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生産技術は負け組ではない!仕事内容と将来性・勝ち組である理由6つ

「日本のモノづくりは世界一」とは、聞いたことがある人も多いフレーズだと思います。戦後の日本の復興と経済発展を支えてきた生産技術は、メイド・イン・ジャパンというブランドを確立し、国内のみならず、世界の人々に役に立つモノをつくり続けてきました。 この記事では、生産技術とはどんな仕事かというイメージに対し、実情を具体的に紐解き、生産技術の将来性についてもご紹介します。生産技術について興味がある人や、ぼんやりとしたイメージはあるけれど、詳しくないという方に役立つ情報を紹介します。

目次

生産技術の仕事内容とは



そもそも生産技術とは、企業の生産現場や工場にて、原料や材料から製品を製造するための一連の流れである生産ラインの管理・設計を行う仕事です。できるだけ短く、低コストかつ高品質な生産体制を作ることが求められます。そのため、技術の進歩とともに効率的な生産ラインの開発は随時必要になってきます。最近では、工場内の工程の自動化を取り組む企業が増えており、より複雑で高度な工程のロボット化が進んでいます。
そのほか予算の確保、設備の導入に向けた調整、現場での扱う機械の理解、現場のマネジメントなど、仕事内容は多岐にわたります。


生産技術が負け組と言われる理由4つ



「生産技術」とネットで検索すると、第二検索ワードに「きつい」「負け組」という言葉が出てきます。ドラマなどで、経営難に見舞われ、首がまわらないというような工場の描写を目にしたこともあるでしょう。なぜ、生産技術という職業にそういったイメージを持ってしまうのか、3つの理由を紹介します。
 

キツイ・臭い・汚いという工場勤務のイメージがある

まず第一に、生産技術の仕事現場は工場が多いです。工場で働くイメージとして、「キツイ」「臭い」「汚い」というネガティブなイメージをもたれているようです。どんな製品を作っているかによって環境は違いますが、重量物を扱ったり、単純作業の繰り返しだったりと物理的なキツさや、製造工程で出る排気ガス、物質を燃焼させるときに出る臭い、機械に使うで油で手が汚れるなど、実際避けられないものもあります。また、扱う機械によっては危険な装置に対応する必要もあり、ケガや健康被害へのリスクの可能性があります。
ただし企業には、労働者や作業従事者の安全や健康を守る義務があります。そのため労災防止のため、労働安全衛生法で定められたものに加え、各企業独自に工夫を凝らした研修や社員教育を行っているので、あくまでもイメージにすぎません。
 

生産装置が思い通りに動かずキツイときがある

生産ラインで機械を扱う限り、頭を悩まされるのが機械トラブル問題です。製造スケジュールが乱れ、人件費や不良品の発生など無駄なコストが増え、企業に大きな打撃を与えてしまいます。場合によっては残業や休日出勤が増え、スムーズに業務が進まず、辛いと感じることもあるでしょう。
しかし、トラブルを解消できたときには、逆に大きな達成感を得られ、自身の学びにも繋がるでしょう。
 

工場勤務に対する偏見がある

工場勤務は単純作業も多いことから、誰でもできる仕事だと思われがちです。実際、未経験の人でも日雇い作業として働くこともできる部分的な仕事もあります。また工場は場所的に、郊外や地方にあるケースが多いので、華やかな都市で働きたい方にとっては、地味だと思われるかもしれません。
 
実際のところ、工場での仕事は専門性が高く、技術・知識がなければできないことも多い仕事です。大学や大学院を卒業した方が働くケースもあり、誰でもできる仕事であるというのは誤ったイメージです。また、出勤や退勤の際、公共交通機関や道路が混んだりしないことを考えると、魅力的ともといえるでしょう。
 

出世が難しい職業だとされている

一度生産技術の仕事に就くと、設計や研究所などの他の部門へ移る可能性は低く、他部署へ異動し、様々な経験を積むことは難しいと誤解されていることも多いようです。しかし、実際のところは出世しやすい職種です。製造業の経営者には生産技術出身者が多いとされています。現場を知っているからこそ、安定した経営ができると考えられるのです。
 
また、コストカットや生産性を上げるのは、難しい反面、結果を出しやすく、評価を受けやすい分野といえます。裏を返せば、生産技術を担う人材を異動させると生産性が落ちるため、上層部からすると、異動をさせたくない人材と捉えている可能性もあります。それだけ、生産技術はなくてはならない仕事であり、重要な職業なのです。
 
もちろん、製造業の経営者に出世したいなら、市場のニーズを汲み、設計を行う技術が不可欠ですし、そのための努力は必要です。また、大手企業に転職して出世を狙いたいという方も、生産技術で積んだキャリアは、転職活動をする際のアピールポイントにもなるので、決して出世が難しい職業ではありません。


生産技術が勝ち組である理由6つ



ここまで、生産技術が「負け組」だと思われているのは、あくまでもイメージによるものだと説明しましたが、イメージが強いことから、生産技術はむしろ「勝ち組」だということを多くの人が気づいていないかもしれません。次に「勝ち組」の理由を紹介します。
 

