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機械保全技能士の検定の合格率は?資格取得のメリットや試験の内容も紹介!

機械保全は、ものづくりを支える重要な仕事です。
機械保全の知識や技術を証明する資格に、機械保全技能士があります。
工場で機械設備に関わる仕事をしようと思っている人の中には、資格を取った方がいいのか迷っているという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、機械保全技能士がどういう資格なのか、試験の合格基準や合格率、資格を取得するメリットについてまとめました。
機械保全技能士に向いている人についても紹介しますので是非参考にしてください。

目次

機械保全技能士とは


工場の機械設備を正常に稼働させるために欠かせない仕事を機械保全といいます。
機械設備の安全な稼働はもちろん、故障や劣化を予防するのも重要な仕事です。
設備のメンテナンス計画を作成したり、メンテナンス方法を決めたりするほか、異常の発見や修理なども行います。

機械保全には、機械や電気回路に関する知識や技能が求められます。
その知識や技能を、第三者が公平に判断するための資格が機械保全技能士です。
職業能力開発促進法に基づく指定機関である、日本プラントメンテナンス協会が、業務委託を受けて運営している国家資格です。

機械保全技能士は、機械保全技能検定に合格することで名乗れるようになります。

機械保全技能士の等級

機械保全技能士は、3級・2級・1級・特級に分類されており、等級によって想定される対象も変わります。

等級

想定される対象者

取得目的の傾向

3級

学生や新入社員

教育成果を確認するため

2級

新入社員から中堅社員

教育成果の確認や評価に利用するため

1級

製造・保全部門のリーダー

技術評価を確認するために利用するため

特級

管理職

保全分野の監督者としての技術評価のため


機械保全技能士の資格を取るには


機械保全技能士の資格を取るために、まずは資格の詳細を確認しておきましょう。

受検資格

機械保全技能士の受検資格は、3級以外は実務経験が必要になります。

2級で2年以上、1級で7年以上の実務経験が必要です。
特級の場合は1級に合格してから5年以上の実務経験が必要なので、機械保全に関する仕事についてから12年以上の実務経験が必要ということになります。

受検資格に必要な実務経験は、学歴や職業訓練受講歴によって短縮される場合もあります。

等級

必要な実務経験

3級

なし

2級

2年以上の実務経験

1級

7年以上の実務経験

特級

1級に合格してから5年以上の実務経験


受検料

受検料は、等級に関わらず一律です。
学科試験と実技試験を両方受ける場合で19,400円、学科試験のみで4,000円、実技試験のみだと15,400円となります。

受検区分

受検料(非課税)

学科試験と実技試験両方を受検

19,400円

学科試験のみ受検

4,000円

実技試験のみ受検

15,400円


日程

機械保全技能士の試験は、3級が6~8月頃、3級以外が12~2月頃に行われます。
詳細な日程は、3月と9月に日本プラントメンテナンス協会のホームページに掲載されます。
実技試験問題に関しては、日本プラントメンテナンス協会のホームページで確認できるほか、受検者に送付されるので、申し込み後はこちらも確認しておきましょう。

参考:日本プラントメンテナンス協会

試験内容

学科試験では、等級に関わらずマークシート方式になっています。
3級・2級1級には、共通科目と選択科目があるので確認しておきましょう。

等級

共通科目

選択科目

試験時間

3級

機械一般

電気一般

機械保全法一般

材料一般

安全衛生

・ 機械系保全法

・ 電気系保全法

上記のいずれか

60分

2級

機械一般

電気一般

機械保全法一般

材料一般

安全衛生

・ 機械系保全法

・ 電気系保全法

・ 設備診断法

上記のいずれか

100分

1級

機械一般

電気一般

機械保全法一般

材料一般

安全衛生

・ 機械系保全法

・ 電気系保全法

・ 設備診断法

上記のいずれか

100分

特級

工程管理

作業管理

品質管理

原価管理

安全衛生管理及び環境の保全

作業指導

設備管理

機械保全に関する現場技術

120分


実技試験では、作業ごとに試験を実施します。
等級別の試験内容は以下の通りです。

等級

試験内容と試験時間

3級

機械系保全作業(70分)

電気系保全作業(110分)

2級

機械系保全作業(80分)

電気系保全作業(110分)

設備診断作業(80分)

1級

機械系保全作業(80分)

電気系保全作業(110分)

設備診断作業(100分)

特級

計画立案等作業試験(150分)


