工場お役立ち
2024.02.27

期間工の年金とは?社会保険や辞めたあとの税金についても徹底解説

期間工の年金とは?社会保険や辞めたあとの税金についても徹底解説

これから期間工として働こうと思っている方にとって、年金は気になるテーマではないでしょうか。

この記事では、年金の仕組みについて確認するとともに、年金以外の社会保険、期間工を辞めた後の年金や税金について詳しく解説します。期間工として働きたいけれど年金についてあまり知識がないという方は、ぜひポイントを押さえておきましょう。

期間工で働くと年金はどうなる?

期間工で働く場合、年金はどうなるのでしょうか。ほとんどの場合、期間工は厚生年金の被保険者となります。厚生年金の対象となる条件については、後ほど詳しく解説します。

希望の勤務先が厚生年金の対象となるかどうか不安な場合は、募集要項をしっかりチェックしておきましょう。

一般的な会社員は厚生年金に加入することになっていますが、期間工についても例外ではないということを押さえておいてください。

年金の仕組み

ここでは、年金の仕組みについて確認していきましょう。

日本の年金制度は、国民年金の場合、厚生年金に加入していない20歳以上60歳未満の人すべてが毎月一定額を、また厚生年金の場合は社会人として働いていた期間、毎月一定額を納め、原則65歳になると、これまで納めた金額に応じて2カ月に一度、老齢年金が支給される仕組みです。

ここでは、公的年金となる国民年金と厚生年金、厚生年金の対象となる条件、老齢基礎年金と老齢厚生年金について解説します。

国民年金と厚生年金

公的年金には、「国民年金」と「厚生年金」の2種類があります。国民年金は、20歳から満60歳までのすべての人が加入しなければなりません。令和5年度の国民年金の納付額は一律16,520円です。

さらに、企業に勤めている場合は、厚生年金にも加入します。厚生年金には国民年金も含まれており、加入することで将来の年金の支給額が増える仕組みです。厚生年金の納付額は、毎月の給与や賞与に応じて決まり、加入者は会社と折半する形で納付することを押さえておきましょう。

厚生年金の対象者となる条件

厚生年金の対象者となる条件を見ていきましょう。以下の条件を満たす事業所は必ず厚生年金を適用しなければなりません。

  • 合同会社や株式会社などの法人形態を持つ事業所
  • 常時雇用従業員を5人以上置いている事業所(ただし、飲食店や美容院、サービス業は含まれない)

また、半数以上の従業員が厚生年金保険における適用事業所となることに同意した場合、事業主が厚生労働大臣の認可を受ければ厚生年金の対象となることが可能です。

さらに、以下の条件を満たせば、厚生年金の被保険者となることができます。

  • 厚生年金保険に加入している会社、工場、商店、船舶などの適用事業所に常時雇用されている70歳未満の方

※国籍・性別・年金の受給の有無は問われません。

  • パートタイマーやアルバイトなどでも、事業所と常時、雇用関係にある場合は被保険者となる

※ 1週間の所定労働時間、および1カ月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の4分の3以上である方も対象です。

以上が、厚生年金の対象となる条件です。期間工として働く際には、自身が厚生年金の対象となるかどうか確認する必要があります。

老齢基礎年金

老齢基礎年金は、日本の年金制度の1階部分にあたり、原則65歳から受給することができます。保険料納付済期間と保険料免除期間を合算して10年以上ある場合に受け取ることが可能です。

納付期間は20歳から60歳になるまでの40年間で、受給額は納付月数に応じて計算されます。納付期間が長ければ長いほど受給額は増えます。

老齢基礎年金は、日本の年金制度における重要な柱の一つであり、老後の生活を支える国民皆年金の屋台骨と言えるでしょう。

老齢厚生年金

老齢厚生年金は会社員や公務員の方などが加入する年金で、老齢基礎年金に上乗せして65歳から受給できます。

受給額は保険料の納付月数と報酬額によって決まり、加入期間が長ければ長いほど多くの年金を受け取ることが可能です。

また、年金制度の老齢基礎年金に上乗せされる形で支給されるため、厚生年金の受給者は老後の生活をより安定させることができるでしょう。

期間工が加入できる年金以外の社会保険

期間工は年金だけでなく、他の社会保険にも加入することができます。期間工が加入できる4つの社会保険は以下の通りです。

  • 健康保険
  • 雇用保険
  • 労災保険
  • 介護保険

これらの社会保険に加入するためには、一定の条件を満たす必要があります。具体的な条件は以下の通りです。

  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 賃金月額が月8.8万円以上であること
  • 2カ月を超えて雇用されることが前提であること
  • 学生でないこと
  • 従業員101名以上(令和6年10月からは51人以上)の企業で働いていること

期間工を雇用する企業は、上記の条件を満たした場合、社会保険に加入させる義務を負います。期間工の仕事は、厚生年金保険だけでなく健康保険や雇用保険、労災保険、介護保険などの社会保険にも加入することができるため、より安心して働くことが可能です。

ここからは、期間工が加入できる社会保険について詳しく解説します。

健康保険

健康保険は、病気やケガの際に保障される医療保険のことで、会社勤めの従業員などが加入する健康保険は、一般的に「社会保険」と呼ばれています(正確には、社会保険は厚生年金保険、健康保険、雇用保険、労災保険、介護保険の総称)。