生産技術は年収が高い傾向にある

求人情報サイトを見ると、生産技術は年収500万円以上の求人や、年収800万円の募集があります。
 
もちろんスキルや経験、年齢によっても変わってきます。しかし、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」の「第5表 産業、性、年齢階級別賃金及び対前年増減率」によると、製造業の平均賃金は30万1500円です。計算をすると、年収は361万8000円となり、製造業の平均年収301万5000円より高い職業だといえます。
 

ものづくりの醍醐味を経験できる

生産技術は生産ラインを通して、工場全体の製造のプロセスに携わります。
工場では、常にできるだけコストを抑えることが求められるので、どうすれば効率的に生産できるか、技術の進歩とともに、常に可能性を探っていく必要があります。それは、まさにものづくりの醍醐味であり、自分のスキルアップにも繋っていく貴重な経験です。
 

海外で活躍する可能性がある

生産技術は国内だけでなく、海外でも活躍できる仕事です。海外に工場を持っている企業であれば、将来的に海外赴任を任せられるようになり、海外の現地スタッフと交流しながら業務を行うチャンスがあります。仕事内容だけでなく、海外の文化や価値観などを知っていくことで成長が期待できます。そのためにも語学力を磨いておくと、のちのち自分のスキルアップにもつながるでしょう。
 

多くのスキルを得られる

生産技術の業務範囲は広く、多くの知識や技術が求められます。どんな企業に入って、何を担当するかの生産ラインにもよりますが、さまざまなスキルを磨ける場所です。例えば、自社製品に対する知識はもちろんですが、他者の製品にまつわる知識も知っておきたいものです。また加工から出荷までの生産プロセス、安全性や環境へ配慮するための知識、工場の管理や運営の知識、効率化やコスト削減の知識、CAD(Computer Aided Design コンピュータ支援設計の略)などを使用した設計スキルなど、学ぼうとする姿勢があればいくらでも学べるし、多くのスキルを得られます。
 

人とのつながりを感じられる

また、工場は1人で運営できるものではないので、さまざまな部署の担当者と交流する機会があります。それぞれの担当者とコミュニケーションを取りながら、円滑に業務を進めていく必要があります。生産ラインをスムーズに動かすためには、多くの人々と協力しなければならないので、そこで得る成功体験はかけがえのないものになるでしょう。また海外スタッフと交流するようになれば、さらに人脈が広がります。
 

現場から感謝される仕事である

現場から感謝されるという点も、勝ち組の理由です。
生産技術は現場を任され、責任のある立場になるほど製造現場と会社の板挟みになり、苦労することもあるかもしれません。しかし、自身が携ったプロジェクトで業務が改善されたり、製品の品質が向上したりしたときの達成感はひとしおでしょう。生産性が上がると会社の利益に貢献できるため、現場からも感謝されます。


生産技術の将来性とは



生産技術にはネガティブなイメージがありますが、実際はやりがいが大きく、職場環境も悪くありません。また、生産技術には将来的にも需要があります。具体的にどのような需要があるか、ここに紹介します。
 

生産技術は今後も需要がある

製品を効率良く、できるだけ低コストで高いクオリティで生産する技術は、生産技術に求められる永遠のテーマです。しかし、生産技術の雇用は売り手市場であり、製造現場は充分な人材を確保できていない人手不足が続いています。生産技術に限らず、少子高齢化の問題はどの業界もありますし、若者の理系離れや最初に紹介したように工場勤務への抵抗感やネガティブなイメージは拭いきれません。
 
しかし、人手不足の中でも生産を止めることはできません。また業界内の競争は激しくなり、海外メーカーが日本の製品を真似て、価格を大幅に下げた商品を作る現状が続いています。このような状況を打破するためには、試行錯誤が必要であり、その担い手を求めています。
 

AI技術は追い風になる

最近では、生産技術の現場でもAI(人工知能)やロボットの導入は進んでいます。実際、AIのおかげで生産現場の効率が上がる可能性は高いです。
 
世間一般では「AIに仕事を取られる」と、煽るようなフレーズも聞くこともあるかもしれませんが、完全にAIに取って代わられることはしばらくないでしょう。まだまだ人間にしかできない感覚的な細かい作業が存在します。AIで作業を効率化しながら、人間の感性に依存するデザインや職人技の継承に時間をかけるなど、AI技術の取り入れ方次第では仕事が淘汰されるどころか、非常に役立ちます。AIと人間、お互いの強みと弱みを補い合っていけば、AI技術は追い風になるのです。


 まとめ



生産技術がいかにネガティブなイメージを持たれているか、決して生産技術が負け組などではなく、むしろ年収が高く、ものづくりの醍醐味を経験でき、多くのスキルを得られる、将来性のある仕事であることを紹介しました。
また、生産技術の仕事は何より人々の生活を支える仕事です。生産技術の仕事があり、工場が稼働してくれるおかげで、私達の生活に欠かせない製品が日常に流通するのです。ライフラインの基盤を作る担い手として、誇りを持ち働ける職業です。生産技術に興味を持っている人はイメージに惑わされず、チャレンジしてみてください。


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