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【最新版】製薬会社の年収ランキングTOP10!職種別平均年収も詳しく解説

製薬業界は、人々の健康と生命を守るという重要な使命を担う一方で、研究開発に巨額の投資を行い、革新的な医薬品を生み出す産業です。そのため、高い専門性と倫理観が求められると同時に、その貢献に見合う高い報酬が支払われることでも知られています。
 
この記事では、「製薬会社の年収ランキングTOP10!」と題し、日本の主要製薬企業の平均年収を徹底比較。さらに、MR(医薬情報担当者)、研究職、開発職、CRA(臨床開発モニター)など、製薬業界における主要な職種ごとの平均年収も詳しく解説していきます。

目次

【職種別】製薬会社の平均年収


製薬会社の平均年収は、一般的に500万円~600万円とされており、これは他業種と比較しても高水準です。その背景には、医薬品の研究開発における高い専門性と、製品の利益率の高さがあります。また、手厚い福利厚生も特徴で、企業によっては健康診断や予防接種の費用を家族全員分負担するところもあります。
 
国内製薬会社と外資系製薬会社を比較すると、職種によっては外資系のほうが平均年収は高い傾向にあります。これは、外資系企業が大規模な開発プロジェクトを手がけることが多いためです。しかし、外資系は年収が実力に大きく左右される一方で、福利厚生は国内企業ほど手厚くないことも。国内製薬会社では、特に20代から30代にかけての年収アップ率が高い傾向にあります。
 
製薬会社内でも、職種によって平均年収は大きく異なります。ここでは、主要な3つの職種に焦点を当て、それぞれの平均年収について詳しく解説していきます。

研究開発職

製薬会社の研究開発職は、新しい医薬品の創出に向けた重要な役割を担います。具体的には、医薬品候補物質の探索研究や特性調査、有効性・安全性を確認する非臨床試験、そしてヒトでの効果を検証する臨床試験(治験)などを担当します。薬学研究者は主に基礎研究や非臨床試験に携わり、専門チームで連携して研究開発を進めます。
 
平均年収は全世代で約750万円ですが、20代で約400万円、30代で約600万円、40代以上では800万円以上に達することもあり、経験や年代により昇給が見込めます。この職種は高い専門性が求められるため、他業種と比べても高水準の年収が特徴です。
 
参考:厚生労働省「jobtag」薬学研究者

関連記事:研究開発職の仕事内容とは|年収・必要な資格・向いている人の特徴

営業職・MR(医療情報提供者)

営業職、特にMR(Medical Representatives:医薬情報担当者)は、製薬会社の顔として、医師や薬剤師といった医療関係者に医薬品の適切な情報を提供し、自社製品の普及に努める専門職です。
 
医薬品の有効性や安全性、使用方法などを正確に伝えることで、医療従事者の適正な治療選択を支援し、ひいては患者さんの健康に貢献するという重要な役割を担います。単に製品を販売するだけでなく、医療現場からの情報(医薬品の使用感、副作用など)を収集し、それを社内の研究開発部門へフィードバックすることも重要な仕事です。
 
MRの平均年収は約618万円ですが、経験やスキル、所属する企業(特に国内大手や外資系)によっては1,000万円を超えるケースもあります。ただし、外資系の場合は実力主義の傾向が強く、年収が成果に大きく左右されることもあります。また、日々の外回りが多く、多忙な医療従事者のスケジュールに合わせて訪問するため、効率的な行動力や情報収集能力が求められます。
 
参考:厚生労働省「jobtag」医薬情報担当者(MR)

品質管理

製薬会社の品質管理(QC)は、医薬品が安全かつ有効であることを保証する、極めて重要な役割を担っています。その仕事内容は多岐にわたり、原材料の受け入れから製造工程中の検査、最終製品の出荷試験に至るまで、あらゆる段階で医薬品の品質を厳しくチェックします。具体的には、成分分析、不純物検査、安定性試験、微生物試験などを通じて、製品が定められた規格や法規制(GMPなど)に適合しているかを確認します。これらの試験結果を詳細に記録し、報告書を作成することも重要な業務です。
 
