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危険物取扱者の免状を入手・更新する方法とは?試験合格後の仕事も紹介

危険物取扱者の免状は10年に1回更新が必要です。必要書類を揃えて、手数料を添え、担当のセンターに提出することで更新ができます。本記事では免状の更新や本籍や氏名が変わった際の書き換え、紛失時の再交付の方法に加え、危険物取扱者の資格を活かせる仕事について解説します。本記事で免状の更新方法と資格の活用方法を知り、仕事の幅を広げていきましょう。

目次

危険物取扱者とは?

危険物取扱者とは、国家資格の1つであり、その資格を取得している人を指します。危険物取扱者の資格を取得すれば、消防法で定められた危険物を業務で取り扱えるようになります。また、一定量の危険物を貯蔵、取り扱う施設では危険物取扱者の設置が義務付けられています。したがって、危険物取扱者の資格を取得すれば、仕事の幅を広げられるでしょう。さらに、取得すれば履歴書に記載できるので、就職に有利に働いてくれます。
危険物取扱者試験は取り扱える危険物によって、甲種、乙種、丙種の3つに分かれています。甲種は全種類の危険物を取り扱えるようになりますが、受験資格が設けられています。下記で、各種の受験資格と、試験科目について解説します。

受験資格

乙種、丙種は受験資格がなく、誰でも受験可能です。甲種のみ受験資格があり、下記のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
  • 大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
  • 乙種危険物取扱者免状を有する者(実務経験2年以上)
  • 指定された4種類以上の乙種危険物取扱者免状を有する者
  • 化学に関する学科または課程で修士・博士の学位を有する者

  (一般社団法人消防試験研究センター 「危険物取扱者試験 受験資格」 )

大学等で化学を専攻していない人は、乙種危険物取り扱い免状の取得から目指していきましょう。

試験科目

甲種、乙種、丙種ともに3科目構成です。下表でその内訳を紹介します。

甲種

危険物に関する法令(15問)

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(20問)

物理学および化学(10問)

乙種

危険物に関する法令(15問)

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(10問)

基礎的な物理学および基礎的な化学(10問)

丙種

危険物に関する法令(10問)

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(5問)

燃焼及び消火に関する基礎知識(5問)

問題数は異なりますが共通して出題されるのは、危険物に関する法令と、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法についてです。また、試験料も各種異なり、甲種は6,600円、乙種は4,600円、丙種は3,700円でいずれも消費税非課税です。


危険物取扱者の免状の入手方法


危険物取扱者試験に合格後、交付申請をすることで、免状を取得できます。下記では、交付の仕方や手数料、免状の更新、紛失した際の対応について解説します。

試験に合格すると免状が交付される

危険物取扱者試験に合格後、免状の交付申請をしなければなりません。申請の際には、必要書類を準備し、受験した各都道府県の一般社団法人消防試験研究センターおよびセンター支部に申請をします。
必要書類は、免状交付申請書、試験結果通知書、免状送付用の切手を貼った封筒に加え、すでに交付を受けている危険物取扱者免状があれば、こちらも必要です。交付には1種類につき、2,900円の手数料がかかります。

10年に1回の頻度で免状更新を行う

免状は、1度交付すれば永年有効ではなく、更新を行います。消防法に基づき、免状に添付されている写真を10年ごとに更新しなければならないからです。10年が経過する前に写真を更新することが推奨されているので、できれば早めがよいでしょう。更新には1,600円かかります。
また、本籍や氏名の変更をしたいときにも、更新が必要です。必要書類は、危険物取扱者免状の書換・再交付申請書、交付されている免状、書き換えが理由を証明する書類、免状を送付するための切手を貼った封筒です。申請は居住区、または勤務地のセンター支部か、免状の交付を受けた道府県のセンター支部、東京都の中央試験センターのいずれかで行えます。一部郵送でも受付していますので、確認してみましょう。なお、本籍や氏名の更新手数料は、700円です。

紛失や破損した場合は再交付をしよう

免状を紛失、汚損、破損した場合は、再交付申請ができます。申請に必要なものは、危険物取扱者免状の書換・再交付申請書、所持している場合は破損、汚損した免状、6ヶ月以内に撮影した指定サイズの写真1枚、本人確認用の運転免許証やパスポート等の写し、免状送付用の切手を貼った封筒です。申請先は免状を交付したセンターで、手数料は1,900円かかります。


受験前の対策方法


危険物取扱者試験の対策方法を、下記で4つ紹介します。独学で挑む人、講習を活用する人、取り組み方は様々だと思いますが、対策を一通り確認しておくことで臨機応変に対応できるようになるでしょう。

ひたすら問題を解く

独学で試験に臨む場合、参考書や問題集を繰り返し解くことがポイントです。特に、化学の知識があまりない状態で挑む場合は、出てくる用語に馴染みがなく、そもそも問題の意味がわからない可能性があります。参考書で用語や概要を把握し、問題を解き解説を確認し、もう一度解くという手順がおすすめです。危険物取扱者の試験は暗記知識が中心であり、繰り返し解きながら覚えていくのが早いです。難問も、参考書で理論を理解してから問題に当たれば、解けるようになります。問題集はいくつも買う必要はなく、1冊を丹念に解いていきましょう。問題を見たらすぐに答えがわかるレベルまで解けるようになると、自信がつきます。

模擬試験で練習する

問題集がある程度解けるようになったら、過去問を解きます。試験の公式サイトに過去問があるため、そちらを活用しましょう。過去問も、繰り返しとくことで問題の出方や傾向を掴み、時間配分の検討ができます。また、模擬試験を活用することで、本番のような緊張感を持って試験に取り組むことができます。

