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プラスチック成形・加工の仕事は楽?仕事内容やどんな人に向いているのかを解説

目次

プラスチック成形・加工業は、比較的覚えやすく楽な仕事といわれます。しかし、具体的な業務内容が分からず、求人への応募をためらっている人も多いでしょう。


そこでこの記事では、プラスチック成形・加工の仕事内容やメリット・デメリットを解説します。取得すると役に立つ資格も紹介していますので、キャリアアップを考えている人も参考にしてみてください。



プラスチック成形とは


プラスチック成形とは、「溶かしたプラスチック(合成樹脂)を金型に流し入れ、固めて形を整える」ことでさまざまな製品を作ることができる技術のことです。自動化された機械で行われることが多く、プラスチック製品の大量生産を可能にしています。


プラスチック成形の種類


プラスチック成形の手法にはいくつかの種類があり、材料の種類や製造する製品によって使い分けられます。次の代表的な4種類について、特徴や製品の例をまとめてみました。


  •   射出成型
  •   二色成形
  •   インモールド成形
  •   インサート・アウトサート成形


射出成型

射出成形では、加熱して溶かした樹脂を低温の金型に注入し、冷やし固めて成形します。プラスチック成形の中で最もスタンダードな技法で、複雑な形状の製品も製造できるのが特徴です。


ペットボトル・ハサミなどの日用品や、スマホ・テレビなどの電化製品をはじめ、幅広いシーンで使われる製品のパーツを作る際に利用されます。


二色成形

二色成形は、色や材質の異なる二つの材料を2回に分けて射出することで、一つの製品として成形する技法です。複数の材料を一つの金型に2カ所から同時に注入する場合もあります。複雑な構造の製品を作る際も組み立て工程を省略できるため、作業時間やコストの削減が可能です。


例えば、透明な樹脂と色付きの樹脂を使ってパソコンのキーボードを二色成形すると、文字部分に光が透ける製品が製造できます。


インモールド成形

インモールド成形では、金型の中にデザインを印刷したフィルムを挟み込むことで、流し入れた樹脂の表面にデザインを転写させて成形します。塗装の工程を省きつつ、意匠を凝らした製品が量産できるのがポイントです。


主に、自動車部品や電化製品に文字・模様を入れたり、プラモデルパーツを装飾したりする際に活用されています。


インサート・アウトサート成形

インサート・アウトサート成形は、金型の中に金属部品を装着した後に樹脂を流し入れ、異なる素材同士を一体化させる技法です。インサート成形ではネジや金属の棒などを、アウトサート成形では大型の金属板などを金型に入れるという違いがあります。成形時点で一体化するため、プラスチックと金属が分離しにくく、製品が丈夫になる点が特徴です。


インサート・アウトサート成形で作られる製品として、自動車のシフトレバーやパソコンの精密部品などが挙げられます。


プラスチック成形・加工における作業員の役割は主に3種類


プラスチック成形・加工の業務において作業員の役割は、大きく3種類に分けられます。どのような仕事を担うのか、それぞれ見ていきましょう。


  •   機械OP(オペレーター)
  •   検査員
  •   梱包作業員


 機械OP(オペレーター)

機械OP(オペレーター)は、プラスチック成形・加工を行う機械を操作する役割です。具体的には、次のような業務を任されます。


  •   原材料の投入・金型の設置
  •   機械の操作
  •   成形された製品の取り出し・運搬
  •   機械の動作チェック


一つひとつは単純作業ですが、複数の機械操作や、別の業務を同時並行で行う職場もあります。機械の動作が正常か常にチェックして不具合があれば調整しなければならず、単に決まった機械のボタンを押すだけではないことに注意が必要です。


機械OPは、プラスチック成形・加工のメイン業務であり、多くの求人が募集されています。


検査員

検査員は、成形された製品に傷や汚れがないか目視検査したり、形状・色味などが設計図や規格に沿っているか専用器具で調べたりすることで、不良品の納品を防ぐ役割です。


基本的には、座り仕事であるため、力仕事というよりもチェックの正確さなど目利き力が重要視されます。一見地味な作業に思えるかもしれませんが、顧客や取引先の信用を左右する責任重大な仕事です。


梱包作業員

梱包作業員は、検査済みの製品を配送先まで安全に届けるための梱包を担当します。配送中に製品が壊れないように、ダンボールにエアパッキンなどの緩衝材を詰め、ガムテープで封をするのが主な仕事です。


梱包作業では製品を丁寧に扱うことはもちろん、製品の種類や数量などを間違えない正確さや、ガムテープをきれいに貼れる器用さが求められます。とはいえ、作業自体はすぐに覚えられるほか、上達しやすいため、未経験でも始めやすいのが特徴です。