品質管理職の平均年収は、一般的に400万円〜600万円程度と言われています。しかし、薬剤師資格の有無、経験年数、専門性、そして企業規模によって大きく変動し、マネージャー職以上になると700万円を超えるケースも珍しくありません。特に、分析機器の操作スキルや薬学、化学、生物学などの専門知識、さらにはGMPに関する深い理解が求められるため、専門性が高まるほど年収も上昇する傾向にあります。患者さんの命に直結する医薬品の品質を守るという大きな責任とやりがいを感じられる職種です。

関連記事:品質管理の仕事内容は?知っておくべき手法や資格についても紹介

製薬会社の女性社員の平均年収


製薬会社における女性社員の平均年収は、基本的に性別によって差がつくことはありません。年収は、個々の企業規模、役職、そして保有する専門スキルや経験によって決定されます。そのため、前述の「製薬会社の平均年収を職種ごとに紹介」のセクションで解説した平均年収が、そのまま女性社員にも当てはまると考えて差し支えありません。
 
しかしながら、出産や育児といったライフイベントによる一時的なキャリアの中断は、年収に影響を与える可能性があります。これは、休職期間中にキャリアアップの機会を逃したり、復職後の勤務形態の変化によって給与体系が変わったりする場合があるためです。
 
近年は、育児支援制度や柔軟な働き方を導入する企業が増えており、女性がキャリアを継続しやすい環境が整備されつつあります。

外資系製薬会社の平均年収


外資系企業では、専門性や英語力が求められるポジションが多く、給与体系も成果に応じたインセンティブがあるため、年収水準は比較的高めに設定されています。多くの調査によると、平均年収は概ね700万円から1,000万円程度で、転職者実績ベースでは平均約1,000万円、ボリュームゾーンは700〜900万円台です。
 
シニアスペシャリスト職では700〜1,000万円、マネージャー職に進むと900〜1,400万円ほどになり、ディレクター以上では1,400万円から最大4,000万円規模になる場合もあります。MR職に特化した調査では平均年収が約1,158万円、ファイザーなど製薬大手のMRでも1,000万円以上が一般的です。

製薬会社の年収が高いのはなぜ?


製薬会社の年収が高い理由は、主に以下の点が挙げられます。

  • 専門性が問われる仕事だから
  • 利益率が高い業界だから
  • 責任の大きい仕事だから

これらの要素が複合的に作用し、製薬会社の年収は他業種と比較して高水準に保たれていると言えます。

専門性が問われる仕事だから

製薬業界では高度な専門知識と技術が必要不可欠です。薬学、生化学、分子生物学、医学などの深い理解が求められ、新薬開発には最先端の科学技術を駆使します。研究開発職では博士号取得者が多く、継続的な学習と研究が必要です。
 
また、薬事法や各国の規制に精通した専門家、臨床試験を設計・実施できる人材など、代替の利かない高い専門性を持つ人材が重宝されるため、相応の対価が支払われます。 

利益率が高い業界だから

製薬業界は他業界と比較して非常に高い利益率を誇ります。特許で保護された新薬は独占販売が可能で、開発費を回収した後は高い収益性を維持できます。一つの画期的な新薬が年間数千億円の売上をもたらすことも珍しくありません。また、医薬品は価格弾力性が低く、病気の治療に必要不可欠なため安定した需要があります。この高い収益性により、企業は優秀な人材確保のために競争力のある給与を提供できる財務基盤を持っています。

責任の大きい仕事だから

製薬会社の仕事は人の生命と健康に直結する極めて重大な責任を伴います。薬の安全性や有効性に関する判断ミスは、患者の生命に危険をもたらし、社会的信頼を失墜させる可能性があります。臨床試験の設計、承認申請資料の作成、市販後安全性監視など、どの工程でも高い倫理観と正確性が求められます。
 
また、薬害が発生した場合の法的責任や社会的制裁は甚大です。このような重大な責任を負う専門職に対して、リスクに見合った高い報酬が設定されているのです。

製薬会社の年収ランキングTOP10


下表に、2025年7月時点での製薬会社の年収ランキングをまとめました。製薬会社の平均年収を大きく上回る会社がランクインしており、会社によって平均年収が異なることが分かります。また、従業員数が少ない小さい会社でも平均年収が1,000万円を超えていることから、製薬会社における年収の高さは、企業規模とは直接関係がないといえるでしょう。

 

