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2024.02.27

工場に社食(社員食堂)を導入する5つのメリットとは? 注意点も解説

工場に社食(社員食堂)を導入する5つのメリットとは? 注意点も解説

工場勤務の人にとって、社員食堂は大きな存在となっています。社員食堂があることで、作業効率のアップや、社員同士のコミュニケーションの場にもなり得るからです。

この記事では、社員食堂を導入するメリットをはじめ、導入するコツや手順などについて解説します。工場を運営しているものの、まだ社員食堂が導入していない方、これから導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

工場の社員食堂の特徴

工場の社員食堂は、企業が福利厚生として提供する食堂施設のことを指します。社員食堂は、企業側と社員側の双方にメリットがあるため、導入することが望ましい施設です。

企業側にとってのメリットは、福利厚生としてアピールすることができる点や企業のブランディングにつながる点、さらには社員同士のコミュニケーションの場となることで、モチベーションや作業効率の向上にもつながる点です。具体的なメリットについては後ほど詳しく説明します。

一方、社員側にとっては、手軽に食事がとれることや、健康サポートが受けられることがメリットです。工場の社員食堂は、社員だけでなくパートやその他の従業員も利用することができます。

社員食堂を導入するメリット

企業として社員食堂を導入するのには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、5つのメリットを紹介します。

福利厚生としてアピールできる

工場に社員食堂を導入することは、福利厚生の一つとして企業の魅力をアピールする手段となります。社員食堂の存在は、従業員にとっての利益や働きやすさを示す重要な要素です。

社員が自社内で手軽に食事を摂ることができる環境を提供することで、人材確保につながるだけでなく、離職率の低下も期待できます。

企業のブランディングにつながる

社員食堂は、企業のブランディングに大きく貢献します。社員食堂があることで福利厚生が充実している印象を与え、職場環境の良さや社員の活気が伝わります。従業員が健康で充実した食事をとることができる環境は、企業のイメージアップにもつながるでしょう。

また、社員食堂の存在は従業員の満足度が高まるといわれています。食事の提供によって、仕事などのストレスが軽減し、生産性やモチベーションの向上につながるためです。

社員同士のコミュニケーションの場になる

工場での勤務では、仕事中にコミュニケーションを取ることが難しいかもしれません。この点、社員食堂があることで、従業員同士が同時刻に一カ所に集まるため、コミュニケーションの機会が生まれます。社員食堂での食事や会話を通じて、普段接することの少ない従業員との交流も実現するでしょう。

また、さまざまな部門や階層の社員が集まる場としての役割も果たし、組織全体のコミュニケーションの活性化にもつながります。社員食堂を通じたコミュニケーションによって、良好な職場環境の構築につながると言っても過言ではありません。

モチベーション向上・作業効率アップに役立つ

社員食堂の存在は、モチベーションの向上と作業効率の向上に大きく寄与します。外出して食事をする手間やコンビニでの購入といった時間を節約することにもつながるでしょう。外食や買い出しなどの時間的ロスがないため、ゆっくりと食事を楽しんだり休憩したりすることが可能です。

また、おいしい食事やメニューが豊富な場合、社員の仕事へのやる気を高める効果もあります。有意義な休憩時間を過ごすことは、体力的な余裕を生み、生産性や作業効率の向上につながるでしょう。

社員の健康サポートに活用できる

栄養バランスを考慮した食事の提供を通じて、社員の健康サポートにも一役買っているのが、社員食堂です。健康的な食事の提供により、社員の栄養摂取を管理し、バランスのとれた食生活を促進します。

とくに塩分やカロリーを過剰摂取しやすい傾向のある従業員にとっては、食事メニューの工夫や管理により、健康意識を高めることができるため、社員食堂の利用はおすすめです。

工場に社員食堂を導入する3つのコツ

工場に社員食堂を導入するためには、3つのコツがあります。

ここでは、それぞれのコツについて詳しく見ていきましょう。

社員食堂には「運営方式」を把握する

社員食堂の運営方式には、「直営方式」「準直営方式」「外部委託方式」の3つがあります。

直営方式では、企業自身が社員食堂を運営し、調理師や栄養士を雇用。メニューやデザインなども自社内で決定します。これにより、企業の方針やニーズに合わせた食事提供が可能です。

準直営方式では、企業が資金を提供し、運営会社を設立して、その会社が主に運営を行います。企業と運営会社との協力関係が築かれ、専門的な運営ノウハウを生かしつつ、企業の要望を反映させることが可能です。

外部委託方式では、専門業者に運営・管理を委託する方式です。調理や配膳、片付けなどの業務は外部の専門スタッフが担当し、企業は食堂の運営に関与せず、専門業者によって運営されます。

運営方式を選ぶ際は、予算やリソースの有無、企業の目標に合わせて慎重に行う必要があります。各方式の特徴や利点を比較し、最適な運営形態を選ぶことが重要です。

社員食堂は「5つの「提供スタイル」から選定する

社員食堂の運営方法を決定する際には、食事の提供スタイルも考慮する必要があります。定食形式、カフェテリア形式、フードコート形式、ブランドコンセプト形式、弁当方式の5つが、主な提供スタイルです。

定食形式は、決められた一定のメニューがセット形式で提供されるスタイルです。

カフェテリア形式は、多様なメニューが並び、自由に選んで提供される形式になります。

フードコート形式は、複数の料理ブースがあり、各ブースで好みの料理を選ぶことが可能です。

ブランドコンセプト形式は、特定のブランドやテーマに基づいたメニューが提供されるスタイルです。

弁当方式は、事前に用意されたお弁当が配布されます。

各スタイルには、それぞれメリットやデメリットが存在します。予算、人数、ニーズ、環境などを考慮し、最適な提供スタイルを選びましょう。その際、社員の満足度や利便性、運営の効率性なども忘れずに考え、慎重に決定することが大切です。

