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治験コーディネーター(CRC)に向いている人の特徴6選!資格や年収事情も解説

「治験コーディネーターに向いている人の特徴を知りたい」
「治験コーディネーターになるために資格って必要?」

このような疑問、考えをお持ちの方もいるのではないでしょうか。

結論、治験コーディネーターになるために必須の資格はありません。ただし適性はあるため、向いている人の特徴を知っておくと、実際に働き始めてからのギャップを減らせます。

本記事では、治験コーディネーターに向いている人の特徴や、取得しておくと業務に役立つ資格について紹介します。

目次

治験コーディネーター(CRC)に向いているのはどんな人?


新薬開発の最前線で患者と医療機関、製薬会社をつなぐ治験コーディネーターには、どのような人が向いているのでしょうか。

具体的には、以下の6つの特徴を持つ人が向いている傾向にあります。

  • 仕事に責任を持ってルールを厳守できる人
  • 治験や患者の状況に応じて柔軟に対応できる人
  • 周囲が安心できるコミュニケーションを取れる人
  • 周囲にうまく頼れる人
  • 周囲からの指摘やアドバイスを素直に受け入れられる人
  • 新しい知識を学ぶのが好きでコツコツ努力できる人


それぞれの理由について、実際の業務内容を交えながら詳しく解説します。

仕事に責任を持ってルールを厳守できる人

治験コーディネーターの業務において、ルール、特にGCP(医薬品の臨床試験の実施基準)の厳守は欠かせません。

治験は新薬を被験者に投与するため、患者の安全と人権の厳守が最優先されます。また治験で得られたデータは、将来多くの患者への投薬を想定しており、薬の承認審査に関わる極めて重要なものです。

  • 決められた手順(プロトコル)から逸脱しない
  • データの入力ミスや報告漏れをしない
  • 個人情報の管理を徹底する


上記を徹底できないと、治験データが無効になるだけでなく最悪の場合は治験自体が中止になり、多くの関係者に迷惑をかけてしまいます。

「まあいいか」という妥協が許されない仕事だからこそ、強い責任感と倫理観を持って細かいところまで気を配り、正確に業務を遂行できる人が向いています。

治験や患者の状況に応じて柔軟に対応できる人

ルールの厳守が求められる一方、現場でのトラブルなどに速やかに対応できる柔軟性も、治験コーディネーターに必要な素質です。

治験の現場は、トラブルが発生しやすいです。患者の体調が急変したり担当医師のスケジュールが急遽変更になったりなど、マニュアルやシミュレーション通りに進まないことはよくあります。

治験コーディネーターがトラブルに対してパニックになってしまうと、患者は不安を抱えてしまうでしょう。

予期せぬトラブルが起こっても「今、何を優先すべきか」を冷静に判断して臨機応変に動ける人は、治験コーディネーターとして活躍できます。

周囲が安心できるコミュニケーションを取れる人

治験コーディネーターは調整役として、医師や看護師、製薬会社の担当者など、さまざまな職種の人と関わる機会が多いです。そして何より、治験を受ける患者の心の支えになる必要があります。

そのため「周囲が安心できるコミュニケーションを取れる人」が向いているといえます。

周囲が安心できるコミュニケーションの具体例は、以下のとおりです。

  • 患者向け:難しい専門用語を使わず、親身になって話を聞き、不安を取り除く
  • 医療関係者向け: 結論から端的に報告・相談を行い、スムーズな治験をサポートする


