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半導体とは?定義や仕組みをわかりやすく解説!3つの役割や日常生活での使用例も紹介

「半導体」という言葉を耳にすることは多いですが、具体的な内容や役割について知っている人はあまりいないでしょう。半導体は現代のテクノロジーに欠かせない存在であり、その種類と性質を理解することは、テクノロジーに対する理解を深める第一歩となります。

 

本記事では、半導体の基本的な特徴から、日常生活での活用例に至るまで、わかりやすく徹底的に解説します。今後の活用が期待される半導体について、この記事を通して広く理解しましょう。


目次

半導体とは?定義や仕組みをわかりやすく解説!



半導体とは、電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ物質です。代表的な半導体材料はシリコンです。

半導体の定義

半導体の定義は、大きく2つあります。

まず、物理的な定義は、電気伝導性の良い金属などの導体と電気抵抗率の大きい絶縁体の中間的な抵抗率を持つ材料・デバイスであることです。
具体的には、こういった性質を持つ物質(シリコン、ゲルマニウムなど)や、それらの物質で作られたトランジスタ、ダイオード、集積回路(IC)などの素子を指します。

次に、機能的な定義は、電気信号の増幅や切り替え、記憶、発光などの機能を実現することができる物質であることです。
具体的には、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の中間の電気伝導性を持つ物質や、不純物の添加や熱・光などの影響で、電気伝導性が変化する性質を持っていることになります。
 

半導体の仕組み

半導体は、シリコンなどの原子で構成されています。シリコン原子は、4つの価電子を持ち、周りの4つのシリコン原子と共有結合を形成して、結晶構造を作ります。

半導体に微量の不純物を添加することで、電気的な性質を変化させることができます。

  • N型半導体: リンなどの5価元素を添加すると、余分な電子が自由に動き回り、電流を流しやすくなる
  • P型半導体: ホウ素などの3価元素を添加すると、電子が不足し、正孔と呼ばれる電子の穴が自由に動き回り、電流を流しやすくなる

N型半導体とP型半導体を接合すると、PN接合と呼ばれる界面が形成されます。この界面には、電位差が生じ、電流が一方方向にのみ流れるようになります。これが、ダイオードの基本的な仕組みです。


半導体は主に2種類に分けられる



半導体は主に以下の2種類です。

  • ディスクリート半導体
  • IC(集積回路)

ディスクリート半導体とは、1つの機能だけを持つ半導体素子のことを指します。
 
1つの機能に特化しているので、構造がシンプルで理解しやすく、さまざまな用途に使用でき汎用性が高い点が特徴です。また、集積回路(IC)に比べて製造コストが低いです。
 
一方でIC(集積回路)は、1つの半導体基板の上にトランジスタ、抵抗、コンデンサなどの機能を持つ素子を多数作り、まとめた電子部品です。多くの素子を1つの基板に集積することで大幅に小型化されており、高速処理や低消費電力など、さまざまな性能が向上しています。
 
なお、半導体の種類については以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせてお読みください。
内部リンク:KW「半導体 種類」


半導体の主な3つの役割



半導体の主な役割は以下の3つです。

  • 電気エネルギーを光に変換する
  • 光を電気エネルギーに変換する
  • 電流の流れをコントロールする

 

電気エネルギーを光に変換する

半導体は、電気のエネルギーを光に変換することが可能です。これは、半導体に電流を流すと電子が持つエネルギーを光として放出するという現象を利用しています。

このように、電気エネルギーを光に変換する半導体素子を光発光ダイオード(LED)と呼びます。LEDは、電子が持つエネルギーの大きさや種類によって、放出される光の色や強さが変わるのが特徴です。
 
そのほか、電圧をかけるとレーザー光を発するレーザーダイオードや太陽光エネルギーを電気に変換する太陽光発電、有機ELディスプレイなどもあります。
 

光を電気エネルギーに変換する

反対に、光のエネルギーを電気に変換することも可能です。これは、半導体に光を当てると電子が光のエネルギーを受け取って電流を流すという現象を利用しています。

このように、光のエネルギーを電気に変換する半導体素子を光検出器と呼びます。光検出器の一種として、太陽電池があります。太陽電池は、太陽光という光のエネルギーを電気に変換して電力として利用可能です。
 
そのほか、境浄化やエネルギー貯蔵などに利用されている、光エネルギーを利用して化学反応を促進する光触媒でも使われています。
 

電流の流れをコントロールする

また、半導体は導体と絶縁体の中間の性質を持った物質なので、使い方によって電気を通したり通さなかったり、コントロールすることができます。

具体的には、整流や逆流防止などに使用されるダイオードや、増幅やスイッチングなどに使用されているトランジスタです。ほかにも、高電圧・大電流を制御するサイリスタ、高効率で電力制御を行うパワーMOSFET、高電圧・大電流を制御するIGBTなどで使用されています。


日常生活における半導体の使用例



ここからは、日常生活で半導体がどのように使用されているのか、具体例を紹介していきます。
 

電化製品

私たちの日常生活における電化製品の多くは、半導体技術によって動いています。テレビ、冷蔵庫、エアコンなど、家庭で使用されるさまざまな製品が半導体によって制御されており、製品の効率的な動作や省エネ化を実現しています。
 

社会インフラ

半導体は、交通信号機や鉄道の制御システムなど、社会インフラの運用にも不可欠です。こういったシステムは、半導体によって正確かつ迅速に情報を処理し、安全かつスムーズな社会の運営を支えています。
 

高精細映像

半導体技術は、テレビやスマートフォンなどで高精細な映像を実現するためにも使用されています。鮮明な画像や高速なデータ処理が可能となるので、動画視聴などをより高い質で楽しめるでしょう。
 

自動車

最新の自動車では、エンジンの制御や安全システム、ナビゲーションシステムなど、多くの部分で半導体が利用されています。半導体を活用することで、より安全かつ快適に運転できるようになるので、今後の自動車の進化にも大きく寄与していくでしょう。
 
このように半導体は、私たちの身の回りでもよく使われており、いまや生活に欠かせなくなっています。


半導体は今後の活用が期待されている物質



半導体は、その特性と幅広い応用力から、今後はさらに多くの分野で重要な役割を担っていくことが期待されています。

特に、IoT(モノのインターネット)やAIの普及において、半導体はこれらの技術を支える重要な基盤技術となっています。さらなる小型化や高性能化、低消費電力化などが求められていくでしょう。
 
さらに、自動運転や5G通信をはじめ、宇宙開発、ロボット、再生可能エネルギーなど、さまざまな分野で半導体の活用が期待されています。


まとめ



今回は、半導体の基本的な性質、種類、そして日常生活での幅広い活用例を紹介しました。ディスクリート半導体から集積回路に至るまで、半導体は現代社会のあらゆる面で不可欠な役割を果たしています。

今後も技術の進化に伴い、活用範囲はさらに広がることでしょう。半導体への理解を深めることは、現代社会をよりよく理解するための重要な一歩でもあるのです。
 
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