プラスチック工場での詳しい仕事内容とは？メリット・デメリットから給与まで徹底解説

プラスチック工場の主な仕事は、機械オペレーターや検査、梱包です。未経験者でも働ける点や、将来性がある点はメリットですが、材料を溶かしたり薬品を使ったりするため、労働環境が合わないこともあるでしょう。この記事を読んで、プラスチック工場勤務の概要やプラス面・マイナス面、給与相場を知り、自分に合っている仕事かを見極める参考にしてください。

プラスチック工場での基本的な作業工程

プラスチック工場では、日常で使われるさまざまなものを製造しています。具体的には、ペットボトルや、クリアファイル、ビニール袋、シャンプーやリンスなどの容器、洗面器、食品保存容器、テニスラケット、農業用ハウスのフィルム、車のバンパーや内装、冷蔵庫内のトレイ、洗濯機の洗濯槽など、家庭用品、業務用品、家電用品と多岐にわたります。下記では、プラスチック用品製造の作業工程を解説します。

充填

プラスチック製品の材料である樹脂を、型や機械に入れる工程です。着色が必要な場合は、充填作業の段階で調色を行います。顔料・塗料を樹脂と一緒に練り込み、色付けをします。

成形

充填された樹脂を固め、各製品へと形作るのが成形です。加熱して樹脂を溶かし、製品の形に固めます。成形方法には大きく分けて射出成形と、圧縮成形の二つがあります。射出成形は、溶かした樹脂を機械に入れ、射出機から金型に射出する方法です。バケツやコンテナ、CDなどは射出成形で製造されています。一方、圧縮成形は、たい焼きと同じような要領で、金型の中で樹脂を圧縮する方法です。ペットボトルのキャップや、皿などがこの方法で製造されます。

バリ取りと研磨

圧縮成形や射出成形で作られた製品の、型からはみ出た部分を取り除くのがバリ取りです。専用のブラシやカッターなどで行います。バリ取り後、表面をよりきれいにするため、研磨します。専用のブラシなどで行い、表面の細かい傷やデコボコを取り、滑らかにすることが目的です。

検査

規定検査項目に従い、不良品がないかチェックします。目視確認や、器具を使っての確認など検査方法はいくつかあります。チェック項目やチェック方法はマニュアルがあるため、初心者でも安心です。プラスチック製品だけではなく、工場で製造されたものは最後に必ず検査の工程を経て、出荷されます。

プラスチック工場での主な仕事内容

プラスチックの工場における仕事内容は、主に機械オペレーター、検査、梱包の三つです。下記で、仕事内容の詳細を解説します。

機械オペレーター

プラスチック工場では、機械オペレーターが、製品の成形を担います。プラスチック製造の要ともなる仕事です。機械や型に樹脂を充填し、機械を操作して製品を作ります。機械を操作するときには、製品が設定通りできあがっているかをチェックし、不良品があれば機械の設定を見直したり制御したりします。なぜ不良品が製造されてしまったか、原因をいち早く突き止めることが重要です。

検査

製品を規定のチェック項目に従い、検査する仕事です。確認方法は、目視しながらサンプルと比較したり、チェックリストの項目を見ていったり、機械や器具で寸法を確認したりと、さまざまです。検査の仕事には、素早さかつ正確さと慎重さが求められます。検査で不良品を見逃し出荷してしまうと、企業の信頼度に影響するからです。しかし、一つひとつの検査に時間はかけられませんので、ある程度スピーディーさも必要です。

梱包

梱包は、できあがった製品を箱詰めする仕事です。製品を丁寧に扱い、依頼された個数通りに梱包します。梱包後は、指定された場所に移動させることもあります。煩雑な作業はないため、初心者でも比較的やりやすい仕事でしょう。

プラスチック工場で働くメリット・デメリット

プラスチック工場で働くメリットは、未経験者でも応募しやすく、需要は増加傾向にあるため将来性があることなどです。半面、簡単な仕事が多く単調な作業になりがちであり、薬品などを使う関係で暑さや臭いに関して工場内の環境が過酷な場合もあります。下記項目では、プラスチック工場で働くメリット・デメリットをお伝えします。

プラスチック工場で働くメリット

未経験でもトライしやすい

プラスチック工場の仕事は、マニュアル化されているものが多く、初心者や未経験者、資格を持っていない方でも安心して働けます。求人専門サイトでプラスチック工場の仕事を探すと、初心者や未経験者を歓迎している求人情報をよく見かけるでしょう。また、検査や梱包などの軽作業もあるため、男性だけではなく女性も活躍できる仕事です。

求人数が豊富

求人情報が豊富なことも、プラスチック工場勤務のメリットです。プラスチック製品の需要の高さと相まって、全国で求人数が増加傾向にあります。雇用形態もさまざまで、アルバイトやパートだけではなく契約社員や正社員採用の求人情報もあります。

