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水中溶接の仕事内容は?必要な資格や危険性について解説!

目次

水中溶接と聞いて、どのような仕事を思い浮かべますか?

普段あまり目にすることのない水中溶接の仕事に興味を持っている人もいるのではないでしょうか。

この記事では、水中溶接の仕事内容や危険性、必要な資格についてまとめました。

水中溶接の仕事に向いている人の特徴も紹介しているので参考にしてくださいね。



水中溶接の仕事内容


水中溶接とは、海や川など水中で行われる溶接作業です。

水中溶接の技術は以下のような現場で活躍しています。


  • 大型浮体構造物
  • 海底パイプライン
  • プール
  • 水族館
  • 船 など


このように、水中溶接は水に関係する場所の建造や保守に携わる重要な仕事です。


水中溶接では、アーク溶接という方法で作業を行います。

アーク溶接は、アーク放電という電気的現象で金属同士をつなぎ合わせる技法で、陸上でも使用されている施工法です。


水中溶接の場合、溶接箇所の温度が急に下がるので、陸上で行う溶接よりも強度が低くなる傾向があります。

強度の問題から、陸上であれば普通に行われている太い溶接は、水中溶接では行いません。

細い溶接を並べることで、強度不足を防ぎます。


水中溶接作業を行うには、高い技術力と判断力が求められます。

建設会社や、海底ケーブルの設置・管理などを手掛ける会社でも重宝されるので、転職にも有利です。

年収も、陸上で作業する溶接工より高い傾向があります。



水中溶接の危険性


陸上であれ水中であれ、溶接作業には危険が伴います。

陸上の溶接では、作業中の煙を日常的に吸い込むことで、肺炎や溶接工肺を患う可能性があります。

また火傷も溶接工にありがちなトラブルです。


水中溶接の場合は、煙による肺炎や火花による火傷のリスクは低くなります。


水中溶接ならではの危険といえば、高気圧障害が起こる可能性があることでしょう。

高気圧障害とは、陸上と水中の気圧差のせいで起こる病気です。

潜水士として正しい知識を有していないと危険が生じてしまいます。

ほかにも、空気ボンベなどの備品トラブルや施工中の感電など、ちょっとしたミスが大きな事故につながる可能性があります。


水中溶接を行うのであれば、正しい知識を持って作業しなくてはなりません。


水中溶接の工法


水中溶接の工法は、大きく以下の四つに分類できます。


  • 湿式水中溶接
  • 乾式水中溶接
  • 大気圧下溶接
  • 高圧下溶接


それぞれの工法について詳しく見ていきましょう。


湿式水中溶接


溶接箇所が水中に露出しているのが、湿式水中溶接です。

海・プール・川の中での作業が多く、元々水が濁っているケースもあれば、作業が原因で汚泥物質が出るケースもあります。

建築物の劣化や破損による緊急性の高い修理も多く、視界が悪い中作業しなくてはならないこともあり、ほかの溶接方法に比べると高い技術が求められます。


乾式水中溶接

乾式水中溶接は、溶接箇所が水に触れない状態にして行う溶接方法で局所乾式水中溶接ともいいます。


溶接箇所が水に触れないので、水中溶接のデメリットである強度の低下を心配する必要がないのがメリットでしょう。

陸上での溶接と変わらない、高いレベルでの溶接が可能です。


乾式水中溶接は、ハイドロボックス方式・水カーテン方式・ワイヤブラシ方式などがあり、状況に合わせた最適な方法で溶接作業を行います。


大気圧下溶接

大気圧下溶接は、乾式水中溶接の一種です。

船から大型の容器を吊り降ろして溶接箇所を囲み、中の水を排除して溶接をします。

作業場所の水の深さに関係なく、陸上と同じように作業できる方法です。

水中溶接はでは欠かせないダイビング装備も必要ありません。


デメリットは、水圧に耐えられる強度の容器が必要なことと、それに伴う危険性がほかの水中溶接よりも高くなることでしょう。

また、複雑な建築物の溶接には向きません。

                                                       

高圧下溶接

高圧下溶接も、大気圧下溶接と同様に、乾式水中溶接の一種です。

船から釣鐘状の容器を降ろし、水を排除するところまでは大気圧下溶接と変わりません。

高圧下溶接では水深と同じ高圧ガス雰囲気下で溶接作業をします。


水中溶接の仕事に必要な資格


水中溶接を行うために必要な資格を確認しておきましょう。

水中溶接では、次の資格が必要です。

  • 潜水士
  • アーク溶接作業者


それぞれの資格について解説します。


潜水士

水中溶接では、酸素ボンベなどの潜水用具を使用して作業します。

潜水用具を使用して作業するには、国家資格である潜水士の資格が必要です。


潜水士の試験は比較的難易度が低く、合格率は80%となっています。

実技試験もなく、筆記試験に合格するだけで免許を取得可能です。


ただ実践に至るためには、水中でのトレーニングが必要です。

資格を取って終わりではなく、そこから水中での作業ができるようになるまでには努力が必要です。


アーク溶接作業者

溶接にはさまざまな技法がありますが、水中での溶接に使われるのはアーク溶接です。

アーク溶接を行うには、アーク溶接作業者の特別教育を受けなくてはなりません。

ただし、試験があるわけではなく、定められた時間の学科講習と実技講習を受けることでアーク溶接作業者の資格が取得できます。


この資格は技術を証明するものではありません。

技術を証明するための資格を取る場合は、手溶接技能者の取得も視野に入れましょう。


水中溶接の仕事に向いている人の特徴


水中溶接は、陸上で行う溶接とは違うスキルが求められます。

水中溶接に向いている人の特徴は以下の通りです。

  • 手先が器用でものづくりが好きな人
  • 物事に根気強く取り組める人
  • 人とは違うスキルを身に付けたい人


各項目について詳しく見ていきましょう。


手先が器用でものづくりが好きな人

水中での作業は、陸上よりも作業がしにくいことが多いので、水中溶接では手先の器用さが求められます。

また水中溶接の仕事は、建築物の製造や修理など、ものづくりに関わる仕事でもあります。

自分の仕事が形として残ることにやりがいを感じられる、「ものづくりが好きな人」は、水中溶接の仕事に向いています。


物事に根気強く取り組める人

物事に根気よく取り組める人も水中溶接に向いているでしょう。

水中溶接には潜水士やアーク溶接作業者などの資格が必要ですが、水中溶接の仕事は、資格取得からスタートします。

そこからコツコツ努力して経験を積み、知識や技術を高める必要があります。


人とは違うスキルを身に付けたい人

溶接工は人気のある仕事ですが、水中での作業となると、陸上での溶接とは違ったスキルが求められます。

一般的な溶接工として技術を極めるのも一つの方法ではありますが、中には人とは違う形でステップアップしたいという人もいるでしょう。

人と違うスキルを身に付けたいという人にも水中溶接の仕事はおすすめです。


まとめ


水中溶接は、一般的な溶接工とは違ったスキルを求められる職業です。

危険性の高い仕事もありますが、その分給料も高い傾向があります。


潜水士やアーク溶接作業者など、仕事に必要な資格の取得も、それほどハードルは高くありません。

これからキャリアアップしたいと考えている人は、水中溶接の仕事も選択肢として検討してはいかがでしょうか。






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