働き方ナビ
2024.02.27

4勤務3休の働き方とは?従業員・企業のメリットとデメリットを解説

4勤務3休の働き方とは?従業員・企業のメリットとデメリットを解説

4勤務3休とは、4日働き3日休む業務形態です。働き手にとって休みが増えることがメリットですが、給与水準が下がる可能性もあります。企業側は、離職率の低下や人件費削減などが見込めますが、シフト管理の改善や、取引先との連絡が円滑にできるように対策が必要です。本記事では4勤務3休制の導入例や、従業員、企業のメリット・デメリットを解説します。この記事を参考に4勤務3休が理想の働き方か判断しましょう。

4勤務3休の働き方とはなにか

週休2日を採用する企業が多いため、4勤務3休という働き方は聞き慣れないかもしれません。4勤務3休とは、名前の通り1週間(7日間)のうち、4日間勤務し、3日間休む働き方です。いずれも連続とは限らず、例えば、2日勤務1日休み2日勤務2日休みという形でも4勤務3休になります。
下記では、4勤務3休の1日あたりの労働時間と給与について解説します。

4勤務3休は4日働き3日休む勤務

4勤務3休とは、4日間勤務し、3日間休む業務形態を言います。実際の業務形態には、主に下記の4パターンがあります。

1. 1日10時間労働を週4日の変形労働時間制で給与水準を維持する勤務
2. 1日10時間労働を週4日の変形労働時間制で給与水準が下がる勤務
3. 1日8時間労働を週4日の給与水準を維持する勤務
4. 1日8時間労働を週4日の給与水準が下がる勤務

労働基準法では、1週間につき休憩時間を除き40時間以上働かせてはいけないと定められています。4勤務3休の場合その40時間を4日で分割しますが、1日あたりの労働時間とそれに伴う給与水準は、企業によって異なります。1日あたりの労働時間と、給与の違いについて、下記で紹介します。

1日10時間労働で週4日勤務する場合

4勤務3休では、一般的な週休2日・週5日勤務と同じ労働時間になるように調整するため、1日あたりの労働時間が10時間となることがあります。ただし、労働基準法では、労働時間が1日8時間と定められています。そのため1日10時間勤務では、毎回2時間の時間外労働が発生してしまいます。それを避けるために、変形労働時間制を採用している企業が多いです。変形労働時間制とは、一定期間を1つの単位とし、その一定期間内の合計労働時間で考える勤務形態です。例えば、1ヶ月をひとつの単位と捉え、1ヶ月の合計労働時間が160時間以上にならないよう、1日10時間勤務を可能としています。この場合、1日10時間働いても残業代は出ません。
また、1日10時間勤務でも労働時間合計は週休2日・週5日勤務と変わらないと考え、給与水準は据え置きの場合があります。

1日8時間労働で週4日勤務する場合

4勤務3休であっても、1日の労働時間は8時間のまま、週4日勤務する場合もあります。週の労働時間は32時間となり、給与水準が下がるケースもあります。企業によっては給与水準がそのままのところもあるので、応募時には確認しておきましょう。

労働者が4勤務3休のメリット5つ

労働者側の4勤務3休のメリットは、自由時間が増えることや、仕事の疲れをしっかり取れることです。下記では、4勤務3休の労働者にとってのメリットを5つ解説します。

平日に3連休がもらえる

4勤務3休の勤務形態では、3日間の休みを平日に連休として取ることが可能です。土日休みのみでは、他の企業も休みが多く観光地などへ行っても、混雑して満足に遊べないでしょう。しかし、平日に連休が取れればスムーズに移動ができ、観光地も比較的空いています。最近は平日と土日、祝日で入場料が異なるテーマパークもあるため、平日のほうがお得に遊べます。また、役所や病院、銀行など土日に閉まっていたり、開いている時間が限られていたりする施設で、時間を気にせずに用事を済ませられることもポイントです。

自由時間が増える

単純に週休2日制の勤務形態よりも休みが多いため、自由時間が増えます。また、土日休みで固定されている場合3連休を取ろうと思うと、有給を消化せざるを得ないケースが多いです。しかし、4勤務3休は、もともと3日間休みがあるため、3連休にしやすく、自分で使える時間が増えます。この休みを利用して、趣味に打ち込んだり、友人や家族と旅行にでかけたり、副業をすることも可能です。休みをうまく活用できれば、充実したプライベート時間を過ごせるでしょう。

