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2024.02.27

工場(製造業)の適性検査とは?例題や検査する目的を紹介!内容・対策も

工場(製造業)の適性検査とは?例題や検査する目的を紹介!内容・対策も

工場の適性検査では計算問題や文字の間違い探しなどの能力検査と性格検査を通じ、工場勤務に適しているか、どこに配属するかを見極めています。能力検査は本記事で問題例を紹介しているので、不安な人は前もって練習しておきましょう。また、性格検査の内容や、工場の適性検査におけるSPIの内容や工場勤務に向いている人なども併せて解説します。適性検査が不安な人は、この記事で予習をしておけば、対策ができますよ。

工場で適性検査をする目的とは?

工場の採用試験で適性検査をする目的は、大きく2つあります。採用後、配属先を決定する際に参考にするためと、採用時に工場で働くために必要な能力を持っているか確認するためです。工場以外の一般企業の採用試験でも適性検査が実施されており、合格者を絞るためや、本人の能力と企業が求める人材のミスマッチを防ぐためなどに使われています。下記では、工場での適性検査の目的を解説します。

性格や個性を見極めて配属先を決定するため

工場では、採用後、配属先決定の参考として適性検査を実施することがあります。適性検査では、検査を受けた人物の能力や性格が見えてくるからです。工場には製造業以外にも事務業、営業など様々な職種があり、求められる性質が異なります。本人の得意分野を活かせる働きやすい部署に配属するためにも、適性検査は重要といえるでしょう。また、適性検査で性格や能力を見れば、戦略的人材配置や能力開発を見据えた人事が可能になります。

働くために必要な能力を持っているか確かめるため

社会人としての教養、知識の有無、工場で勤務できる能力の有無を確認するために、採用時に適性検査を行います。どれだけ本人に入社の熱意があっても、企業が求めるだけの能力を持ち合わせていないと、採用後、企業にとっても本人にとっても負荷がかかることになります。それを防ぐため、適性検査が活用されています。また、面接や履歴書では主観的に評価することが多いですが、適性検査は客観的に能力や性格を判断できる点もポイントです。

適性検査のタイプと対策

適性検査は、問題の内容で能力検査と性格検査に大別できます。下記では、能力検査と性格検査で問われる内容について、解説します。

能力検査

漢字の読み書きや計算など、最低限の知識や基礎学力、論理能力、思考力などが問われます。いずれも、小学生~中学生が解けそうな一般常識レベルの内容が出題されることが多いでしょう。仕事中に計算が必要なこともあるため、四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)は正確にできるようになっておくとよいです。日常生活では問題なく計算できていても、試験では緊張してミスをすることもあるでしょう。しかし、そのミスを仕事中のミスに置き換えると、大きな損失に繋がりかねません。緊張した状態でも正確に計算できるか不安な場合は、時間制限などを設けて練習をしておきましょう。
また、ニュースを見て業界に関連しそうな知識や一般的な知識を養ったり、一般常識を確認する問題集を解いたりしておくことも、対策になります。

性格検査

自分の普段の行動や性質を振り返り、はい・いいえの二択で答える質問や、どちらかといえばあてはまるなどの傾向を答える質問が出題されます。性格検査を受けるときのポイントは、よく見られようと回答をごまかさないことです。検査では言い回しを変えるなどして回答の一貫性を見てくるため、採用されたい一心で自分をよく見せようと嘘の回答をしても、入社後にはバレてしまいます。能力検査のように正解、不正解が必ずしもあるわけではなく、受験者の性格と企業の社風や働き方が合うかなどを確認するものですので、自分をごまかさずに回答することが大切です。本来の自分とは違うタイプで答えてしまうと、いざ入社しても仕事が辛く感じ、長続きしません。もし採用試験前に模擬性格検査を受けるチャンスがあれば活用し、そこで見つけた長所をアピールしていくのもよいでしょう。

工場の適性検査によくある内容と例題

工場で行われる適性検査には、下記のようなものが挙げられます。

  • スピード反応検査
  • トランプ配り
  • 間違い探し
  • 計算問題
  • 積み木の組み立て

下記で、具体的に何をするのか解説していきます。

スピード反応検査

指定された時間内で、図形に線を記入する問題などが出題されます。記入する順番は問わず、制限時間やもともと描かれている図形の個数などは、まちまちです。作業の正確性やスピード、空間関係把握能力などを調べるために行われます。