社名

平均年収

1位

サンバイオ

約1,596万円

2位

ネクセラファーマ

約1,541万円

3位

モダリス

約1,385万円

4位

シンバイオ製薬

約1,327万円

5位

ソレイジア・ファーマ

約1,270万円

6位

中外製薬

約1198万円

7位

ジーエヌアイG

約1192万円

8位

第一共三

約1113万円

9位

アステラス製薬

約1110万円

10位

アンジェス

約1093万円


参考:Answers|【2024年版】製薬会社年収ランキング 1位は1596万円のサンバイオ…新薬大手は中外が3年連続トップ

製薬会社の年収に関するよくある質問


ここからは、製薬会社の年収について、よくある質問に回答していきます。

製薬会社への就職・転職は難しい?

製薬会社は、競争率が高く、就職・転職は難しいといわれています。求人数が少ないことに加え、専門知識が求められることはもちろん、募集要件も厳しく、コミュニケーション能力なども求められるためです。また、年収の高さや業界の安定性などから製薬会社は人気があり、就職倍率は、50倍~100倍ともいわれています。
 
職種ごとに必要なスキルは異なります。例えば、研究職は薬剤師資格や理系大学の修士号に加え、同業他社や専門の大学での実務経験が必要とされることが多いです。しかし、共通して求められるのは、専門知識と、コミュニケーション能力です。ときには医師に新薬をプレゼンしたり、社外関係者に協力を求めたりすることもあります。営業職も、医師へ営業することが多いです。
 
さらに、英語力も求められ、TOEICの点数が応募要件に加えられているケースも見られます。事務職に限っては、未経験でも応募が可能な求人情報もあるでしょう。
 
関連記事:製薬会社の就職・転職に必要な資格とは?職種ごとに詳しく解説
関連記事:製薬会社の研究職になるには?就職するために求められるスキルや平均年収を解説

20代で製薬会社に勤める場合の年収は?

20代で製薬会社に勤める場合の年収は、職種によって差があります。研究・開発職では20代で約400万円が平均的な水準となっており、MR(営業職)では約500万円とやや高くなっています。新卒1年目の初任給は、大手製薬会社で学部卒が月給22万円前後、修士卒で25万円前後、博士卒で28万円前後が一般的です。
 
年収に換算すると、新卒1年目でも400-500万円程度が見込まれ、3年目頃には600万円程度まで上昇するのが典型的なパターンです。これは一般的な20代の平均年収(前半263万円、後半364万円)と比較して大幅に高い水準となっています。
 
ただし、製薬会社内でも企業規模や個人の成績によって年収には大きな幅があり、特にMRでは成果主義の要素が強いため、同じ20代でも200万円から1000万円以上まで大きな差が生じる場合があります。

製薬会社に入るには何学部を卒業すればいい?

製薬会社への就職において最も適しているのは薬学部と理学部です。薬学部では薬理学や製剤学など医薬品に直結する専門知識を学べるため、研究開発職や品質管理職で即戦力となります。理学部では化学や生物学などの基礎科学を深く学び、新薬開発の基盤となる知識を習得できます。
 
その他にも工学部の化学工学や生物工学、農学部の生物化学、医学部なども製薬会社就職に有利です。特に重要なのは専攻分野で、有機化学、生化学、分子生物学、薬理学、毒性学などの知識は新薬の設計から安全性評価まで幅広く活用されるため、これらを学んでいることが求められます。
 
ただし職種によって要求される専門性は異なり、研究職や開発職では理系の専門知識が必須ですが、MRや事務職では必ずしも理系である必要はありません。それでもMRでは医薬品の専門的説明が求められるため、薬学部出身者が特に重宝される傾向があります。

関連記事:薬学部から研究職になるには?製薬会社の研究員は狭き門?年収や就職ルートを解説

まとめ


この記事で解説したように、製薬会社は高い専門性と社会的責任を背景に、他業界と比較して非常に魅力的な年収水準を提供しています。研究開発職からMR、品質管理まで各職種で安定した高収入が期待でき、特に20代から着実な年収アップが見込める点は大きな魅力です。ただし、その分就職・転職の競争は激しく、薬学部や理学部での専門知識習得、英語力やコミュニケーション能力の向上など、入念な準備が必要となります。人々の健康と生命を守るという崇高な使命を担いながら、経済的にも充実したキャリアを築ける製薬業界は、理系学生にとって非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。

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