相手に合わせて伝え方を工夫し「あなたがいると安心する」「仕事がしやすい」と思ってもらえるような信頼関係を築ける人は、治験コーディネーターとして長く活躍できます。

周囲にうまく頼れる人

治験コーディネーターは責任感が求められる仕事ですが、一人で抱え込まずチーム医療の一員として周囲にうまく頼るスキルも必要です。

責任感が強い人ほど「自分でなんとかしないと」と思い詰めがちですが、治験中の判断ミスは大きな医療事故につながる可能性があります。

そのため自分一人で判断できないことや、業務量が許容量を超えそうな時は、すぐに医師やチームのメンバー、上司への相談が大切です。

「助けを求めるのは弱さではなく、リスク回避のために必要なスキル」と理解し、周囲をうまく頼りながら仕事を進められる人は、結果としてミスなく質の高い治験を行えます。

周囲からの指摘やアドバイスを素直に受け入れられる人

治験コーディネーターの仕事の一つに、製薬会社の担当者によるモニタリングがあります。モニタリングでは、書類の不備や手順の誤りを指摘されることも多いです。

指摘があると落ち込みますが「治験の質を高めるためのフィードバック」として、素直に意見を受け入れられるかどうかは、治験コーディネーターにとって重要な素質です。

  • 指摘された内容を真摯に受け止めて改善する
  • 同じミスを繰り返さないための対策を考えられる
  • 厳しい意見でも業務改善のヒントとして吸収する


プライドが高い人は指摘を受け入れられず、成長が止まってしまいます。他者の意見を素直に聞き入れて自分のスキルアップにつなげられる人は、成長スピードも早くなり、優秀な治験コーディネーターになれるでしょう。

新しい知識を学ぶのが好きでコツコツ努力できる人

治験コーディネーターは、さまざまなジャンルの治験を担当します。担当の治験ごとに対象疾患(がん、生活習慣病、精神疾患など)も変わるため、使用する薬の効能や副作用などの知識をインプットしておかなければなりません。

そのため新しい知識を学ぶのが好きでコツコツ努力できる人が、治験コーディネーターに向いています。

日々の業務と並行しながら新しい知識を学ぶのは大変ですが「つらい」と感じるのではなく「楽しい」という気持ちで取り組める人は、治験コーディネーターとして大きく成長できます。

治験コーディネーター(CRC)の仕事内容


治験コーディネーターは、治験現場で医師・患者・製薬会社の担当者の間に立ち、治験がスムーズかつ安全に進むよう支援・調整を行うのが仕事です。

業務は治験を行う病院によって異なりますが、主に以下を担当します。

  • 治験を受ける患者の選定
  • 診察・検査への同席
  • 患者の服薬状況の確認
  • 有害事象のチェック
  • 治験のスケジュール管理
  • データ記録・書類作成
  • 関係者とのコミュニケーション


治験コーディネーターは、患者のサポートだけでなく治験全体を管理します。新薬開発に関わるため、社会貢献度が高くやりがいもありますが、患者の健康や医療業界の未来を左右する責任のある役割です。

治験コーディネーター(CRC)になるために資格は必要?


「治験コーディネーターは、特別な資格がないとなれないのでは?」と不安に思う方もいるでしょう。

実は、治験コーディネーターになるために必須の資格はありません。医師や看護師のような国家資格免許を持っていなくても、治験コーディネーターとして働けます。

ただし治験コーディネーターは医療知識が求められる仕事のため、医療系の国家資格を持っていると就職や実務において有利です。また国家資格ではないですが、スキルアップの証明になる「認定資格」もあるため、取得しておくとスキルをアピールできるでしょう。

ここでは取得がおすすめの医療系国家資格と認定資格について、詳しく紹介します。

看護師資格

現役治験コーディネーターが保有している資格の中で最も多いのが、看護師資格です。

日本SMO協会が公表した「日本SMO協会データ2023」によると、治験コーディネーターとして働いている人の約3割が、看護師資格を保有しています。

治験では、患者のバイタルチェックや採血、心電図測定などの医療行為が必要になる場面が多々あります。看護師資格を持っているかつ医師の許可があれば自分で処置を行えるため、大きなアドバンテージです。

また患者の体調変化や副作用の兆候にいち早く気づける観察力や、不安に寄り添うメンタルケア力は看護師ならではのスキルで、治験コーディネーターにも活かせます。

臨床検査技師資格

看護師資格に次いで保有が多いのが、臨床検査技師資格です。

治験において、データの収集は非常に重要です。治験コーディネーターは、血液検査や尿検査の検査値に異常がないか、プロトコル(治験実施計画書)の基準を満たしているかなどを正確に判断する力が求められます。

臨床検査技師は、検査データの読み取りや検体の取り扱いに関するプロフェッショナルです。データ管理能力を活かして質の高い治験データを担保できるため、治験現場で高く評価されるでしょう。

