Webエンジニアはやめとけと言われる理由と向いている人を解説

「Webエンジニアはやめとけ」という言葉を目にして、転職を迷っている方も多いのではないでしょうか。実際にはネガティブな側面と見逃せない魅力の両面を併せ持つ職種であり、自分に合うかどうかは一概に決められません。
本記事では、やめとけと言われる理由から魅力、向き不向きの特徴、企業選びのポイント、未経験から目指す方法までを解説します。
「Webエンジニアはやめとけ」と言われる主な理由

「Webエンジニアはやめとけ」という声の背景には、業務範囲の広さや長時間労働になりやすい構造、継続的な学習負荷、AIの普及による将来性への不安、年収や事業安定性への懸念など、複数の事情が重なっています。
一つひとつの理由を正しく理解しておくことで、漠然とした不安に振り回されず、自分にとって本当にリスクがあるのかを冷静に判断できるでしょう。
業務範囲の広さと幅広い知識の習得負荷
Webエンジニアが「やめとけ」と言われる大きな理由の一つは、業務範囲が広く、求められる技術スタックが広範にわたる点にあります。HTML/CSSやJavaScriptといった基本言語だけでなく、フロントエンド・バックエンド・データベース設計・サーバー管理・セキュリティ対策まで、システム全体を理解したうえでの判断が必要になるためです。
特に中小企業やスタートアップでは、1人のエンジニアがフロントエンドからインフラまで複数の役割を兼任するケースも多く、未経験からの転職者にとっては習得負荷が想像以上に大きな壁となりやすいのが実情といえます。
納期プレッシャーと激務になりやすい労働環境
リリース前や仕様変更が重なる時期には、長時間労働や休日出勤が発生しやすい構造があることも、「やめとけ」と言われる理由として挙げられます。急な仕様変更があっても納期は据え置かれることが多く、上流工程の遅れが実装を担うエンジニアにしわ寄せとしてのしかかるためです。
ただし、一般社団法人情報サービス産業協会の2024年版基本統計調査では、所定外労働時間は年221時間(月換算で平均約18時間)とされており、常態的な激務ではない点も押さえておきたい事実です。忙しさには山と谷があり、ずっと過酷な日々が続くわけではありません。
参考:一般社団法人情報サービス産業協会|2024 年版 情報サービス産業 基本統計調査
継続的な学習負荷と技術キャッチアップの必要性
Webエンジニアは技術トレンドの移り変わりが速く、プライベートの時間を使って学習し続ける必要があることも、「やめとけ」と言われる理由の一つです。JavaScriptをはじめ、TypeScriptやReact、Vueなど非常に多くの言語やライブラリの登場・変化が続いており、他の分野と比べても流行の入れ替わりが速い傾向にあります。
一方で、現場のエンジニアからは「勉強が必要なのは事実だが、平日1〜2時間・休日数時間といった計画的な学習を積み重ねれば、プライベートとの両立は十分に可能」との声もあり、工夫次第で対応できる負荷ともいえます。
【関連記事】JavaScriptは将来性が高い!理由や5つのできることを徹底解説
AIの台頭による将来性への懸念と飽和・競争激化
ChatGPTやGitHub Copilotといったコード生成AIの普及は、Webエンジニアの将来性への懸念材料として語られています。HTMLやCSS、簡単なJavaScriptの実装はすでに自動生成でき、特にジュニア層が担ってきた単純なコーディング業務は代替されるリスクがあるためです。
さらに、プログラミングスクールの増加やリモートワーク普及により地方在住者とも競合する形で市場参入者が増え、Web系エンジニアが増えすぎではないかという見方もあります。ただし、競争激化を客観的に裏づけるデータは乏しく、鵜呑みにしすぎない姿勢が大切です。
年収が上がりにくいケースと事業安定性のリスク
Webエンジニアには、年収が上がりにくいケースや事業安定性の面でのリスクがあることも、「やめとけ」と言われる理由として知られています。受託開発の下請け構造や実装専門のポジションでは、経験を積んでも昇給の上限が見えやすくなるためです。また、ベンチャーやスタートアップでは退職金制度がない企業も珍しくなく、事業撤退のリスクも無視できません。
下表は職業情報提供サイトjob tagに基づく役割・スキル別の年収目安で、ITSS(IPAが定めるITスキル標準)のレベル区分は、実務未経験レベルの1〜2から世界水準の7までを示した指標となっています。
役割 | スキル | 年収目安 |
|---|---|---|
設計・構築 | ITSSレベル1~2 | 420.0万円~620.0万円 |
ITSSレベル3 | 450.0万円~700.0万円 | |
ITSSレベル4 | 500.0万円~780.0万円 | |
ITSSレベル5以上 | 600.0万円~950.0万円 | |
ソフトウェア開発スペシャリスト | ITSSレベル1~2 | 435.0万円~600.0万円 |
ITSSレベル3 | 450.0万円~695.0万円 | |
ITSSレベル4 | 500.0万円~750.0万円 | |
ITSSレベル5以上 | 550.0万円~866.0万円 |
参考:職業情報提供サイトjob tag|システムエンジニア(Webサービス開発)
「やめとけ」と言われても働く価値があるWebエンジニアの魅力