トランプ配り

手持ちのトランプがなくなるまで、指定された場所に分配していくテストです。終了までの時間を計測し、作業スピードを確認します。作業適性や正確性、目線の動きなどを見られます。検査のやり方として、1回目は自由なやり方で練習し、タイムを測る検査官にアドバイスをもらってから本番というケースもあります。

間違い探し

同じ文字が並んでいる中から、1つだけ違う文字を制限時間内に探すタイプの問題が多いです。例えば、「あ」の文字が5列10行で並んでいる中から「お」を探すといった具合です。似たような文字が並んでいるため、遠目で違和感を探り当てるのがコツです。このテストを通して、見つけるまでのスピードや正確性、焦らず探せるかのストレス耐性などを把握します。

計算問題

制限時間内に計算問題を解きます。四則演算が中心ですが、場合によっては分数問題も出題されるかもしれません。足し算、引き算は3桁の計算問題までスムーズに解けるよう練習しておきましょう。

積み木の組み立て

提示された図の通りに積み木を組み立てる問題です。積み木と言っても、立方体や直方体だけではなく、棒状の積み木や木の板のように薄いものなどもあります。正確性やストレス耐性を確認しますが、完成するまでの時間を測定するため、スピードも重要です。

社員採用の場合は「SPI対策」もしておこう

社員として採用される場合には、SPI対策もしておくとよいです。アルバイトやパートは簡単な適性検査のみのケースが多いですが、社員の場合は本格的な適性検査であるSPIを受ける必要があるかもしれません。下記ではSPIの内容や、工場の適性検査におけるSPIの出題科目、対策方法などを解説します。

SPIとは?

SPI(Synthetic Personality Inventory:総合適性検査)とは企業が人材採用に用いる検査方法の1つで、リクルートマネジメントソリューションズが開発したテストです。能力検査と性格検査があり、それらを通じ、仕事の適性や企業とのマッチング度合いを見ています。工場勤務の場合、SPIの合格ボーダーは企業ごとに違います。

工場の適性検査におけるSPI出題科目

工場の採用試験のSPIは一般的に、能力検査として言語と非言語が35分程度、性格検査が30分程度で実施されます。企業が求める能力によって難易度は変わりますが、言語、非言語の分野は、中学レベルの国語と数学の問題が出されることが多いです。性格検査では、YES、NO問題やどちらかといえば当てはまるなどの傾向を答える問題が出題され、工場勤務の適正を判断します。

SPIの受検方法は4つ

SPIは企業によって受験方法が異なります。WEBテスト方式とペーパーテスト方式に分かれ、受験会場によって、下記の4つに大別できます。

  • テストセンターで受験
  • WEBテスティングで受験
  • インハウスCBTで受験
  • ペーパーテストで受験

テストセンターでの受験は、専用の受験会場に赴き、そこにあるパソコンを使用し受験する方法です。WEBテスティングは、企業からの案内に従いWEBページにアクセスし、自宅のパソコンから受験します。インハウスCBTは、応募した企業に出向き、企業内のパソコンで試験を受けます。ここまではすべてWEBテストです。最後に、ペーパーテストですが、企業が用意した会場でマークシートに記入していく方法です。近年はテストセンターやWEBテスティング方式が多いですが、企業によって異なるため、応募時に確認しておきましょう。

SPIは問題集で対策可能

工場の採用試験で受けるSPIの問題は中学生レベルとはいえ、問題形式に慣れておくことが必要です。問題集で対策できるため、書店や通販などで購入し、一通り問題を解いてみましょう。また、問題を解いていくと、分野によって得手・不得手が見えてきます。本番で焦らないために、苦手分野は徹底的に繰り返し練習をしておくのがおすすめです。オンライン受験に不慣れな場合、WEB上で試せるSPIテストを受験したり、本命の工場を受ける前にSPIを実施する複数の工場を受けたりして、オンライン受験に慣れておくとよいでしょう。

適性検査の結果が悪いとどうなる?