プラスチック成形・加工の一連の流れ


続いて、プラスチック成形・加工の一連の流れを簡単に紹介します。 


1.     充填

粒状または粉状の樹脂を機械や容器に投入する工程です。顔料・塗料による色付けと調色もこの段階で行います。


2.     成形

加熱して溶かした樹脂を金型に流し入れ、製品の形を作る工程です。金型に圧力を加えて形を整えた後、冷却して固めます。


3.     加工・仕上げ

成形した製品からはみ出る余分なバリをとり、やすりがけして表面をなめらかにして仕上げます。


4.     検査

製品が傷ついたり汚れたりしていないか、規格に漏れていないかなどをチェックし、不良品があれば取り除きます。


5.     梱包出荷

緩衝材で包んだ製品をダンボールなどに詰め、配送先まで安全に届くようにして出荷すれば納品完了です。


プラスチック成形・加工業者に勤めるメリット


プラスチック成形・加工の仕事が働きやすいといわれるのには、確かな理由があります。プラスチック成形・加工の工場に勤める主なメリットは、以下の四つです。


  •   未経験でも働ける
  •   人とのコミュニケーションを最低限に作業できる
  •   資格取得の実務経験が積める
  •   年々作業負担は軽減する方向にある


未経験でも働ける

プラスチック成形・加工の仕事は、未経験でも働きやすい点が大きな魅力です。


プラスチック製品の成形や加工は主に機械が担うため、従業員はマニュアルを見て簡単な操作をするだけで完結します。そのため、何度か経験すれば自ずと技術が身に付くでしょう。成形後の検査や梱包も単純な作業が多く、すぐに覚えられます。就業するために特別なスキルや資格も必要なく、働き始める際のハードルが低いのもメリットといえます。


人とのコミュニケーションを最低限に作業できる

基本的にプラスチック成形・加工の仕事は、個人作業です。一人で黙々と作業をすることが多いため、コミュニケーションが苦手な人でも安心して働けます。


また、接客はしないため、予測不能な事態が起こることが少なく、顧客対応に振り回されないことも働きやすさのポイントです。対人関係によるストレスが少ない仕事に魅力を感じる人にはおすすめします。


資格取得の実務経験が積める

プラスチック成形の機械OPが取得できる「射出成形技能士」などの資格には、受験資格として一定年数の実務経験が課されています。プラスチック成形・加工を行う工場に勤めれば、働きながら資格取得に必要な実務経験が積めるため一石二鳥です。


最初は検査員として勤めていても、働くうちにOPに興味が出たら上司に相談してみることをおすすめします。未経験でOPを目指す人は珍しいですが、企業側が人材を求めているため、一から技術を学べる可能性が大いにあります。


働く際に資格は必要ないものの、取得すれば収入アップにつながる可能性があるため、実務経験が積めるのは大きなメリットです。


 年々作業負担は軽減する方向にある

年々機械の性能が向上し、従業員の作業負担が減っていることも、プラスチック成形・加工の工場で働くメリットです。


金型も進化したことで、成形した製品に発生するバリが少なくなり、手作業での加工や仕上げ作業も楽になっています。体力をあまり使わずに済むため、女性や比較的高齢の方でも活躍できるでしょう。


プラスチック成形・加工業者に勤めるデメリット


ここまでプラスチック成形・加工業者に勤めるメリットを紹介してきましたが、当然メリットばかりではありません。プラスチック成形の工場で働くデメリットを、以下の3点にまとめました。


  • 暑い

プラスチック成形の工場では200℃以上の熱で樹脂を溶かすため、40度近くまで室温が上がります。特に機械OPは熱した樹脂の近くで作業することが多く、夏場でなくとも熱中症にかかる危険性があります。


  • プラスチックの臭いがキツイ

プラスチックが加熱されると、頭痛や吐き気を引き起こす可能性のある独特な薬品臭がします。服や体に臭いがつくため、終業後は周囲に気を遣うでしょう。


  • 単純な作業で飽きやすい

単純作業は楽に覚えられる一方で、同じような作業を何度も繰り返すため、飽きてしまうというデメリットもあります。基本的に製造工程は機械に任せるため、やりがいも感じにくいかもしれません。


プラスチック成形・加工に役立つ資格


プラスチック成形・加工の仕事をする上で、持っていると役立つ資格の概要と取得するメリットを紹介します。


  • 射出成形技能士(プラスチック成形技能士)

射出成形技能士は、プラスチック成形技能士の検定の中で、射出成形作業試験に合格したことを認める国家資格です。等級には特級と1~3級があり、1~3級では射出成形の実技・学科試験が課せられます。1級以上を取得すると、採用や収入アップに有利になる点がメリットです。


  • 強化プラスチック成形技能士

強化プラスチック成形技能士は、繊維状の補強材などを使って強度を高めるといった強化プラスチックの成形技術を持つことを証明する国家資格です。強化プラスチックを使った製品は増えており、将来性が高いため、取得すれば収入アップが狙えます。


どちらの資格も等級が上がると難易度が高くなりますが、キャリアアップのために受験を考えてみてもよいでしょう。


まとめ


プラスチック成形・加工の仕事は覚えやすい単純作業が多く、幅広い層の人が未経験から活躍できます。一人で作業に集中できるため、精神的にも負担が少ないです。工場内の暑さや臭いといった苦労はあるものの、今後も機械や金型の性能が向上すれば、作業はさらに楽になっていくでしょう。


また、身の回りのあらゆるものに使われているプラスチックを扱う仕事は需要が高く、安定した収入も期待できます。単調な作業が苦にならない人や、資格取得のために実務経験を積みたい人は、まずはプラスチック成形・加工の求人を探してみてください。




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