「やめとけ」と言われやすいWebエンジニアですが、実際には他の職種にはない魅力と将来性を備えた仕事でもあるのです。リモートワークや副業との相性の良さ、深刻な人材不足を背景にした高い需要、技術軸とマネジメント軸の両方向に広がるキャリアパス、そして学び続けることで年収1,000万円超も視野に入る市場価値の伸びしろなど、見逃せないメリットは数多く存在します。
以下の表では、代表的な魅力を4つの観点から整理しました。
魅力 | 概要 |
|---|---|
自由な働き方 | リモートワーク・フレックス制導入企業が多く、場所・時間を問わない柔軟な働き方が可能 |
市場での高い需要 | DX推進・IT人材不足により2030年に最大79万人不足の試算。求人は豊富 |
キャリアパスの広さ | PM・PdM・フリーランス・起業など、多様なキャリアへの転換が可能 |
市場価値の向上 | 学び続けるほどスキルが評価され、年収1,000万円超も射程に入る |
自由な働き方と高い市場需要
Webエンジニアの大きな魅力の一つは、自由な働き方と高い市場需要を両立できる点にあります。フルリモートワークやフレックスタイム制を導入する企業が増えており、パソコンとインターネット環境さえあれば場所を問わず働けるため、地方在住者や育児中の人でも都市部企業で活躍できる柔軟性があるためです。
需要面でも、経済産業省のIT人材需給調査では2030年に最大約79万人のIT人材不足が試算されており、DX推進による案件増と相まって、Webエンジニアへのニーズは今後も強く続いていく見通しといえます。
参考:経済産業省|IT人材需給に関する調査 調査報告書
キャリアパスの広さとスキルアップによる市場価値向上
Webエンジニアは、キャリアパスの広さとスキルアップによる市場価値向上が見込める職種です。フロントエンド開発から始めて、バックエンドまで扱うフルスタックエンジニアへ進み、その後プロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャー、CTOといった役職を目指すなど、技術軸とマネジメント軸の両方向へ進路を広げられます。
また、学び続けるほど市場価値が高まりやすく、AIを道具として活用し大規模システムや高度なセキュリティ領域を扱える人材は、年収アップやキャリアアップに直結しやすい傾向です。フリーランスや起業という選択肢も用意されており、将来の可能性は大きく広がっていくでしょう。
Webエンジニアに向いていない人・向いている人の特徴

Webエンジニアとして活躍できるかどうかは、技術力そのもの以上に日々の学習姿勢や仕事への向き合い方に左右されます。
勉強への取り組み方、好奇心の強さ、コミュニケーションへの姿勢、細部へのこだわり、論理的に考える習慣といった要素が、働きやすさや成長スピードに直結するためです。
下表で向いていない人と向いている人の特徴を対比しています。
向いていない人 | 向いている人 |
|---|---|
継続した学習・自己研鑽が苦手 好奇心が薄く新技術に関心がない コミュニケーションを避けたい 細かい作業・緻密な確認が苦手 感覚的・大雑把に進めがち | 勉強・学習を習慣化できる 好奇心旺盛で技術トレンドを楽しめる チームで協力しながら成果を出せる 細部へのこだわりがある 論理的思考で問題を整理できる |
Webエンジニアに向いていない人の特徴
Webエンジニアに向いていない人の特徴として、勉強嫌いで継続した学習が苦手な人、好奇心が薄く新しい技術への関心が低い人、コミュニケーションを避けたい人、細かい作業や緻密な確認が苦手な人、感覚的・大雑把に物事を進めてしまう人が挙げられます。
この仕事は幅広い技術の習得や他職種との連携、要件定義からテストまでの緻密な作業が欠かせず、苦手意識のある分野が多いと負担を感じやすいためです。ただし、今は苦手と感じていても、参考書を毎日15分読むことから始めるなど、実際に取り組むうちに価値観が変わる可能性もあります。
Webエンジニアに向いている人の特徴
Webエンジニアに向いている人の特徴は、勉強や学習を習慣化できる人、好奇心旺盛で技術トレンドを楽しめる人、チームで協力しながら成果を出せる人、細部へのこだわりを持つ人、論理的思考で問題を整理できる人です。
フロントエンドからインフラまで幅広い学習意欲や、チーム内外との円滑な連携、品質を左右する気配りと論理的な設計判断が、日々の業務で強みとして活きていきます。
なお、現在異業種で働いている方でも心配はいりません。前職で培ったコミュニケーション能力や論理的思考は、そのままWebエンジニアの現場でも大いに役立ちます。
Webエンジニアになるための企業・職場環境の見極め方