工場の採用試験で適性検査の結果が悪くても、不採用に直結するとは限りません。特に、採用後の適性検査は配属先を決定するために行われることが多いです。あまり気負わずに受け、普段の自分を出すことで長所を活かせる部署で働けるでしょう。採用前の適性検査は、不採用の一因になることもあります。不採用の原因は適性検査だけではなく、面接や書類審査なども関係しているため、適性検査の結果がどの程度不採用に関わっているかはわかりません。しかし、その工場に合わなかったというだけで、他の工場では合格になることもあります。自己反省できる部分は改善して次の試験に挑みましょう。ただし、適性試験のなかでも計算問題やSPI試験は対策ができます。練習をしてから受けたほうが、試験当日に自分の実力を発揮できるはずです。

工場勤務で求められる適性と向いている人の特徴

性格検査では工場勤務の適正を判断されますが、実際にどのような人が工場勤務に向いているのでしょうか。工場では、製造しているものや、職種によって求められる適性は異なります。一般的には、体力がある人やコミュニケーションが得意な人、黙々と作業に取り組める人が求められやすい傾向にあります。下記では、工場勤務に求められる適性と、向いている人の特徴を解説します。

工場勤務における適性

工場勤務における適性とはその工場の仕事内容と、勤務する人の特徴が合っていることを言います。したがって、適性検査では、その人の能力や性格、考え方、知識、体力、集中力などが工場勤務に向いているかを確認しています。適性がない場所で働くと、本人には能力があるにものの仕事内容が合わず、自分は能力がないと感じ、落ち込む人や辞めてしまう人も少なくありません。適性検査を受け、勤務内容と勤務者の能力や体力などとのミスマッチを防ぎ、適性のある工場で働くのが望ましいでしょう。

工場勤務に向いている人の特徴

工場勤務に向いている人の特徴は、下記の通りです。

ものづくりが得意・好き
細かい作業が好き
マニュアルを守りつつ工夫して働ける
集中して作業できる
体力に自信がある
コミュニケーション能力が高い

製造業に携わるからには、ものづくりが好きな人のほうが向いているでしょう。具体的にはライン上に流れてくる部品を組み立てる仕事や、機械を操作して部品や製品を作る仕事などがあります。仕事自体はマニュアルに沿って行うため慣れれば難しくありませんが、細かい部品を扱ったり、立ったまま数時間以上作業したりするため細かい作業への集中力や体力が必要です。また、作業自体は1人で行うことが多いものの、周りの人とのコミュニケーションは欠かせません。なお、製造以外の事務や営業などの仕事では、別の能力が求められることがあります。

適性に自信がない場合はどうする?

工場には向いていないかもしれないと感じるときは、実際に採用試験で適性検査を受ける前に、自己分析をしてみましょう。自分はどのような仕事のやり方がよいと感じているのか、どのような作業ならストレスなくできるのかなど、仕事について振り返ってみてください。初めて働く場合は、学生時代の部活動や、趣味の活動などで自分が動きやすかった役割や仕事内容を洗い出してみます。転職サイトの自己分析ツールを使ってもよいでしょう。また、1つの工場に固執せず、他の業界の工場や、職種を探すのも1つの方法です。
派遣社員やアルバイトとして働いてみて、自分に合っているかを確認してから正社員を目指すケースもあります。

まとめ

採用時に実施する適性検査は、工場で働くために必要な能力を持っているか確認するために行われます。また、採用後、配属先を決定する際の参考として適性検査を実施することもあります。適性検査には、能力検査と性格検査があり、能力検査では仕事に必要な能力が備わっているかを確認します。計算問題を解いたり、トランプを配ってスピードと正確性を測ったりします。性格診断は、はいかいいえで答える問題などを通して、性格を知ることはもちろん、嘘をついていないか、よく見られようとごまかしていないかなどを把握します。正社員登用の場合はSPIを受験することもありますが、SPIは問題集で事前に対策ができるため、初めて受ける人や苦手な分野がある人は練習しておきましょう。工場の採用試験の適性検査は、工場勤務に適しているかどうかを見るために行われることが多いので、気負わずに受けましょう。

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