合格基準と合格率

合格基準は、学科試験は加点法で、100点を満点として65点以上が合格です。
実技試験では減点法となり、41点以上減点がなければ合格となります。

2019年度の合格率は、以下の通りです。

等級

合格率

3級

71.0%

2級

30.9%

1級

21.6%

特級

17.6%

上の級に行くほど合格率が下がり、難易度が高くなっていることがわかります。

勉強方法

日本プラントメンテナンス協会のホームページでは、機械保全技能士の過去の試験問題とその解答を確認することができます。
過去の試験問題に取り組み、間違えた個所を繰り返し解きなおすと良いでしょう。
市販でテキストも販売しているので、受検する等級のテキストを購入して勉強するのもおすすめです。

参考:日本プラントメンテナンス協会

機械保全技能士の資格を取得するメリット


機械保全の仕事は資格がなくてもできますが、なぜ資格を取る必要があるのでしょうか。
機械保全技能士の資格を取得するメリットを紹介します。

幅広い知識を習得できる

資格を取得するために勉強することで、それに見合った知識や技能が身に付きます。
仕事をする中で身に付くスキルもありますが、試験のために集中して学ぶことで、短期間でよりレベルの高い知識や技能を習得できるでしょう。

試験勉強の中で、自分に足りないものや勉強が必要な部分が明確になるので、効率の良いスキルアップが可能です。
資格の取得が自分の成長を確かめることにもなるので、モチベーションの維持にも役立ちます。

就職が有利になる

機械保全技能士の資格があれば、自分の現在の実力を証明できます。
機械保全の仕事自体は資格がなくてもできますが、就職や転職には有利です。
企業側からすると、資格の保有者がいることで機械保全のレベルが上がり、信頼性も高まるという利点があるため、有資格者を優先して採用する傾向があります。

また無資格で働く人に比べても、昇給や昇進がしやすいでしょう。
企業によっては、資格手当がつくケースもあります。
自分の知識や技能を証明して、第三者が公平に実力を評価できるというのは、資格を取得する大きなメリットといえるでしょう。

機械保全技能士が活躍する仕事


機械保全技能士は、工場の機械設備のメンテナンスを行うので、主に活躍するのは製造業の現場です。
特にライン生産の工場では、設備が故障することでライン全体の作業が滞り、大きな損害に繋がります。
不具合に対して迅速に対応することも大切ですが、機械・設備に不具合が起こらないように未然に防ぐことも大切です。

昨今多くの業種で機械化が進み、将来的に仕事の需要が減るのではないかと心配する声もありますが、機械保全に関しては、機械化で仕事がなくなるという心配はないでしょう。

機械化が進んでも、最終的に点検して修理するのは人間です。
機械保全技能士の仕事は、機械化が進むほど需要が高くなる将来性ある仕事だと言えます。

【関連記事】設備保全業務の内容とは|向いている人・きつい点・必要なスキルを紹介

機械保全技能士に向いている人


機械保全技能士は、どのような人に向いているのでしょうか。
ここでは、機械保全技能士に向いている人の特徴を見ていきましょう。

細かい作業が好きな人

機械保全の仕事は、機械好きな人はもちろんですが、細かい作業が好きな人に向いているでしょう。
機械設備では、細かい部品を扱うことも多く、精密な作業が必要なケースもあります。

華やかな仕事ではありませんが、日々コツコツ作業を積み重ねる忍耐強さも必要です。
機械設備のちょっとした変化にも気が付く、細やかさがある人にも向いているといえます。

コミュニケーション能力がある人

機械保全の仕事では、生産部門や機械メーカーとの打ち合わせを行うこともあります。
円滑に作業を進めるためにも、適度にコミュニケーションを取って連携することが大切です。

修理やメンテナンスの知識や技術も大事ですが、コミュニケーション能力がある人の方が円滑に作業を進められます。
コミュニケーション能力とともに、どのようなトラブルにも臨機応変に対応できる柔軟さも必要です。

まとめ


機械保全は、工場の生産ラインを支える重要な仕事です。
さまざまな職種で機械化が進む中で、機械保全技能士の需要はますます増えるでしょう。
無資格でできる仕事もありますが、キャリアアップや昇給を目指すのであれば、資格を取って知識や技術を高める努力も必要です。
今回紹介した機械保全技能士のメリットや向いている人の特徴なども参考にして、資格の取得を検討してくださいね。

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