仕事の疲れがとれる

3連休が取れればゆっくり休めるので、しっかりと体を休めることができます。休日にきちんと疲れを取れれば、休み明けの勤務に集中して取り組むことができるため、パフォーマンスを落とさずに仕事ができるでしょう。

育児や介護と仕事を両立できる

休日が週休2日制と比べて多いので、育児や介護がしやすくなります。週休2日制で働きつつ育児や介護をしていると、身も心も疲れてしまいますが、1日でも休みが増えれば、育児や介護以外に自分のことに取り組めたり、子どもと過ごせる時間が増えたりと、気持ちにも余裕が生まれるでしょう。また、女性の場合、子育てでキャリアを中断することが多いですが、4勤務3休であれば、子育てと仕事の両立がしやすくなります。

通勤ラッシュから解放される

電車通勤の場合、通勤ラッシュから開放される日が増えるため、ストレスが減るでしょう。毎日のように公共交通機関の混雑や渋滞に巻き込まれていると、自覚しないままストレスを溜めていることもあります。しかし、休日が増えればそうした通勤の混雑に遭遇する機会は減るため、精神的負担が減るでしょう。

労働者が4勤務3休のデメリット3つ

4勤務3休は労働者にとって、下記のようなデメリットがあります。

  • 収入が下がる
  • 勤務日の自由時間が減る
  • 企業によっては残業・休日出勤が発生する

下記で、それぞれの詳細を解説します。

収入が下がる

4勤務3休は休日が多いため、給料水準が下げられる可能性があります。給与よりも休日を優先したい人には向いていますが、高収入や貯金を目標とする人には不向きでしょう。ただし、必ずしも給与水準が下がるわけではなく、働き方を柔軟にするため、給与水準はそのままに4勤務3休を採用している企業もあります。

勤務日の自由時間が減る

1日10時間労働を採用している4勤務3休制の場合、労働時間が通常よりも長いです。また、休みが多い分、勤務日にやることが増えるでしょう。したがって、勤務日の自由時間は減ってしまう可能性があります。しかし、休日が3日間あり、勤務日の仕事が多少ハードでもしっかりと休めるため、それほど気にならない人もいるでしょう。

企業によっては残業・休日出勤が発生する

企業や職種、繁忙期などによっては、残業や休日出勤が発生するかもしれません。1日10時間労働制を採用し、労働時間の合計が週休2日制と同じであったとしても、休日の時間が増えることは、作業の進みを遅らせるおそれがあります。納期に間に合わせるために、場合によっては残業や休日出勤でカバーしなければならないでしょう。

企業が4勤務3休のメリット4つ

企業にとって4勤務3休のメリットは、週3休日をアピールできることや、離職率を下げられることなどです。下記で企業側のメリットを解説します。

週3日休める企業だとアピールできる

多くの企業が採用している週休2日制より多く休むことができるので、休みの多さをアピールできます。昨今、体を休めるために週休3日を望む声も多く、求人に対して応募者数が増える可能性もあるでしょう。また、休日が多い優良企業だとアピールすることで、優秀な人材確保に繋がる可能性があります。実際に、働き方改革として週3休みを採用したところ、求人への応募者数が増えた企業もあります。

離職率を下げられる

週3日の休みを導入したことで、離職率が下がった企業があります。介護業務に関わるとある企業は、週3日の休みを導入したところ、離職率が大幅に改善され、さらに残業時間も0になったと言います。休みが増えたことで体調不良になる人が減り、業務効率の改善に繋がったようです。従業員にとっても、企業にとっても実りのある結果となったと言えるでしょう。

仕事の生産性が上がる

3日休むことで、生産性の向上が見込めます。大手企業のなかにも、3日休みを導入したことで生産性が向上し、会議の時間も減ったところがあります。4勤務3休で1日10時間勤務を採用した場合でも、1日の勤務時間が長くなりますが、休みが多く仕事がストップするタイミングが増えてしまいます。そこで、従業員同士でどのように業務効率を上げるかが工夫され、結果として生産性が上がったケースもあります。
また、しっかりと休めることで勤務日は集中して仕事に取り組めることも、生産性の向上に寄与しているでしょう。