一方、自営業やフリーランスの方は「国民健康保険」に加入します。日本に在住する人は、必ずどちらかの保険に加入しなければなりません。

健康保険は、勤めている会社を介して加入(保険料は折半)することになっており、勤務先が健康保険組合に加入している場合、その組合に加入する形です。健康保険に加入することで、医療費の一部が補償され、病気やケガの際の治療や薬の費用が割安(通常、自己負担は3割)になります。

なお、国民健康保険から健康保険へ切り替える場合の脱退手続き、あるいは逆に会社を辞めて健康保険から国民健康保険に切り替える場合も、加入の手続きは自身で行う必要があるため注意が必要です。

雇用保険

雇用保険は、労働者が失業した場合などに、失業者の生活を保護するための保険制度です。

失業した場合に給付を受けることができます。また、就業のために職業訓練を受けることも可能で、育児や介護のために休業した場合にも手当が支給されます。これにより、雇用保険は失業者の再就職や生活の維持をサポートする役割を果たしていると言えるでしょう。

ちなみに、失業した場合、ハローワーク(公共職業安定所)で雇用保険の手続きを行います。65歳未満の被保険者であれば、一定の要件を満たすことで基本手当(失業給付)を受けることが可能です。基本手当の支給額は、失業時の賃金の日額に応じて決まり、所定の日数の範囲内で受け取ることができます。

労災保険

労災保険は、労働者が業務中や通勤の際の事故でケガをした場合などに、一定の保険給付を受け取ることができる制度です。

労働者やその家族に対して給付金を支給することにより、労働災害による経済的な負担を軽減することを目的としています。労災保険の対象は、雇用保険よりも幅広く、短時間のパートやアルバイト、日雇い労働者なども補償の対象です。

介護保険

介護保険は、介護や支援が必要な方(要介護者・要支援者)に対して、介護費用を給付し、または介護サービスを提供する制度です。
40歳になると加入が義務付けられており、65歳以上の人であれば、市区町村(保険者)が実施する要介護認定において介護が必要と認定された場合、いつでも介護サービスを受けることができます。

介護保険は、高齢化社会において介護が必要な方々の負担を軽減し、安心して生活できるようにするための重要な制度です。

なお、介護サービスや施設利用、ホームヘルパーや訪問介護などのサポートを受けることができます。

期間工を辞めた後の年金や税金はどうなる?

期間工は正社員と異なり有期雇用であるため、いずれは辞めることになりますが、その場合、年金や税金はどうなるのでしょうか。期間工を辞めた後のことについても、事前に把握しておけば、将来に向けて準備ができるため安心です。

期間工を辞めた後の年金や税金について確認しておきましょう。

前年度の所得に応じて住民税が決まる

期間工として働いていた翌年度の住民税は、前年度の所得に応じて決まります。期間工として働いた年度の所得が高い場合、それに応じて住民税も高くなりますが、期間工として働いている間は住民税の一部を会社が負担してくれているわけです。

ちなみに、住民税の税率は決まっているため、事前に所得を計算し、納税額を予測することも可能です。これにより、追加の負担に備えてお金を準備することができます。

住民税は必ず納めなければならない税金であり、期限までに支払えるように準備しておかなければなりません。住民税の未納は督促状の送付や延滞金の発生などペナルティがあるため、適切な計画と準備が不可欠です。

国民年金を納める必要がある

期間工として働いている間は、基本的に厚生年金に加入しますが、その保険料(会社と折半)は会社が給料から天引きという形で、代わりに納めてくれています。そのため、期間工を辞めた後は、国民年金に切り替え、自身で保険料を納めなければなりません。

国民年金の納付方法や納付額は、日本年金機構からの通知に基づいて行います。配偶者がいる場合は、配偶者の扶養に入ることも可能です。

なお、経済的な理由などで納付が困難な場合、一定の条件を満たすことで、納付が免除、あるいは猶予されることもあります。その場合、免除期間の年金額は保険料納付時の2分の1に、また納付猶予の期間は年金額に反映されません。

国民年金から厚生年金への切り替えは、自動的に行われます。

国民健康保険の加入手続き が必要になる

期間工を辞めた場合、国民健康保険の加入手続きが必要になります。国民健康保険の加入手続きを行わないと、その間の医療費が全額自己負担になるリスクがあるため、注意が必要です。

ただし、一定の条件を満たしている場合、会社の健康保険を任意継続することもできます。また、家族の扶養に入る場合も、健康保険に加入することが可能です。

具体的な手続きや条件については、居住する市区町村の役所や健康保険組合に問い合わせてみてください。

まとめ

期間工の年金や社会保険、税金に焦点を当てて解説しました。期間工は一定期間の雇用契約となるため、辞めた後のことも視野に入れておかなければ、後々金銭面などで苦労することになりかねません。

期間工としてこれから働く予定の方は、ここで紹介した年金や社会保険、税金についてしっかりと理解し、将来についても見通しを立てておきましょう。

工場・製造業の求人情報はこちら