薬剤師資格

薬剤師資格は、新薬開発の最前線で働く治験コーディネーターと相性が良いです。

薬剤師資格を持つ人は、治験薬が効く仕組みを深く理解しているだけでなく、患者が普段飲んでいる薬との飲み合わせの確認や服薬指導において、専門性を発揮できます。

薬のプロが現場にいると、患者はもちろん医師や看護師も安心して治験を進められるため、薬剤師資格を持つ治験コーディネーターの存在意義は大きいです。

日本SMO協会 CRC公認試験

CRC公認試験は、日本SMO協会(JASMO)が認定する、業界内でも認知度が高い資格の一つです。

SMO(治験施設支援機関)に所属する治験コーディネーターとしての基礎的な知識と、実務能力を証明する認定資格として定められています。

【取得条件】

  • 協会が定めるCRC導入教育研修を修了し、修了証を取得している
  • 導入教育研修修了日より、2年以上のCRC実務経験を有している
  • 要綱細則に定める所定の継続教育の基準に適合している


要件を満たした上で、公認試験に合格すると資格が付与されます。

日本臨床薬理学会 日本臨床薬理学会認定CRC制度

日本臨床薬理学会認定CRC制度は、学術的な権威があり、より高度な専門性を証明できる資格です。医療機関所属の治験コーディネーターだけでなく、SMO所属の治験コーディネーターも取得できます。

難易度は比較的高めですが、その分信頼性も高い資格です。

【取得条件】

  • 日本臨床薬理学会の会員かつ2年以上在籍している
  • 2年以上のCRC実務経験がある
  • 学会参加や講習会への参加などで所定の単位を取得している(40単位以上)


書類審査と筆記試験に合格すると、資格を取得できます。また日本臨床薬理学会認定CRC制度は5年ごとの更新が必要なため、継続的なスキルの証明としても有効です。

SMONA公認CRC試験(SMOネットワーク協同組合)

SMONA公認CRC試験は、SMOネットワーク協同組合(SMONA)が認定する資格です。加盟している中小規模のSMOに所属する治験コーディネーターの質的向上を目的としています。

【取得条件】

  • SMONA主催の基礎講座を修了している
  • GCPトレーニングおよびSMO各社毎に実施される自社内研修を修了し、規定のプロトコル数を満たしている


試験に合格することで、一定水準以上のスキルを持つ治験コーディネーターとして認定されます。

治験コーディネーター(CRC)に関するよくある質問


治験コーディネーターに関するよくある質問に回答します。

治験コーディネーターの年収は?

厚生労働省のデータによると、治験コーディネーターの平均年収は、東京都で490.8万円です。国税庁のデータでは、日本の平均年収を461万円と記載しているため、高い収入を得られる職種といえます。

月収に換算すると、25.3〜33.9万円と幅がありますが、スキルや経験、実績の差と考えられます。

経験や資格があれば給与もアップしやすいため、将来的に年収を上げたい方は検討してみましょう。

参照:jobtag|治験コーディネーター
参照:国税庁|1 平均給与

治験コーディネーターがきつい・やめとけと言われる理由は?

治験コーディネーターが「きつい」と言われる理由としては、以下が考えられます。

  • 病院内のさまざまな部門との連携が必要で、事前準備から治験終了まで細かい調整力を問われる
  • 患者への説明・サポート、服薬管理など、多岐にわたる業務を同時進行で進める
  • 記録・報告書類が膨大で、ミスや記録漏れが許されない
  • 医師や製薬会社との調整で、診療時間外に仕事が入る場合がある


きつい面もありますが、向いている人にとってはやりがいのある仕事です。

本記事の向いている人の特徴をもう一度確認し「自分は適性がありそう」と感じる方は、ぜひ前向きに検討してみてください。

治験コーディネーターの離職率ってどのくらい?

CRCばんくによると、近年の治験コーディネーターの離職率は7〜15%程度です。

福利厚生や労働環境の改善などで、離職率は低下傾向です。しかしSMOの合併が増えると、1〜2年ほど離職率が増加するといわれています。

また業務量や責任の重さ、人間関係のストレスから離職に至るケースも見られます。

しかし適性やライフプランによって臨機応変に働き方を変えて、長く活躍している治験コーディネーターもいます。離職率の数字だけで判断するのではなく、業務内容や職場の体制にも目を向けるのが大切です。

参照:CRCばんく|治験コーディネーター(CRC)の離職率と退職理由

まとめ

治験コーディネーターは、新薬開発の最前線で働く専門職です。

治験現場は患者の命を預かっているため、ルールを厳守する責任感と、予期せぬトラブルにも柔軟に対応できる人が向いています。また周囲にうまく頼りつつ、相手からの指摘を素直に受け止めて改善できる姿勢がある人は、未経験からでも大きく成長できるでしょう。

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