミュニケーションにおいても、女性の持つ協調性や細かな配慮は、プロジェクトを円滑に進める上で重要な役割を果たします。多様な視点を持つメンバーがいることで、より包括的で質の高いシステム開発が可能になるため、女性SEの存在価値は今後ますます高まっていくと考えられます。

女性システムエンジニアのキャリアプラン


女性システムエンジニアのキャリアプランは多様ですが、大きく分けて3つの道が考えられます。

技術を極める「スペシャリスト」

SEとしての基盤を固めた後、特定の技術分野で深い専門知識とスキルを身につけて専門家を目指すキャリアパスです。

テックリード
技術面でチーム全体を牽引する役割です。最新の技術動向を把握し、開発チームに技術的な指針を示したり、難しい技術課題の解決策を提案したりします。

コードレビューや技術的な意思決定を行い、チームメンバーの技術力向上をサポートする重要な職種です。女性エンジニアがテックリードを務めることで、チーム内に多様な視点をもたらし、より包括的な技術判断が可能になります。

特定分野の専門家
データベースエンジニア、セキュリティエンジニア、AIエンジニア、クラウドエンジニアなど、特定の技術領域で高度な専門性を身につけたスペシャリストです。企業内で「この分野なら○○さんに聞けば間違いない」という存在になることで、高い専門性に基づいた価値提供ができます。

特に女性の場合、細やかな分析力や継続的な学習姿勢が専門性を深めるのに適しており、長期的に安定したキャリアを築くことができます。

チームを率いる「マネジメント」

技術的なスキルに加えて、人材マネジメントやプロジェクト管理能力を身につけ、チームや組織全体を統括する役割を目指すキャリアパスです。

プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクト全体の計画立案、進捗管理、品質管理、リスク管理などを担当し、成功に向けてプロジェクトを統括します。顧客との調整、チームメンバーのモチベーション管理、予算やスケジュールの管理など、技術力だけでなく高度なコミュニケーション能力と判断力が求められます。

女性の持つ細やかな配慮や調整力、多角的な視点は、複雑なプロジェクトを成功に導く上で大きな強みとなります。

プロジェクトリーダー(PL)
開発チーム内でのリーダーシップを発揮し、メンバーの作業分担や技術的指導、進捗管理などを行います。PMと開発メンバーの橋渡し役として、チーム内のコミュニケーションを円滑にし、開発作業を効率的に進める責任を担います。

女性PLの場合、チームメンバーが相談しやすい雰囲気を作ったり、個々のメンバーの特性を理解して適切な役割分担を行ったりする能力に長けていることが多く、チーム全体のパフォーマンス向上に貢献できます。

専門性を活かす「多様な働き方」

SEとしての経験とスキルを基盤として、従来の企業勤務にとらわれない柔軟で多様な働き方を選択するキャリアパスです。

フリーランス
これまでに蓄積した技術力と実績を活かして独立し、複数のクライアントから案件を受注する働き方です。自分のスキルや経験に合わせてプロジェクトを選択でき、報酬も自分で決定できるため、高い自由度と収入アップの可能性があります。

特に女性の場合、家庭との両立や子育てとの兼ね合いを考えて働く時間や場所を柔軟に調整できるメリットがあります。ただし、営業活動や事務処理なども自分で行う必要があり、安定的な案件獲得が重要になります。

インハウスSE
企業の情報システム部門や IT部門に所属し、その会社の業務システムの開発・運用・保守を専門に行う働き方です。自社のビジネスを深く理解した上でシステム開発に関われるため、より戦略的で価値の高い提案ができます。

また、一般的に受託開発よりも労働環境が安定しており、ワークライフバランスを取りやすい傾向があります。女性にとっては、長期的なキャリア形成と家庭との両立を図りやすい選択肢として注目されています。

まとめ


女性システムエンジニアは確かに少数派ですが、論理的思考力や細やかな視点、柔軟な働き方への適応力など、女性ならではの強みを活かせる職業です。技術スペシャリスト、マネジメント、多様な働き方など、キャリアの選択肢も豊富で、ライフイベントとの両立も可能です。固定観念にとらわれず、自分の可能性を信じてチャレンジすることが重要です。

女性エンジニアとしてのキャリアに興味をお持ちの方は、ワールドインテックのITS事業部へご相談ください。女性が活躍しやすい環境づくりと柔軟な働き方を推進しており、経験の有無に関わらずサポート体制を整えています。あなたらしいキャリアプランの実現を全力で応援いたします。

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