機械オペレーターはやめとけ?きつい理由や将来性を紹介!

現場で機械の操作や管理を行う「機械オペレーター」。一見難しそうですが、実は未経験でもチャレンジできるうえ、ステップアップも目指せるとても魅力的な仕事です。
ただインターネット上では「やめとけ」という意見もあり、目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、機械オペレーターの仕事内容やきつい理由、給与相場、仕事の将来性について詳しく解説します。また、機械オペレーターに向いている人の特徴もご紹介するので、気になっている方はぜひ最後まで読んでください。
機械オペレーターとは?
機械オペレーターとは、現場で機械の操作や管理を行う仕事です。製品の加工や食品のラッピング・リフトを使ってコンテナを運搬・プログラミングを通して旋盤を操作し図面通りに仕上げていくものなど、現場や業種によってさまざまな業務内容があります。
知識や経験を持っている職人が求められることもありますが「未経験でもOK」としている求人も多いです。最初は機械にセットするだけの単調な作業からはじめて、レベルが上がっていくにつれて機械の整備や管理などの業務を任されるようになります。
とはいえ、技術や経験、必要な知識や資格を保有している場合は有利に働くので、妊娠や育児で職場を離れるのが心配な女性も安心して働くことが可能です。
機械オペレーターの種類
機械オペレーターは「機械を操作する人」という意味ですが、実際の業務内容は使用する機械の種類や勤務する現場によってさまざまです。以下では、代表的な機械オペレーターの職業について解説します。
プレス加工機械オペレーター
プレス加工機械オペレーターは、プレス機械を用いて金属を切ったり伸ばしたりし、特定の形に加工する仕事です。自動車やパソコンの部品、医療機器など幅広い分野の現場で活躍できるのが特徴です。金属の形を変えられるほどの強い力なので、誤った扱い方や機械不全などにより、けがや死亡のリスクが高い職業です。普段の業務から集中して行うことが求められます。
ラッピング加工機械オペレーター
ラッピング加工機械オペレーターは、機械を操作して食品や印刷物を包装する仕事です。おにぎりや弁当のような食料品を扱う現場の場合、特に厳しく衛生面をチェックされるのが特徴です。流れ作業が正確でなかったり、機械の設定などを把握することができないと業務が難しいでしょう。地道なスキルの習得が求められます。
建材の切断機械オペレーター
建材の切断機械オペレーターは、断熱材や木材、合成板などの建材を切断する仕事になります。現場によって切断するものは異なりますが、それぞれの加工内容によって適切に機械を使い分ける必要があります。建材を切断する業務なので、細かい粉塵が飛散する環境で働くことになります。もともと肺が弱く喘息気味な方や、ほこりによりアレルギー的な症状が出てしまう方にはおすすめできません。また、清潔な現場で働きたいと考えている方にとってもあまり向いていないでしょう。
NC旋盤機械オペレーター
NC旋盤機械オペレーターは、コンピューターにプログラミング言語を打ち込み、プログラムされた通りに旋盤加工を行う仕事です。手作業で行う他の機械オペレーターとは異なり、プログラムによって製品を作るのが特徴です。プログラムミスに気づかないまま製品を大量に作ってしまうと、大きな損失が生じてしまうため注意です。上記3つとは異なり、プログラミング言語の知識が必須になるのはデメリットかもしれません。
機械オペレーターはきつい?
タイトルにもある通り、機械オペレーターをきついという人は多くいます。理由はいくつか考えられますが、主に以下の3つが挙げられます。
1. 身体的な負担
機械オペレーターの仕事は、立ちっぱなしでの作業や重いものを運ぶ作業が多く、身体に大きな負担がかかります。また、工場によっては、騒音や熱気、粉塵が舞う環境での作業となり、体調を崩しやすいという側面もあります。
- 単調な作業の繰り返し: 同じ動作を長時間繰り返すため、疲労が蓄積しやすいです。
- 重労働: 部品や材料の運搬など、力仕事が求められる場合があります。
- 過酷な環境: 騒音や高温、粉塵など、作業環境が厳しい場合があります。
2. 精神的な負担
機械の操作を誤ると、製品の不良や機械の故障につながるため、常に集中力と緊張感を保つ必要があります。また、生産目標の達成を求められるプレッシャーも精神的な負担になります。
- 常に集中力が求められる: 少しのミスが大きな問題につながるため、気が抜けません。
- 責任が重い: 高価な機械を操作したり、大量な生産活動に携わるため、責任感が求められます。
- 納期や目標へのプレッシャー: 生産計画通りに作業を進める必要があり、プレッシャーを感じることがあります。
3. 不規則な勤務体系
24時間稼働している工場では、夜勤やシフト制勤務が一般的です。生活リズムが不規則になりやすく、体調管理が難しくなることもあります。
- 夜勤や交代勤務: 昼夜逆転の生活になることがあり、慣れるまで時間がかかります。
- 休日が不定期: 工場はその性質上24時間365日運転し続けるため、土日休みではない場合が多く、友人や家族と休みを合わせにくいことがあります。
これらの理由から、機械オペレーターは「きつい」と感じる人が多いようです。
しかし、これらの「きつい」面がある一方で、身につけたスキルは専門性が高く、安定したものであることは間違いありません。
逆に得意な人からすれば上記のきつさも苦にならず業務できるかもしれません。
機械オペレーターに向いている人・向いていない人
機械オペレーターは未経験からでも始められる魅力的な職業ですが、上記の理由などからどうしても合わずに辞めてしまう人も一定数存在します。
では、逆にどのような人が機械オペレーターに向いているのかをご紹介します。
根本的にモノづくりが好き
機械オペレーターは、根本的にモノづくりが好きな方に向いている仕事です。1から自分の手でモノづくりすること、街中で自分の作った製品の活躍を見ることに楽しさや喜びを覚える人には向いているでしょう。