人件費の削減に繋がる

休日を増やして従業員の給与水準を下げる場合は、人件費削減に繋げられます。勤務日数が減るため、支払う給与が減るからです。人材を確保しつつ、人件費を削減ができる点はメリットと言えるでしょう。

企業が4勤務3休のデメリット3つ

4勤務3休の導入は、企業側にとってどのようなデメリットがあるのでしょうか。下記では、想定される3つのデメリットとその対策を解説します。

従業員のシフトの管理を工夫する必要がある

納期までに業務が終わるよう、従業員のシフト管理を工夫する必要があります。これまで5日勤務2日休みで仕事を進めていた場合、休みが増えることで業務進捗に影響が出るでしょう。シフトを管理する際は、3日の休みでも納期までに業務が終わるよう、工夫しなければなりません。また、今まで通りの仕事のやり方で3日休みにすると、残業が発生し、企業にとって負担がかかる結果になりかねません。シフトだけではなく、スケジュール管理の徹底や業務の進め方自体も同時に改善することで、従業員の負荷を減らすことができます。

取引先との連絡に支障が出る

従業員の休みが増えることで、取引先とのやり取りの回数が減ってしまう可能性があります。やり取りの回数が減ることで、円滑なコミュニケーションが取りにくくなることや、機会損失に繋がることが予想されます。また、新規開拓営業のチャンスを逃すかもしれません。対策として、前述したシフト管理や業務の進め方の改善で、休みをかぶらせないことや、誰にでも引き継ぎができるようにすることが重要です。従業員同士の情報共有の徹底や、業務進捗管理のツールなどを導入することも視野に入れるとよいでしょう。

従業員のコミュニケーション不足が起こる

従業員同士のコミュニケーション不足の発生も考えられます。休みが増えると、あまり顔を合わせない従業員が出てきてしまうかもしれません。社内でコミュニケーションが減ると、業務に支障が出ることや、職場環境が悪化してしまうことが懸念されます。休みの取り方の工夫や、休みの人がいてもコミュニケーションが取れるような対策を取り入れていきましょう。例えば、社内報や社内SNSなどで、休みの従業員ともコミュニケーションを取ることが可能です。

4勤務3休を導入した企業例 3つ

実際に4勤務3休を導入した例を 3つ紹介します。どのような形で導入したのか、導入した結果どうなったかなどを解説します。

A社:介護・育児を行う従業員を対象に導入

A社は、介護や育児を行う従業員に対象者を絞り、週休3日の働き方が選択できるようにしました。同企業では、土日以外にもう1日休みが取れるようになっています。申請すれば、週休2日制に戻れるようにしており、柔軟な対応ができています。

B社:正社員全員に導入

B社では、期間限定のトライアルとして、社員全員に4勤務3休を導入しました。トライアル期間の1ヶ月は、金・土・日曜日の3連休としましたが、給与は週休2日と同様に設定しています。休みが増えたにも関わらず、給与が以前と同様だったため、従業員にとっては嬉しい導入となったでしょう。また、企業側も消費電力や印刷枚数の削減ができ、コストカットを実現できました。

C社:出勤日数や勤務時間を決める方針で導入

C社は、働く時間も柔軟にした4勤務3休を採用しています。C社では、1週間の労働目安時間を20時間とし、その時間内であれば、1日の勤務時間や出勤日数を自由に決められるようになっています。例えば、1日8時間の勤務を週3回、1日5時間の勤務を週4回など、自分や家族の予定に合わせて勤務時間を変更できるのです。育児や介護をしている人が、働きやすい環境であると言えるでしょう。

まとめ

4勤務3休とは、4日間勤務し3日間休む働き方です。5日勤務2日休みの週休2日制よりも休みが多く、労働者にとっては、しっかりと休めることや自分の時間を作りやすいことがメリットです。反面、1日あたりの労働時間が長くなったり、労働時間は同じでも給与が下がってしまう可能性があったりすることがデメリットです。また、企業にとってのメリットは、休みが多い企業だとアピールできることで、応募者数が増えることや優秀な人材が集まることが期待できます。ただし、仕事や取引先とのやり取りが滞らないよう、シフト管理や情報共有が重要になるため、4勤務3休制を導入する際には業務の進め方を改善する必要があります。
労働者側と企業側、双方にとってプラスとなるような4勤務3休制を取り入れている企業もあるので、それらを参考にしつつ、自分に合っているのか検討しましょう。

工場・製造業の求人情報はこちら