運営に関わる「法律」を知る

社員食堂を運営する際には、把握しておかなければならない3つの法律があります。

1つ目は、食品衛生法です。 社員食堂は食品等事業者と見なされるため、食品衛生法が関係してきます。飲食店としての営業許可を取得する必要があるためです。

2つ目は、健康増進法です。生活習慣に関する知識の普及と国民の健康増進を図る法律になります。

3つ目が、HACCP(ハサップ)です。食品衛生管理システムの一つであり、食中毒などを防ぐための衛生管理計画を立て、実行・記録する手法です。社員食堂の運営を外部委託する場合、委託先がHACCPに対応しているか確認しなければなりません。

これらの法律を把握し、適切に対応することが求められます。社員食堂の運営は、法令順守の枠組みの中で行われることで、安全かつ健康的な環境を提供することが可能です。

工場に社員食堂を導入する手順

ここからは、工場に社員食堂を導入する手順について解説していきます。

それぞれの手順ごとにポイントを押さえ、しっかりと理解しておきましょう。

1.従業員のニーズを調査・把握する

1つ目として、従業員のニーズを調査・把握することが重要です。実際に社員食堂を利用する従業員の意見を聞くために、アンケート調査を実施しましょう。このアンケートでは、食事に関する好みや要望、利用頻度、価格帯の希望など、従業員が求める要素を明確にすることが目的です。

従業員のニーズを調査・把握したうえで、運営方針を決定します。従業員が満足できるような食事内容や提供スタイル、適切な価格設定を考慮してください。その際、従業員の健康や栄養に配慮するためのメニュー作成や、効率的な運営体制の構築なども検討していきます。

2.社員食堂のコスト算出と予算決定

2つ目は、社員食堂のコスト算出と予算決定です。社員食堂にかかるコストを算出するためには、さまざまな要素を考慮する必要があります。

食材の仕入れ費、調理器具や設備の導入費、人件費、運営費など、具体的な費用を見積ります。

そして、コスト算出をもとに、社員食堂の予算を決定します。コストだけでなく、企業の財務状況や予算枠、経営戦略に合わせて決めましょう。また、社員食堂のコンセプトや提供するメニューのレベルによっても予算に違いが生じることがあります。そのため、コンセプトの決定後に予算を決めても問題ありません。

3.コンセプトを決定する

3つ目は、コンセプトの決定です。
従業員の意見をもとに、社員食堂のコンセプトを具体化していきましょう。コンセプトは、社員食堂の設計や運営方針に大きな影響を与える要素であり、明確な目標設定が求められます。

まず、従業員の意見を集計し、社員の声やニーズを反映させましょう。食事の提供スタイルやメニュー内容、雰囲気や空間の演出など、従業員が社員食堂に求める要素を把握してください。また、社員食堂の設置目的や目標についても明確化しておくことも大切です。

4.食事の提供・運営方式を決定する

4つ目は、食事の提供・運営方式の決定です。提供スタイルや運営方針については、先ほど詳しく解説しましたので、参考にしてください。

提供スタイルや運営方針の決定は、社員の満足度や効率的な運営を実現するうえで重要な要素です。従業員の意見やニーズ、経営目標などを考慮しながら、最適な提供スタイルと運営方針を策定しましょう。

5.メニュー(献立)を決定する

5つ目は、メニュー(献立)の決定です。

従業員のニーズや健康を考慮しながら、バランスのとれた食事を提供するために、メニューの構成や献立を計画します。メニューを決める際は、おいしさや量、種類、栄養バランスも加味した上で決定してください。

それぞれの食事メニューの価格決めも忘れてはいけません。メニュー(献立)の決定は、社員の健康促進や食事の満足度向上に直結する重要なステップであることを念頭に置きましょう。

導入する際の注意点

工場に社員食堂を導入する際の注意点について、それぞれ解説します。

コストがかかる

注意点の1つ目は、システム導入や運営コストが発生する点です。

例えば、社内に食堂・調理の両スペースを設ける場合、設備や厨房機器などの購入・設置には少なく見積もっても数百万円、企業によっては数千万円のコストがかかってしまいます。さらに、調理スタッフの雇用に対する人件費、食材費、水道光熱費など、運営費も月に数百万~一千万円程度の費用が継続的にかかりますので、コストを把握することは重要です。

設置スペースが必要になる

社内に十分なスペースを確保できなければ、社員食堂の導入は難しいのが実情です。

また、社員食堂を設置する場合は、「労働安全衛生規則」という厚生労働省の省令により定められた厳密な設置基準を遵守しなければなりません。

食堂と調理場を区別して設置する必要があったり、1人あたりの食事スペースを1平方メートル以上取ったりすることが義務付けられているなど、設置スペースのことも念頭に置き導入を検討しましょう。

まとめ

工場への社員食堂導入に関して、さまざまな視点から解説しました。工場に社員食堂があることで、社員は仕事のモチベーションを高める効果があることや、社員同士のコミュニケーションの場の提供にもつながるなど、多くのメリットが得られます。一方で、コスト面や設置スペースなどの課題があることも忘れてはいけません。

工場への社員食堂導入は、多くの従業員にとって幸福感をもたらすことにつながります。工場運営者で自社内に社員食堂を導入しようか悩んでいる方は、この記事を参考にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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