体力がある、身体を動かすのが好き
機械オペレーターの業務は立ちっぱなしでの作業や、大なり小なり部品の運搬など、体力が必要な場面も多く存在します。そのため、体を動かすことが苦にならない人や、体力に自信がある人にも向いています。
集中力があり、地道な作業が得意
機械オペレーターの仕事は、同じ作業を長時間繰り返すことが多く、高い集中力が求められます。単調な作業でも飽きずに、コツコツと正確に作業を続けられる人が向いています。
機械オペレーターの年収
一口に機械オペレーターの年収といっても、ジャンルや役職によって大きく幅があります。同年代であっても派遣社員なのか正社員なのかによっても違いますし、アルバイトでもできるような仕事から職人レベルが求められる仕事まで、業務内容も多岐にわたります。
プレス加工機械オペレーターの年収
プレス加工機械オペレーターの20代から40代の平均月給は約30万です(参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(平成27年6月))。年収にすると、おおよそ300万前後が相場になります。決して給料が高いというわけではありませんが、ニーズ自体がなくなることはないので、30代以上や未経験でも十分に就職のチャンスはあります。また、正社員として実務経験を積んでいくと、管理職として昇給を狙うことも可能です。
ラッピング機械オペレーターの年収
ラッピング機械オペレーターの年収もプレス加工機械オペレーターと同じく年収300万前後が相場です。ただし、ラッピング加工といっても、食品や雑誌など幅広い種類の機械が導入されているので、過去の経験が役立つことが少ないので注意が必要です。
建材の切断機械オペレーターの年収
建材の切断機械オペレーターの年収は約300万円前後が相場となります。その他機械オペレーターと同様に高い年収とは言えませんが、会社によっては家賃補助や格安の寮を提供しているなど、福利厚生が整っている場合もあるので、給与について不安な方は一度調べてみましょう。
NC旋盤加工機械オペレーターの年収
NC旋盤加工機械オペレーターの場合、担当する業務の内容によっても収入にばらつきがあります。既存データをもとに機械を操作する場合は、他の機械オペレーターと同じく年収300万円前後が相場です。しかし、一からプログラムできる優秀な人材であれば、年収400万円以上も十分に目指せます。
機械オペレーターに必要なスキル・資格
機械オペレーターには、いくつか国家資格が存在しており、それを保有していなければ業務につけないものもあります。よりレベルの高い資格を保有していることで、企業から求められる人材になることも可能です。以下では、機械オペレーターにおける代表的な国家資格を3つご紹介します。
資格名 | 概要 | 試験内容 | 費用 | メリット |
---|---|---|---|---|
フォークリフト運転技能講習修了証 | 主に1t以上の資材の運搬に使用される、フォークリフトを運転するのに必要な資格。 | 学科試験と実技試験に分かれる。 現在所有している自動車運転免許や実務経験の有無によってコースは異なり、コースごとに必要となる時間も11時間・15時間・31時間・35時間とさまざま。 | 自動車運転免許の取得状況によって異なる。約20,000〜40,000円の費用。 | フォークリフト関連の仕事は資格を持っている人でないとできないので、資格を持っているだけでも有利になる。 |
機械加工技能士 | 技能検定制度の一種。 合格することによって切削や研削などで金属を加工する技術があると認められる。 | 3級から特級までの4段階で、2級以上の試験には実務経験が必要。学科試験と実技試験に分かれ、実技試験は普通旋盤作業やフライス旋盤作業など、複数ある科目のうちから選択して受験する。 | 都道府県によって異なる。学科試験3,100円、実技試験18,200円。 | レベルが上がっていくにつれて、知識だけでなく実務経験も求められてくるため、資格を保有していることが知識と実務を兼ね備えていることの証明になる。 |
建設機械施工技士 | 国土交通省が管轄する施工管理系の国家資格の一種。 この試験に合格することによって、ブルドーザーやトラッククレーンなどの建設機械を用いた現場において、監督や主任技術者として業務に携わることを認められる。 | 2級と1級の2種類があり、それぞれに学科試験と実地試験がある。 学科試験は「土木工学」の共通問題と「建設機械、建設機械施工法」に関連する種別問題の6つの項目に分かれて出題され、実地試験では、建設機械の操作を試験官に見てもらう。 | 学科試験と実地試験のそれぞれに費用がかかる。2級の学科試験には10,100円、実地試験には21,600円が必要。1級は学科試験に10,100円、実地試験に27,800円。 | 建設工事の営業所には、この資格を保有している人が勤務していなければならないと法律で定められている。よりレベルの高い資格を取ることができれば、複数の営業所から必要とされる。 |
機械オペレーターの将来性
機械オペレーターは不況に強いため、将来性の強い職業といえます。一般的に、インフラや食料品のような日常生活においてなくてはならないもの、定期的に購入し直さなければならないものなどは、不況に強いとされています。機械オペレーターならば、不景気でも利益を上げ続ける業界ともつながっておけます。
また、不景気になると、企業は新人を雇って育てることが難しくなるので、即戦力を求める傾向にあります。機械オペレーターとして実務経験を積んでおくことで、さまざまな企業から求められるような人材になることが可能です。
まとめ
本記事では機械オペレーターの概要や詳しい仕事内容、関連する資格について解説しました。機械オペレーターは未経験からでも始められる仕事です。さらに、さまざまな国家資格が存在しており、自分のやる気次第でいくらでもステップアップできます。
もし少しでも興味を持った方は、ぜひ一度求人を探してみてください。機械オペレーターの求人は「工場求人ワールド」でチェックできます。