「Webエンジニアはやめとけ」と言われる原因の多くは、職種そのものではなく働く環境に起因しています。希望する案件や技術に携われる機会があるか、努力が正当に評価される仕組みがあるか、労働時間や人間関係を会社として管理できる体制があるかどうかで、働きやすさは大きく変わるためです。
入社前・転職時にチェックすべき企業選びの観点を押さえて、自分に合った職場環境かどうかを見定めていきましょう。
チャンス・評価制度・現場管理体制を確認するポイント
企業選びでまず確認したいのは、チャンス・評価制度・現場管理体制の3点です。自社開発ならプロダクトの市場での伸びと求められる技術、SIerならWeb系案件の請負実績と強みの技術分野、SESならエンジニアの希望を尊重する体制や案件獲得の営業力など、業態ごとに希望の業務へ就けるチャンスを見定めていきましょう。
また、経験年数だけでなく自己研鑽や現場貢献を明確に評価する制度があるか、労働時間や人間関係といった現場の問題を会社として迅速に検知・是正できる体制が整っているかも、面接や会社説明会で必ず確認したいポイントです。
Web系自社開発企業とその他業態を比較して選ぶ観点
業態ごとの特性を踏まえたうえで、自分に合った職場を選ぶことも大切です。自社開発はプロダクトへの深いコミットや上流工程の経験を積みやすく、受託開発は多様な案件・技術に触れられ、SESは案件の選択肢が広い点が魅力となっています。
ブラック企業を避けるには、以下のチェック項目を参考にすると安心です。
- 口コミサイトでの評判や離職率を確認する
- 可能であれば職場見学を申し込み、実際の雰囲気を肌で感じる
- 面接で「残業時間の実績」「評価制度の基準」「現場社員との対話機会」を質問する
複数の視点から情報を集めることで、入社後のミスマッチを減らせます。
未経験からWebエンジニアを目指すときに押さえるべきポイント

「未経験でWebエンジニアはやめとけ」という声は確かに多く聞かれますが、正しい準備を重ねれば未経験からの転職は十分に実現できます。重要なのは、闇雲に学習を始めるのではなく、基礎力を証明できる資格を取得しながら体系的に知識を積み上げること、そして異業種で培ってきた自分の強みをキャリアに活かす視点を持つことです。
有効な学習戦略や資格、注意点を押さえて、確かな一歩を踏み出していきましょう。
未経験からの転職で役立つ資格と学習の進め方
未経験からの転職で役立つ代表的な資格は、以下の3つです。
- Webクリエイター能力認定試験
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
いずれも学習意欲や基礎知識を客観的にアピールできる材料となり、実務未経験という不利を補う武器になります。
学習を進める際は、まずITパスポートでIT全般の基礎を固め、次にWebクリエイター能力認定試験でHTML/CSSの実践スキルを身につけ、最後に基本情報技術者試験で技術的基礎力を体系的に証明していく流れがスムーズです。参考書と過去問を併用し、1日30分〜1時間の学習を継続していきましょう。
資格名 | 特徴 | 難易度の目安 | 転職での活用場面 |
|---|---|---|---|
Webクリエイター能力認定試験 | HTML/CSSの実践スキルを証明 | 低〜中 | フロントエンド志望の入門資格として |
ITパスポート | IT基礎・ビジネス知識を体系的に習得できる国家資格 | 低〜中 | IT業界への転職・基礎知識のアピールに |
基本情報技術者試験 | プログラミング・DB・ネットワーク等を網羅する国家資格 | 中 | 技術的基礎力の証明・上位資格への足がかりに |
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未経験者が陥りやすい失敗と自分の強みを活かす方法
未経験者が陥りやすい失敗として、「コーディングさえできればいい」という誤解があります。Webエンジニアは黙々とコードを書くだけの仕事ではなく、デザイナーやディレクターとの連携、クライアントへの技術説明、チーム内での問題解決といった場面で、コミュニケーション能力や論理的思考力が実務では欠かせません。この点はむしろチャンスともいえます。
営業・接客・事務など異業種で培った対人スキルや正確な事務処理力、段取り力は、そのままWebエンジニアの現場でも強みになるためです。自分の強みを軸に、活かせる役割からキャリアを設計していきましょう。
まとめ
「Webエンジニアはやめとけ」と言われる背景には、業務範囲の広さや激務、学習負荷、AIの普及への不安、年収や事業安定性への懸念など複数の理由があります。一方で、自由な働き方や高い市場需要、キャリアパスの広さ、市場価値の伸びしろといった魅力も備えた職種です。自分の向き不向きを見極め、企業選びの観点を押さえて行動すれば、未経験からでも活躍できる道は十分に開けていきます。
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