資格を取得すればキャリアアップが叶う可能性も

基本は無資格、未経験でも就職できる仕事ですが、働きながら資格を取得することでキャリアアップを目指せるでしょう。プラスチック製造に関わる資格は、国家資格であるプラスチック成形技能士（射出成形技能士）などがあります。3級～1級までが射出成形技能士、特級はプラスチック成形技能士と呼ばれます。試験では学科試験と、級によっては実務試験が課されます。資格手当が出る工場もあるので、給与面でもプラスとなるでしょう。

将来性がある

プラスチック製品の需要は増加傾向にあり、将来性が見込めるため、安定して働き続けられるでしょう。重たい金属からプラスチックへの代替が進み、プラスチック製品は広がりを見せています。また、新興国など外国での需要もあり、SDGsや持続可能な社会、環境への配慮として、廃プラスチックの再利用や、環境にやさしい生分解性プラスチック製造の取り組みが進められています。従って、プラスチック製品はさまざまな方面でのニーズが高いため、将来性があるといえるでしょう。

 プラスチック工場で働くデメリット

単純作業に物足りなさを感じやすい

プラスチック工場の仕事のほとんどは機械を使用するので、機械の使い方さえ覚えれば、あとは手順に従い作業をしていくだけです。製造業ではあるものの、作っている感覚があまりなく物足りなさを感じるかもしれません。また、未経験者でもできる仕事が多いため、単純作業になりがちです。同じ作業を繰り返す仕事が苦手な方は、物足りなさを覚えるでしょう。半面、仕事を覚えると淡々と仕事ができるので、一人で黙々と作業をするのが好きな方には向いています。

工場内の環境が過酷な場合も

プレスチック製品を製造する際には薬品を使用するため、臭いが気になるかもしれません。また、材料の樹脂を溶かす際に高熱を発するので、工場内では暑さを感じやすいでしょう。しかし、工場は従業員が作業しやすい環境づくりに努めており、脱臭装置や換気で対策をしているところがほとんどです。

プラスチック工場での勤務形態や目安給与額

プラスチック工場は昼夜の2交替勤務や、早番・昼番・遅番のような3交替勤務制を採り、24時間稼働させているところが多いです。また、正社員の給与相場は年収250万円～400万円程度で、アルバイトやパートの場合は時給1,000円前後です。下記で、プラスチック工場の勤務形態と給与相場について解説します。

プラスチック工場での勤務形態

プラスチック工場は、24時間稼働させるために、交替制のシフトを組んでいるところが多いです。勤務形態はさまざまで、昼夜の２交替制や、24時間を３回に区切り交替していく3交替制、日勤のみ、日勤と夜勤を週ごとに変えていく4勤2休などがあります。雇用形態は、正社員・契約社員・アルバイト・パートがメインです。

プラスチック工場の目安給与額

プラスチック工場勤務における給与の目安は、正社員は年収250万円～400万円程度、派遣社員は時給1,000円～1,300円程度、アルバイトやパートは1,000円程度です。資格手当を採用している工場もあり、資格を取得すれば5,000円～10,000円ほど毎月の給与に上乗せされるでしょう。

プラスチック工場で働くのに向いている人の特徴

プラスチック工場での仕事に向いている人は、ものづくりに興味がある方や、機械操作が好きな方、集中力がある方などです。下記で、プラスチック工場の仕事に向いている人の特徴と、向いている理由をお伝えします。

ものづくりに興味がある、もしくは好きな人

プラスチック工場勤務は、ものづくりに興味がある人や、ものづくりが好きな人に向いています。プラスチック工場のメインの仕事内容は、製品の製造だからです。日々ものづくりに携われるため、熱意をもって仕事ができるでしょう。

機械にふれるのが好きな人

機械操作や、機械にふれるのが好きな人もプラスチック工場の仕事に向いています。プラスチック工場では、機械オペレーターと呼ばれる人が、工場内のメインである製造の仕事を担っています。つまり、プラスチック工場の仕事の多くは機械操作が伴うため、機械にふれるのが好きな方は楽しく働けるでしょう。

集中力がある人

プラスチック工場の仕事内容は、集中力が必要なものが多いです。機械操作や検査、梱包など、ミスがないよう、黙々と一人で作業を進めるのには、集中力を使うからです。同じ作業を続けていると、注意力散漫になりがちです。しかし、単調作業でも、目の前の作業に集中して取り組める人は、向いているでしょう。

まとめ

プラスチックの製造は、大きく分けると充填・成形・検査・梱包の四つの工程で進められます。プラスチック工場の仕事内容としては、充填と成形にあたる機械オペレーターをメインとして、検査・梱包などが多いです。プラスチック工場勤務のメリットは、資格がなくても就職できることや、未経験者でも働けること、将来性が見込めるため安定した仕事が得られることなどです。一方、デメリットは、材料を溶かしたり薬品を使用したりするので、工場内の温度や臭いが合わないことがある点です。ものづくりや機械操作が好きな人、集中力がある人はプラスチック工場の勤務に向いているので、ぜひチャレンジしてみてください。