通信教材を活用する

独学で勉強を続けるのに自信がなければ、通信教材を活用してもよいでしょう。通信教材では、模擬試験を添削や、勉強の進みのサポートがあります。また、テキストだけではなく、動画の講義がついている教材もあり、自分に合った勉強の仕方を選べることも特徴です。

講習を受講する

各都道府県の危険物安全協会で、危険物取扱者受験のための講習会が実施されています。日時や会場などの詳細は、各都道府県によって異なるため、問い合わせをしてみましょう。独学や通信で勉強している人も、講習会を受講して補強していくのもよいでしょう。


危険物取扱者の仕事内容


危険物取扱者の資格を所有していると、危険物の保守、点検、管理のほかに、危険物が扱われている施設で勤務ができるようになります。下記では、危険物取扱者の仕事内容を解説します。

危険物の保守点検・管理

危険物取扱者の名前の通り、危険物を保守、点検、管理することが主な仕事です。例えば、貯蔵している危険物は規定量か、保存容器から漏れがないか、正しい場所に保管されているかなどを、目視または機器を使用して確認します。ただし、取り扱える危険物は、乙種、丙種では限られていますので気をつけましょう。
また、甲種、乙種の免状を持っている危険物取扱者が立ち会えば、資格を持っていない人でも危険物を取り扱うことができます。

危険物の取り扱い施設で勤務する

危険物取扱者は、一定量の危険物を貯蔵または取り扱っている施設での設置が義務付けられています。したがって、資格を保有していれば重宝されることが期待できます。具体的にはガソリンスタンドや化学工場のような施設、タンクローリーの運転手には資格保有者が必要です。甲種、乙種、丙種のどれを活用するかは、扱う危険物や勤務先によって異なります。


危険物取扱者が必要な職業


危険物取扱者の設置が求められる職業や、その知識を活かせる職業を下記で6つ紹介します。どのような場面で必要になるかも併せてみていきます。

ビルメンテナンススタッフ

ビルのメンテナンススタッフは、危険物取扱者の資格が活かせる職業です。直接危険物に関わることは少ないかもしれませんが、ビルのメンテナンススタッフは安全面に配慮して整備や点検をします。その際に、危険物の配置や運用方法などに関して、危険物取扱者の知識が活かせるでしょう。特に、非常用発電機やボイラーには、重油や軽油が使われていることがあります。重油、軽油は引火性液体ですので、取り扱いには危険物取扱者試験の乙種の第4類が必要です。また、就職や転職時に資格所持が必須とされていることは少ないですが、前もって資格を保有していれば採用に繋がる可能性が高くなるでしょう。

発電所の保守員

発電所の保守員は、発電設備の点検、安全管理のためのパトロールが主な仕事です。安全に発電ができるよう、24時間体制で管理している発電所もあります。保守員は、設備に異常を認めた場合、工事や修繕を行います。そこで、危険物取扱者の資格が役立てられるでしょう。また、火力発電所等の発電所には発電燃料として危険物が貯蔵されています。資格を保有していれば、該当する危険物を取り扱えるようになるため、仕事の幅が広がります。

ガソリンスタンドの従業員

ガソリンスタンドには、危険物取扱者の設置が義務付けられています。引火性液体であるガソリンを一定量貯蔵しているからです。スタンドに所属する全員が資格を保有する必要はありませんが、正社員、アルバイト、パートなど雇用形態に関わらず、危険物取扱者の資格を持っていれば、働きやすくなるでしょう。セルフ式のスタンドであっても、資格保有者がいるため、一般のお客さんが自分で給油できるようになっています。そのため、どのスタイルのスタンドでも危険物取扱者は求められているのです。なお、ガソリンを扱う場合は、引火性液体の取り扱いができる乙種第4類の資格が必要です。

消防士

火災の原因や仕組みを把握し消火にあたる消防士は、危険物取扱者資格の知識が活かせる仕事です。他にも、地域の人々に防災の知識を広める活動や、ガソリンスタンドのような危険物を取り扱う施設を立てる場合の検査など、危険物の扱い方を知っていることを前提とした仕事もあります。

タンクローリードライバー

引火性液体や化学薬品などの危険物を運ぶタンクローリーの運転手本人または同乗者は、危険物取扱者の資格を所持しなければなりません。加えて、どの重量のタンクローリーでも運転できるようにするためには、大型免許が必要です。危険物取扱者の資格と併せて取得していれば、就職や転職に有利でしょう。

危険物を取り扱う工場

一定量の危険物を貯蔵、取り扱う化学工場などでは、危険物取扱者の資格保有者の設置が義務付けられています。化学工場で作っているものは、医薬品、化粧品、プラスチック製品、農薬など様々なですが、工場によって取り扱う危険物は異なります。例えば、危険物取扱者乙種第1類で扱う塩素酸塩類の一種である塩素酸カリウムは、硫黄とともにマッチの着火部分の材料になります。第5類で扱う有機過酸化物は、プラスチックの材料を生成する際に使用します。自分が希望する工場が、何を扱っていて、どの危険物取扱者の資格が有効か、企業研究をしておくとよいでしょう。


まとめ


危険物取扱者とは、危険物を取り扱うための国家資格でありその保有者を指します。試験は、甲種・乙種・丙種と3種類あり、甲種以外、受験資格はなく誰でも受験可能です。試験に合格後、該当試験の免状を申請します。交付後、10年経過する前に顔写真の書き換えをする必要があるため、最低でも10年に1回の更新をします。更新の際には、必要書類を揃えて居住区、または勤務地のセンター支部、免状の交付を受けた道府県のセンター支部、東京都の中央試験センターのいずれかに提出しましょう。危険物取扱者の資格を取得すれば、化学工場やビルメンテナンス、発電所の保守担当者など様々な職種で活かすことが可能です。資格を活用し活躍の場を広げていきましょう。


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